派遣を契約途中で辞める?満了までやり過ごす?リスクを知って判断を

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派遣を契約途中で辞める?満了までやり過ごす?リスクを知って判断を

「今の派遣先がどうしても合わない。契約途中で辞めたいけれど、それって可能なの?」
「派遣を契約途中で辞めると、仕事を回されなくなってしまうなど、後々困ることにならない?」

派遣を契約途中で辞めたいけれど、穏便に辞められるのだろうか……とお悩みではないでしょうか。

結論から言うと、派遣を契約途中で辞めることは可能です。

以下のようにやむを得ない理由があればよいということが、民法で定められています。

“当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる”

出典:民法第628条

【やむを得ない理由の例】

  • 体調不良
  • 介護や不幸などの家庭の事情
  • 遠方への引っ越し
  • 派遣先でのハラスメント

一方、このようなやむを得ない理由ではない場合には、以下のリスクが存在します。

  • 今の派遣会社からは仕事をもらえなくなる
  • 失業手当の給付開始が遅くなる

このようなリスクも踏まえて契約途中で辞めるか、契約期間満了までやり過ごすか、慎重に検討した方がよいでしょう。

どうしても辞めるにしても、なるべく穏便に済ませる方法を理解しておくのが得策です。

そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。

▼派遣を契約途中で辞めることの可否と理由

▼派遣を契約途中で辞めるリスク

▼派遣を契約途中で辞めたいと思ったときの対処法

▼派遣を契約途中でトラブルなく辞めるための手順

この記事を読むことで、派遣を契約途中で辞めたいと思ったときにどうすべきかがよくわかります。それによって、「辞めたいけれど、どうしよう」という今のあなたの悩みがすっきりと晴れるはずです。

ストレスの少ない環境で働くための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。

目次

1. 派遣を契約途中で辞めることは可能!ただしその判断は慎重に行おう

派遣を契約途中で辞めることは可能!ただしその判断は慎重に行おう

「派遣を契約途中で辞めたい」と思ったときに一番気になるのは、それが本当に可能なのかどうかということですよね。

結論から言うと、派遣を契約途中で辞めることは可能です。ただし、辞める理由によっては契約を解除する場合の取り扱いや処理方法が変わってしまいます。

その点についても、詳しく解説していきます。

1-1. やむを得ない理由があれば、派遣は契約途中で辞められる

やむを得ない理由がある場合には、契約途中でも派遣を辞められます

このことは、民法でも以下のように定められています。

“当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる”

出典:民法第628条

「やむを得ない理由」には、以下のようなものがあります。

【やむを得ない理由の例】

  • 体調不良
  • 介護や不幸などの家庭の事情
  • 遠方への引っ越し
  • 派遣先でのハラスメント

これらのやむを得ない理由に共通するポイントは、「勤務の継続が難しいことが明らかである」という点です。

順に解説していくと、次のように解釈することができます。

  • 体調不良で療養が必要だったり、家族の介護や不幸で付き添いが必要という場合だったりすると、勤務する時間を確保することはできない
  • 通勤が困難なほどの遠方へ引っ越すのであれば、出勤自体叶わない
  • ハラスメントを受けているという場合には、派遣先に明らかな非があるということで、契約解除に至っても仕方がない

このように、派遣を契約途中で辞めたい場合には、なぜ勤務を継続することができないのかを整理しておくことが重要です。

なお、可能であれば、病気の診断書やハラスメントの記録などの証拠を用意できると、よりスムーズに退職の話を進められます。

【やむを得ない理由以外にも、就労1年以上の場合も退職OK】

「やむを得ない理由がある」以外に、その派遣先に1年以上勤務しているという場合にも、契約途中で辞めることが可能です。

労働基準法では以下のように定められています。

“当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる”

出典:労働基準法附則第137条

そのため、まずは契約書や派遣会社との契約内容を確認し、契約解除の手続きや期限について確認するようにしましょう。

1-2. やむを得ない理由がなければ、派遣を契約途中で辞めるのは慎重に判断を

一方、契約途中で辞めたい理由が上記に当てはまらないという場合には、慎重な判断が必要です。

辞めること自体は不可能ではありませんが、法的に認められた退職にはならないからです。

たとえば、派遣先での人間関係の問題はよくある悩みのひとつですが、

  • 職場の雰囲気に馴染めない
  • 苦手な人が多くて辛い

などの状況は、本人にとっては重大な問題であるものの「ハラスメントまで至らない」とみなされることがあり、その場合「やむを得ない理由」には該当しなくなるのです。

この状況において、どうしても辞めるということになれば、派遣会社や派遣先の企業と揉める可能性があります。仮に希望が通って辞められたとしても、次章で解説するようなリスクを負うかもしれません。

派遣を契約途中で辞めたいと思ったら、辞めることのメリットとリスクを天秤にかけて、よく検討することをおすすめします。

2. やむを得ない理由以外で派遣を契約途中で辞めるリスク

やむを得ない理由以外で派遣を契約途中で辞めるリスク

前述したような「やむを得ない理由」以外で派遣を契約途中で辞めることには、以下のようなリスクが伴います。

やむを得ない理由以外で派遣を契約途中で辞めるリスク

それぞれの内容について、解説していきます。

2-1. 派遣を契約途中で辞めるリスク1 今の派遣会社から仕事をもらえなくなる

やむを得ない理由以外で派遣を契約途中で辞めると、今の派遣会社から仕事をもらえなくなるかもしれません。

具体的には、条件のいい派遣先を紹介してもらえなくなったり、紹介自体されなくなったりする恐れがあります。

派遣会社にとって契約途中で辞めてしまう社員は、「また同じことをするのではないか」という不安を感じる社員ということになるからです。

契約途中で辞めてしまう社員を派遣したとなると、派遣先企業との関係性が悪くなり、取引中止に追い込まれる可能性もゼロではありません。そのため、リスキーな人材を派遣するのは憚られるようになるのです。

辞めた理由や派遣会社との関係性によって異なりますが、やむを得ない理由以外で派遣を辞めると、今の派遣会社は実質的に利用できなくなる場合もある、ということは頭に置いておくのがよいでしょう。

【派遣を契約途中で辞めた記録は、その派遣会社だけに残る】

派遣を契約途中で辞めると、紹介した派遣会社には記録が残りますが、個人情報保護の観点から他の派遣会社にその情報が渡されることはありません。

とはいえ派遣を契約途中で辞めた場合には、履歴書に「契約満了」ではなく「一身上の都合」で退職と記載することになるため、派遣会社を変えたとしても説明が必要になる可能性はあります。

2-2. 派遣を契約途中で辞めるリスク2 失業手当の給付開始が遅くなる

やむを得ない理由以外で派遣を契約途中で辞めると、失業手当の給付開始が遅くなります

「正当な理由がない自己都合退職」の扱いとなり、7日間の待機期間に加えて、2ヶ月間の給付制限期間が設けられるためです。

一方、以下のような離職理由であれば、7日間の待機期間後すぐに失業手当が給付されます。

  • ハラスメント
  • 体調不良
  • 妊娠・出産・育児
  • 家族の看護や扶養
  • 引っ越しや交通機関の停止による通勤困難

これらの「失業手当における正当な離職理由」は、「派遣を契約途中で辞めてもやむを得ない理由」とほぼ一致していることがわかりますね。

つまり、失業手当は「やむを得ない理由」以外で辞めるとすぐに受け取ることができないため、その後の生活を維持できるかどうかを事前に考えておく必要があるのです。

ちなみに上記の正当な離職理由であれば、失業手当の受給資格が緩和され、受給期間も長くなるという優遇措置がとられます。

【注意!派遣の契約満了=失業手当をすぐに受け取れるとはならない】

失業手当について注意が必要なのは、優遇措置が適用されるどうかは「契約満了まで働いたかどうか」ではなく「離職理由」によるという点です。

契約満了まで働いたとしても、以下に当てはまらない場合には「正当な理由がない自己都合退職」の扱いとなり、7日間の待機期間に加えて2ヶ月間の給付制限期間が設けられます。

  • 派遣会社の倒産や解雇のために次の仕事がもらえなかった
  • 契約更新が可能でありそれを希望したにもかかわらず叶わなかった
  • 契約満了後1ヶ月経っても次の仕事を紹介されなかった
  • 前述した体調不良などの「正当な理由」があるために次の仕事ができない

3. 派遣を契約途中で辞めても損害賠償を請求されることはほぼないので安心しよう

派遣を契約途中で辞めても損害賠償を請求されることはほぼないので安心しよう

ここで「派遣を契約途中で辞めると損害賠償を請求されるのではないか」と不安に思われる方もいますが、その可能性はゼロではないものの、ほとんどありません。

そもそも、損害賠償請求の対象になるようなケースが非常に稀だからです。

労働基準法では以下のように定められています。

“使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない”

出典:労働基準法第16条

つまり、派遣社員は「契約途中で辞めたら損害賠償を請求しますよ」という前提で雇用されているわけではない、ということです。

損害賠償請求自体は禁止されていませんが、派遣会社があなたに損害賠償を請求するためには、損害の詳細な内容(金額)を明示する必要があります。その他の手続きも含めて相当な労力がかかるため、あまり現実的ではないでしょう。

社内で自分にしかできない巨額の売上につながる仕事を投げ出した、などの多大な損失を与えたというわけでなければ、まず請求されないと考えて大丈夫です。

4. 派遣を契約途中で辞めたいと思ったら、まずは派遣元の担当者に相談しよう

派遣を契約途中で辞めたいと思ったら、まずは派遣元の担当者に相談しよう

ここまで読んで、リスクも踏まえて「やはり派遣を契約途中で辞めたい」と思ったら、まずは派遣元の担当者に相談しましょう

派遣会社には社員の労働環境を守る責任があるため、あなたが辞めたいと思った原因の解決に協力してくれるはずです。うまく対処できれば、契約満了まで働き続けられるかもしれません。

また実際に辞める場合にも、まずは雇用主である派遣会社とやりとりするのが正式な手順になります。

この章では、このように契約途中で辞めたいことを派遣会社に相談する方法について解説します。

4-1. 面談を設定してもらう

まずは派遣会社の担当者に連絡を取り、面談を設定してもらいましょう。

契約途中で辞めたいと相談するときは、対面で話すのがベストです。メールや電話では細かなニュアンスが伝わらず、やりとりに時間がかかったり誤解が生じたりする場合があるからです。

アポイントの際に「契約途中だが派遣を辞めたいと考えている」と大まかに伝えても構いませんが、詳しい内容は面談でしっかりと話すことをおすすめします。

4-2. 率直な思いを伝え、一緒に対処法を考えてもらう

派遣会社の担当者に対しては、辞めたいということに関わるあなたの思いを率直に伝え、一緒に対処法を考えてもらいましょう。

遠慮や忖度から隠し事をしてしまうと、担当者も状況を正確に把握できず、適切な対処法が見出せない可能性があります。

たとえば以下の分類で、「なぜ辞めたいのか」について具体的に伝えましょう。

  • ■人間関係
    派遣先の社員に業務内容についての相談をしても、「自分で考えるように」と言われてしまう。
    結局正解がわからず、業務に支障を来している。

  • ■ハラスメント
    派遣先の上司から事あるごとに「派遣のくせに」と侮辱され、ストレスを感じている。
    帰宅してもそのことが頭から離れず、睡眠不足で体調が悪い。

  • ■労働条件
    事務から清掃まであらゆる業務を派遣がさせられて、負担が大きい。毎日2時間の残業もある。
    給与に見合った仕事内容ではないと感じて辛い。疲労が大きすぎて家事育児に支障を来している。

  • ■転職
    正社員として雇用してくれる企業が見つかった。
    来月1日付けの入職が条件なので、それに間に合わせたい。

人間関係やハラスメントについては、派遣会社から派遣先に改善を求める申し入れをしてもらうことができます。労働条件も、交渉することが可能です。

転職の場合は、内定企業との調整や最もトラブルが少ない退職時期についてアドバイスをもらえるでしょう。

「派遣を契約途中で辞めるかどうかは自分一人で決めるのではなく、派遣会社と一緒に考える」という認識を持つと、悩みを抱え込んで辛い思いをせずに済みますよ。

【派遣会社が対応してくれない場合には公的相談窓口を利用しよう】

労働上の問題を派遣会社に相談しても対応してもらえない場合には、公的な相談窓口を利用するという方法もあります。

■ハローワーク
トラブル全般について相談可能

■労働基準監督署
賃金や労働時間・安全衛生などといった労働基準法に関連したトラブルについて相談可能

■都道府県労働局雇用均等室
性別や立場を利用した不当な対応(セクハラやパワハラ)について相談可能

このような公的相談窓口を利用してみてください。

5.【お悩み別】契約満了までやり過ごすための対処法

【お悩み別】契約満了までやり過ごすための対処法

「辞めたいと思っていたけれど、もう少しがんばってみようかな……」という気持ちになった方には、契約満了までやり過ごすための対処法をそれぞれご紹介します。

以下のお悩み別に解説していきますので、当てはまる部分をご参照ください。

お悩み別契約満了までやり過ごすための対処法

5-1. お悩み1 人間関係が悪い

派遣先の人間関係が悪い場合には、派遣会社に相談して改善の申し入れをしてもらうことも可能ですが、手っ取り早く自分でできる対処法も試してみましょう

派遣だからとよそ者扱いされる・社員から下に見られるといったトラブルは、どこの派遣先でも起こり得ます。うまくかわすための対処法を身に付けておけば、今後派遣先が変わっても活用できるはずです。

派遣先の人間関係が悪いことへの対処法としては、以下のような方法がおすすめです。

  • 挨拶・相槌・笑顔を欠かさない
    「感じのいい人」であるようにしましょう。
    相手の出方はどうあれ、こちらから悪意を発することがなければ、敬遠されにくくなります。

  • 堂々とする
    常に平常心で動じない態度を示しましょう。
    おどおどとした態度は相手に快感を与え、嫌がらせがエスカレートする可能性があります。

  • 仕事だけの付き合いだと割り切る
    仕事に必要なやりとりさえできれば仲良くなる必要はないと考えましょう。
    職場の雰囲気に馴染めなくても、あまり気にならなくなります。

  • 感情ではなく事実に目を向ける
    注意や指摘を受けたら、相手の怒りや自分の辛さといった感情ではなく、何が起きたかという事実のみに注目して対処しましょう。
    そうすることで、相手に対して必要以上に苦手意識をもたなくて済みます。

  • 積極的に質問する
    もし余裕があれば、苦手な相手にも積極的に仕事上のアドバイスをもらいましょう。
    仕事熱心だと思われたり、頼られて気分がよくなったりすると、相手の態度が和らぐことがあります。

このように、相手との関係性を作るということに加えて、自分のストレスを軽減するという面でのアプローチも行うことが効果的です。

5-2. お悩み2 待遇が悪い

給与や残業などの待遇が悪い場合には、まず派遣会社に相談しましょう

事前に聞いていた残業時間を超えている・各種手当が支払われないなど、契約内容と実態が異なるのであれば、派遣先とやりとりして解決してもらえます。

「契約通りではあるが、実際に働いてみると辛かった」ということでも、調整できる場合があります。

その際には、以下のような根拠資料を用意すると話がスムーズに進みます。

  • 給与明細
  • 業務内容のメモ
  • タイムカード画像や残業時間のメモ
  • 業績や派遣先社員からの評価

「待遇が悪いことによって具体的にどんな支障が出ているのか」「どのような改善を望むのか」をしっかりと伝えることが大切です。

5-3. お悩み3 仕事内容が合わない

仕事内容が合わないというケースには、主に以下3つのパターンがあり、それぞれ対処法が異なります。

  • 契約内容と実際に依頼される業務が異なる
  • 契約通りの内容だが負担が大きい・ついていけない
  • 契約通りの内容だが物足りない・つまらない

5-3-1.契約内容と実際に依頼される業務が異なる

派遣会社に相談しましょう。契約通りの業務内容へ改善するよう、派遣先に申し入れしてくれます。

5-3-2.契約通りの内容だが負担が大きい・ついていけない

派遣を初めてから間もないために経験不足なのか、それとも、明らかに自分の力量を超えているのかを考えてみましょう。

原因が経験不足であれば、以下のような方法を取り入れることで、徐々にうまく仕事をこなせるようになるはずです。

  • ToDoリストを作る
  • 業務の手順や指示などは全てメモする
  • わからないことは積極的に質問する
  • 業務の出来高について上司や同僚からフィードバックをもらう

一方、明らかに自分の力量を超えていて、経験を積んでも対応できそうにないという場合には、派遣会社に相談して業務の調整を打診してみましょう。

5-3-3.契約通りの内容だが物足りない・つまらない

契約の業務で十分な結果を出しているのであれば、スキルアップの機会だと考えてみてはいかがでしょうか。

たとえば、作成する資料をより質の高いものにできるよう工夫してみる、関連業務の担当を申し出るなどによって、モチベーションやスキルを向上させることができるはずです。

契約外の業務を担うということになれば、給与アップの交渉が可能な場合もあります。

また、なぜ今の仕事がつまらないのかをじっくりと考えてみることで、自分が仕事に求めることが明確になり、次の仕事選びもスムーズになるかもしれません。

6. 派遣を契約途中でトラブルなく辞めるための手順【3STEP】

派遣を契約途中でトラブルなく辞めるための手順【3STEP】

派遣を契約途中で辞めることになったら、トラブルが起きないように以下の手順を守りましょう。

派遣を契約途中でトラブルなく辞めるための手順

それぞれの内容について、解説していきます。

6-1.【STEP1】派遣元の会社に意向を伝える

まずは、「派遣元」の会社に辞めたいという意向を伝えます「派遣先」の企業に先に伝えてはいけません

派遣社員を雇用しているのは派遣元の会社なので、退職についての判断や手続きも派遣会社が行います。

派遣先に伝えてもどうにもならないばかりか、派遣会社からすると寝耳に水という事態になるの注意しましょう。

最悪、派遣先は「契約途中で辞めるなんてどうなっているんだ」と怒り出し、派遣会社からも「順序を守らないせいで丸く収められるチャンスを失った」と非難されるかもしれません。

契約途中であっても可能な限り穏便に辞めるためには、「最初に伝えるのは派遣元」というルールの遵守を徹底しましょう。

【一般的には退職の1ヶ月前には申し出るのがベスト】

派遣を辞める場合、一般的には、最低でも1ヶ月前には申し出るのがよいとされています。後任の確保や十分な引継ぎのためには、一定の期間が必要になるからです。

しかし契約途中で辞めたいというときには、1ヶ月後まで継続できないという状況にあることも少なくないでしょう。

その点も含めて、まずは派遣会社に相談してみることをおすすめします。

6-2.【STEP2】派遣元から派遣先に連絡・手続きをしてもらう

派遣元に退職の意向を伝えて無事に認められたら、派遣元から派遣先に連絡がいき、手続きが行われます。

退職の日程やそれまでのスケジュール・手続きの内容など、どのように行動すべきかは、派遣元の指示に従いましょう。

6-3.【STEP3】派遣先へ退職する旨を伝える

派遣元からの許可が出たら、派遣先へ退職する旨を伝えます。

業務の引継ぎをしっかりと行い、契約途中で辞めることによる弊害をできるだけ抑えられるようにしましょう。

併せて、派遣先でお世話になった相手には感謝の挨拶をすると好印象です。

7. 派遣を契約途中で辞める場合に準備しておくとよいこと

派遣を契約途中で辞める場合に準備しておくとよいこと

派遣を契約途中で辞める場合には注意点があります。

それ以降の生活に困らないよう、以下の準備をしておくことをおすすめします。

派遣を契約途中で辞める場合に準備しておくとよいこと

それぞれの内容について、解説していきます。

7-1. 派遣を契約途中で辞める場合に準備しておくとよいこと1 次の仕事のリサーチ

「退職後に間を空けず働きたい」という場合には、あらかじめ次の仕事のリサーチをしておきましょう

退職日が決まれば次の仕事の就業開始日も決められるため、エントリーや面接を始めて構いません。

現在登録している派遣会社から次の仕事を紹介してもらうというのがスムーズですが、「2-1.今の派遣会社から仕事をもらえなくなる」で解説したように、契約途中で辞める理由によっては難しい可能性があります。

その場合には、他の派遣会社に登録しましょう。

7-2. 派遣を契約途中で辞める場合に準備しておくとよいこと2 保険関連の手続き・費用の確認

退職後すぐには働かないという場合には、保険関連の手続きや費用の確認を行いましょう

健康保険や年金の期間に空白ができてしまうと、必要な保障が受けられなくなるからです。また、仕事をしていない状態で保険料を支払っていけるかどうか試算しておくことも大切です。

主な手続きを以下にまとめておきます。

  • ■社会保険から国民健康保険への切り替え
    会社の健康保険を脱退後14日以内に、市役所や区役所の保険業務担当窓口に届け出る。
    親や配偶者の扶養家族になる場合には必要ない。

  • ■厚生年金から国民年金への切り替え
    市役所や区役所の保険年金課に届け出る。
    配偶者の扶養家族になる場合には必要ない。

  • ■失業手当の申請
    派遣会社に「離職票」の発行を依頼する。
    離職票を受け取ったらハローワークに届け出る。

手続きのためには平日に関連機関に出向く必要がありますが、保険と年金の切り替え・失業手当の申請それぞれ1日ずつ確保すればOKです。

重要な手続きなので、休職中で時間に余裕があるという利点を活かして早めに済ませてしまいましょう。

8. まとめ

この記事では、派遣を契約途中で辞めたいと思ったときに知っておくべきことを解説しました。以下に要点をまとめます。

派遣を契約途中で辞めることは可能です。

  • 体調不良やハラスメントなど、やむを得ない理由があれば法的に認められている
  • やむを得ない理由がなくても不可能ではないが、慎重な検討が必要

やむを得ない理由以外で派遣を契約途中で辞めることには、以下のようなリスクがあります。

  • 今の派遣会社から仕事をもらえなくなる
  • 失業手当の給付開始が遅くなる

派遣を契約途中で辞めたいと思ったら、まずは派遣会社の担当者に相談しましょう。対処法を考えてくれるはずです。

派遣を契約途中で辞めざるを得ない場合には、トラブル回避のために以下の手順を守りましょう。

【STEP1】派遣元の会社に意向を伝える

【STEP2】派遣元から派遣先に連絡・手続きをしてもらう

【STEP3】派遣先へ退職する旨を伝える

派遣の仕事については一人で抱え込まず、派遣会社と一緒に考えていくのがうまく働くための秘訣です。