「派遣の面談はどんな質問をされるのだろう?わからなくて不安」
「どう回答すれば採用されやすくなるかな?しっかり準備しておきたい!」
派遣先との面談まで話が進んだら、どのような質問が来るのか不安ですね。「答えられなかったらどうしよう」と緊張している人もいるかもしれません。
ほとんどの面談で質問される内容は以下の5つです。
- 自己紹介
- 職歴について
- スキルや資格について
- 残業などの就業条件について
- 志望理由について
履歴書で書く内容を述べることができれば問題ありません。本記事では回答例をご紹介します。
ただし、派遣先との面談では、押さえておくべき5つのポイントがあります。
ポイントを押さえておかないと、質問への答えが的を外れたものになってしまうからです。
上記を踏まえた上で面談に臨めば、先方の質問へも的確に答えることができますよ。
また、あなたの印象を損ねてしまうような「してはいけない質問」もあるので注意が必要です。
こういったことから、本記事では面談を控えるあなたに向けて以下のような内容をお伝えします。
▼この記事で分かること!
- 派遣先でほぼ必ずされる7つの質問と回答例
- 面談で注意すべき5つのポイントと対策
- 派遣先でしてもいい質問・してはいけない質問
- 答えなくていい質問
- 面談前にチェックできる質問・回答シート
本記事1つで、派遣先との面談の対策がしっかりできるようになっています。
「面談前にチェックできる質問・回答シート」もご用意しました!
最後まで読めば、面談当日も落ち着いて臨めますよ。それでは早速、読み進めましょう!
目次
1. 派遣先の面談でほぼ必ずされる5つの質問と回答例
派遣面談は、派遣先があなたを初めて知る機会です。応募した内容にふさわしい人かどうかを知りたいと思っています。
そのため、質問はどの派遣先でも基本的に以下の5つになります。
- 自己紹介
- 職歴について
- スキルや資格について
- 残業などの就業条件について
- 志望理由について
上記の質問項目を見ても分かるように、面談は会社の面接と同等です。ただし、事前に履歴書の確認などはしていません。なぜなら、履歴書送付や事前面接は禁止されているからです。
派遣先は事前に候補者の中から特定の人を選定してはならないと労働者派遣法で定められています。派遣社員を雇うのは派遣元であるため、派遣先が面接を行ってしまうと派遣社員との雇用関係が発生して二重雇用になってしまいます。
厚生労働省のサイトでは、派遣受け入れ前の面接に対して「派遣法第26条第7項」を取り上げて以下のように述べています。
”「派遣先が講ずべき措置に関する指針」では、「特定目的行為の禁止」という項を設け、「事前面接、履歴書送付、若年者限定など派遣労働者の特定目的行為を行わないこと」と定めています。”
上記のような理由から、面接の代わりに候補者への職場見学を兼ねて派遣先との顔合わせという名目で面談を行います。事実上の面接と考えて良いでしょう。
以下では、5つの質問に対しての回答例も織り交ぜながらひとつずつ解説します。
1-1. 派遣先の面談でされる質問1 自己紹介
はじめに「自己紹介をお願いします」と言われます。
派遣元は、派遣先に事前にスキルシートという書類を渡しています。スキルシートとは、あなたが持っているスキルについて書かれているものです。
派遣元は、面談前にあなたにスキルシートの内容を開示してくれるので、自己紹介ではスキルシートを元に話していけば良いでしょう。
自己紹介の内容は、以下を簡潔に述べましょう。
- 名前
- 年齢
- 経験した職種や業種
- 業務に関するスキルなど自己アピール
面談時間は一般的に30分程度で、場合によっては1時間になることもあります。あまり長引くと時間が長くなり先方に迷惑がかかるので、自己紹介の時間は長く取りすぎないようにしましょう。理想としては1分程度です。
以下は自己紹介の回答例です。
【自己紹介の回答例】
(1)新社会人の場合
はじめまして、◯◯◯◯と申します。本日はよろしくお願いいたします。
大学では◯◯サークルに所属し、マネージャーとしてスケジュール調整や部員一人ひとりの健康管理、学部を超えたコミュニケーションの円滑化などを行いました。
この経験は、職人さんのまとめ役となる施工管理業務などに活かせると考えています。
(2)すでに社会人の場合
初めまして、◯◯◯◯と申します。◯歳です。本日はよろしくお願いいたします。
今まで△△株式会社に3年務めました。一般事務員として、専用システムを使用した受発注業務に携わっておりました。
Excelで進捗管理表を作って複数の営業担当の受発注を一括管理して効率化したことは、会社に貢献できたと思っています。
(1)の場合はまだ社会経験がないため、大学でどんなことを行ってきたか、どのような点が会社で活かせるかなどをアピールポイントにします。
(2)のようにすでに社会人の場合は、以下の内容を簡潔にアピールしましょう。
- これまで経験した職種
- これまで従事してきた業種
- 貢献したこと・貢献できること
1-2. 派遣先の面談でされる質問2 職歴について
職歴は、あなたがすでに社会人の場合に質問されます。職歴を聞かれる理由は、あなたが自社の業務に対応できるか、すぐに辞めずに長く働いてくれるかなどを知るためです。
職歴の質問は、主に以下のような内容です。
- 今までの職歴を教えて下さい
- 詳しい仕事内容と、貢献したことがあれば教えて下さい
- 前職を退職した理由を教えて下さい
1つずつ解説していきます。
1-2-1. 今までの職歴について
今までの職歴を質問する目的は、あなたが即戦力になるかどうか、業務に対して適性があるかどうか知るためです。
職歴に関する質問への回答は、どのような仕事をしてきてどのようなキャリアを積んできたかをしっかりと述べることが重要になります。
「今までの職歴について教えて下さい」という職歴についての質問への回答例は以下のようなものです。
【職歴についての質問への回答例】
私は大学卒業後に◯◯百貨店に入社し、販売員として4年働きました。
結婚を機に退職しましたが、子育てが落ち着いた2019年からは、販売員の経験を生かして飲食店で2年間働いていました。
ホール担当でしたので、お客様にいかに気持ちよく過ごしていただけるかを考え、笑顔での接客や気遣いを忘れずにすることを心がけました。リピーターを増やすことにも成功し、ホールのチーフに昇進させていただきました。
しかし、コロナ禍の影響で店自体が一時休業することになったため、その後は接客業のスキルを活かせるコンビニでアルバイトをしながら、将来について模索していました。
上記回答例のポイントは以下の内容を含めることです。
- 職種
- その職種で働いた年数
- 貢献のために心がけたこと
- 成果、評価されたこと
特に、貢献のために心がけたこと、実際の成果や評価は働く意欲や向上心がある人物だというアピールになります。
職歴がたくさんある場合は、おおまかな年数と業種を言うに留め、詳しい内容は直近の仕事のものを述べましょう。
1-2-2. 詳しい仕事内容と貢献したことについて
「あなたがこれまで行ってきた仕事の詳しい内容や、その会社へどのように貢献したかなどを教えて下さい」。
仕事内容や貢献について質問する目的は、あなたがその仕事に対してどのように取り組んできたかを知るためです。
派遣先は、あなたの仕事への姿勢ややる気などを知りたいと思っているため、「貢献したことは特にありません」と答えるとイメージダウンにつながってしまいます。
どんな些細なことでもいいので、どんなことに貢献したかを言えるようにしておきましょう。
【詳しい仕事内容と貢献したことについての回答例】
一般事務員として社外への受発注に携わりました。
受発注では複数のスケジュールを一括管理するため、Excelを用いたスケジュール管理表を作り、効率化に貢献できたと思っています。
上記の回答例のポイントは以下を含めることです。
- 携わった職種での詳しい仕事内容
- 効率化を図るなどの前向きな姿勢
派遣先は、あなたがどのように働いてくれるかということに関心があるため、仕事内容はできるだけ具体的に伝えます。
貢献したこともプラスして伝えると、ただ与えられた仕事を行うだけでなく、業務の改善などもしてくれそうだという先方の期待値も上げることができます。
1-2-3. 前職の退職理由について
転職経験がある場合は退職理由を聞かれます。
退職理由を聞く目的は、自社の業務に対応できない可能性や、早期退職の可能性がないかを見定めるためです。
前職の退職理由が「上司と反りが合わなかった」「残業がきつかった」などであっても、伝え方は前向きな回答を意識しましょう。
他責や環境のせいにするのではなく、自分の働く理由(価値観)や、理想のキャリアプランなどを理由にするのがおすすめです。
具体的には、自分の働く理由(価値観)や、理想のキャリアプランなどを理由にするのがおすすめです。
【退職理由の回答例】
(1)自分の働く目的を理由にする場合
前職を退職した理由は、私の働く目的を実現するのに最適ではないと思ったからです。
私の働く目的は家族のために安定した収入を得ることですが、前職では給与が歩合制だったため、収入が不安定でした。そのため安定した給与を得られる会社に転職したいと思ったのです。
御社はコロナ禍でも右肩上がりの業績で将来性があると感じたため、御社を希望いたしました。
(2)理想のキャリアプランを理由にする場合
私の夢は、将来AI技術者になることで、資格取得のための勉強もしています。しかし、前職ではAI技術を活かせる部門がなかったため、AI技術を活かせる職場に転職しようと考えました。
御社は最新のAI技術を駆使した◯◯を開発しています。御社でなら、自分の理想のキャリアプランの実現に向けてスキルアップしながら頑張っていけると確信しています。
(1)の例では、自分の働く理由を満たすために退職し、転職したいという意思を述べています。
(2)では、将来のキャリアプランを実現するために転職したいという理由で転職したことを述べています。
このように、派遣先が納得するような退職理由を述べることがポイントです。さらに、派遣先に対してやる気や情熱をアピールすることで、プラスの印象を与えることもできます。
1-3. 派遣先の面談でされる質問3 スキルや資格について
スキルや資格についての質問はどの会社でも必ず聞かれます。
質問の目的は、業務に対応できるかどうか、即戦力になるかどうかを知るためです。
派遣先にしてみれば、候補者の中からできるだけ適性の高い人を選びたいはず。そのため、スキルや資格はなるべく正直に答え、できることをはっきりと伝えましょう。
反対に、出来ないことは背伸びして「できる」と言わないようにします。なぜなら、採用してほしいがためにできないことをできると言っても、仕事が始まってから困るのはあなただからです。
【スキルや資格への質問の回答例】
今まで仕事で実際に使用したスキルは、OSはWindows、Wordはアウトライン作成程度、Excelはグラフ作成やVLOOK UPやピポットテーブルなどです。
資格は日商簿記検定2級とMOS(Microsoft Office Specialist)です。
スキルや資格については、取得した経緯や思いなどを挟まずに自分が出来ることだけ簡潔に伝えることがポイントです。
なぜなら、先方が知りたいのはあなたが何を出来るかということだからです。
1-4. 派遣先の面談でされる質問4 残業などの就業条件について
残業などの就業条件についての質問は、派遣社員を受け入れる派遣先にとって重要なことです。自社と派遣社員のそれぞれの希望が合わなければ、採用できないからです。
例えば、残業ありと提示している派遣先に、残業不可と言っている人を候補者に立てると話がスムーズに進まなくなります。このように、派遣元の営業担当者はできるだけミスマッチを避けるように就業条件を事前に確認しています。
派遣先は、就業条件は事前に派遣元の営業担当から候補者に伝えられると知っていますが、改めて本人に確認したいという目的で質問することが多いようです。
具体的には以下のような質問をされます。
- 残業はできますか?月に何時間までできますか?
- 土日の出社の可能性が出てきた場合、対応できますか?
- 何時から何時まで勤務可能ですか?
- 月に何度かお使い程度の外出を頼むことは可能ですか?
- 上着のみ規定の制服着用をお願いしていますが、対応可能ですか?
注意したいのは、派遣社員の雇い主はあくまでも派遣元であるということ。派遣社員は、派遣先ではなく雇用主である派遣元の就業条件に従うのがルールです。しかし、派遣元の方では大抵は「派遣先に準ずる」としています。
面談の際に就業条件について質問された場合は、すり合わせや再確認するのが目的と考えましょう。
【就業条件についての質問への回答例】
残業は月に10時間くらいであれば可能です。予定が入っていない限り対応できます。
ただ、土日は子どもが家にいるため、出社は難しいです。出張などは日帰りであれば可能です。就業時間は応募条件の通り、平日5日間の朝9時から夕方5時まで出勤します。
上着の着用も問題ありません。よろしくお願いいたします。
回答例のポイントは以下を含めることです。
- 1ヶ月に残業できる時間数
- 土日に出社出来ない理由
- 就業時間
- 全般的に協力的であること
自分が対応できることを明確に伝えます。特に理由がなければ、残業や日帰り出張、制服などへの協力的な気持ちを示すことも好印象を与えるポイントになります。
派遣社員の出張費は派遣先の会社が出すのが一般的です。出張の可能性がある場合は、事前に派遣元の営業担当者に、出張費についても確認しておきましょう。
1-5. 派遣先の面談でされる質問5 志望理由について(紹介予定派遣の場合)
志望理由は、一般的な派遣社員の場合よりも紹介予定派遣の場合に聞かれることが多い質問です。
なぜなら、派遣先が一般的な派遣社員を利用する場合は単に一定期間の人員を確保したいだけなので、業務に対応できて働きたい人であれば問題ないからです。
しかし、紹介予定派遣の場合は社員にすることを前提にしているため、正社員と同様の審査基準となります。
紹介予定派遣で面談する場合は志望理由への回答もしっかりと用意しておきましょう。
志望理由を述べる際には、以下のようなことを意識して述べると良いでしょう。
- 派遣先の魅力となるポイント
- 自分の考え
- 自分が活かせるスキルなど
上記を踏まえての回答例は以下のようになります。
【志望理由の回答例】
(1)新社会人の場合
私が御社を志望した理由は、御社の◯◯サービスが社会にとても貢献していると感じているからです。
特に、△△ダムや✕✕高速道路の建設など、多くの人のライフラインに欠かせないだけでなく、生活の利便性を向上するものです。特に、他社にはない組織力の高さと独自の◯◯技術にはとても魅力を感じています。
私は学生時代からバスケットボールを5年間続けています。そこで培った体力とチームワークは、御社の業務でも活かせると思っています。
(2)すでに社会人の場合
御社を志望した理由は、御社の人材育成・高い組織力に魅力を感じているからです。
私はこれまで人事採用部門で働いてきました。人事では、従来では即戦力のための人材育成が主でした。しかし、今後は組織をより大きくするためには、個を大事にしながらも組織が成長できるための人材育成が必要だと考えています。
御社は、社員の成長が組織の成長につながるような新しい人材育成方法をいち早く取り入れておられ、とても共感しています。
これまでの人事採用部門で培ってきたスキルを、御社の組織の成長を加速させる人材育成に役立てられればと思っております。
(1)の新社会人の場合は、以下の要点を簡潔に述べている点がポイントです。
- 派遣先に対して魅力的に感じている理由
- 自分の要素が会社の貢献に活かせると思っている理由
(2)の社会人の場合は、以下の点を明確に伝えていることがポイントです。
- これまでの仕事の経験から生まれた目標
- 派遣先の会社の方針と実現したい目標がマッチしていること
- 自分が派遣先で役に立てること
2. 派遣先との面談で注意すべき5つのポイントと対策!
ここまで読んで、派遣先との面談でほぼ必ずされる質問は把握できたことと思います。
ただ、質問と回答が分かっただけでは対策が万全とはいえません。採用されやすくなるには、以下の5つのポイントをしっかり押さえて対策する必要があるからです。
- 事前に営業担当と事前に打ち合わせておく
- ごまかさず正直に話す
- してはいけない質問は避ける
- 質問は複数用意しておく
- 質問がなければアピールに変えるのもアリ
ひとつずつ解説していきます。
2-1. 事前に営業担当と事前に打ち合わせておく
面談することが決まったら、必ず事前に営業担当と打合せておきましょう。
細かい条件や派遣先の要望などを共有しておくと、面談当日にされる質問を予測でき、回答を準備できるからです。
例えば「残業はほぼなし」とされていても、月に残業がある場合があります。残業がある場合は月に何時間くらいか、月に何日くらい発生するのかなどを営業担当に確認できるでしょう。
こちらから質問したいことを、事前に営業担当者に確認することで解決することも多いです。反対に、してはいけない質問をしてしまうのを防ぐこともできます。例えば、調べればすぐに分かるような内容などです。
してはいけない質問については、6. 派遣先にするとNGな質問で詳しく述べます。
【事前に打合せておくべきこと一覧】
- スキルシートの内容
- 就業条件
- 質問したいと思っていること
- 先方が何に期待しているか
2-2. ごまかさず正直に話す
今までの仕事内容やスキルについての質問には、ごまかさず正直に話しましょう。
採用されたいからといってスキルなどをごまかしても、採用されればできないことは分かってしまいます。
仕事内容やスキルだけでなく、全般を通して嘘などを言うのはよくありません。採用されたいがあまり思っていないことやできないことを話してしまうと、後でトラブルに発展する事にもなりかねません。
以前、どのような仕事をしていたか、スキルはどんな資格を何級まで持っているかなどを伝え、等身大の自分をアピールするようにしましょう。
【面談で特に正確に話すべきこと一覧】
- スキル
- 資格
- これまでの仕事内容
- できること・できないこと
最近ではあまり見かけませんが、顧客や社員へのお茶出し当番など古い体質が残っている会社もあります。
業務とは直接関係ない作業は基本的にしなくても良いことになっていますが、就業してからできないとはっきり伝えると角が立つこともあるでしょう。
就業前に分かった場合でできないことは「仕事時間や集中が削がれてしまうので…」などやんわり断りましょう。営業担当から伝えてもらうという手もあります。
2-3. してはいけない質問は避ける
してはいけない質問は避けるようにしましょう。してはいけない質問をすると、採用される確率が低くなります。
してはいけない質問とは、具体的には以下のようなものです。
- インターネットなどで調べれば分かる内容
- 条件や待遇面について
インターネットで調べられるような内容は、誰でもすぐに分かります。そのような内容を質問すれば「そんなことも調べてこなかったのか」「うちの会社に興味がないのか」と思われてしまうでしょう。
条件や待遇面に関しては派遣先と派遣元が交渉して決めるものであるため、候補者は当然事前に派遣元から聞かされているはず。
改めて条件や待遇面について質問すると「聞いていなかったのか」「待遇面ばかり気にして仕事内容に興味はないのか」と思われてしまいます。
【具体的にすべきこと一覧】
- 派遣先のHPはすべて目を通しておく
- HPを閲覧して気になったことをメモしておく
- 当日、「HPを拝見したのですが」と前置きして質問する
2-4. 質問は複数用意しておく
こちらからする質問は複数用意しておきましょう。なぜなら、こちらが質問する前に先方が説明する可能性もあるからです。
聞こうと思っていたことをすべて説明されてしまうと、用意していた質問ができなくなり、「なにか質問はありますか?」と聞かれた時に答えることができません。
無理に答えなければならないということはありませんが、何も質問を返せないと「あまり何も考えてきていないのかな?」「興味がないのか?」と思われる可能性があります。
派遣先に働く意欲があることや良い印象を与えるためにも、質問は複数用意して最低でも1つは質問できるようにしておきましょう。
【用意した質問をすべて説明されてしまった場合の言い方】
もしも用意した質問をすべて説明されてしまった場合は、「聞きたいと思ったことはすべてご説明いただいたので、質問は特にありません」と回答しましょう。
ただ「特にありません」と答えるよりも丁寧だし、与える印象も柔らかくなります。社会人のビジネスマナーをわきまえているとして、好印象を持ってもらえるでしょう。
2-5. 質問がなければアピールに変えるのもアリ
2-4で伝えたように、質問は複数用意しておくのがおすすめですが、それでも質問がない場合は無理に質問せずにアピールの機会に変えましょう。
ほとんどの面談では、一通り質問などをやり取りした後に必ず「他に質問はありますか?」と聞かれます。
派遣先が最後に「なにか質問はありませんか?」と言うのは、以下のような目的があるためです。
- 聞き漏れのないよう情報をより引き出したい
- 最後にアピールのチャンスを与えたい
せっかく与えられたチャンスなので、上手に利用しましょう。
アピールしたい話がある時は、以下のような流れで話すと効果的です。
- まずは結論を言う
- 続いてエピソードを話す
- 最後に貢献出来ることをアピールする
【回答例】
聞きたいと思っていたことはすべてご説明していただいたので質問はないのですが、本日面談していただき、御社で働きたいという気持ちが一層強くなりました。
先程もお話しましたが、私の強みはコミュニケーション力です。前職の営業では、お客様に親身になって話を聞き、顧客満足度やリピートにつなげました。
御社のコールセンターでもこの強みを生かして貢献できると思っています。
回答例では、以下のようにポイントを絞って、先方に上手にアピールしています。
- 質問はないが、働きたい意思が強まった
- 強みを生かして貢献できることを再度伝える
3. 派遣先にするおすすめの逆質問例7つ
派遣先からは、「質問があったら何でも言ってください」というように、こちらからの質問も歓迎されます。
本章では、派遣先にしても良い逆質問の例を以下の7つ挙げるので、ぜひ参考にしてみてください。
- 事前に学んでおくことや身につけておくスキルについて
- 働く場合の心構えや注意点などについて
- 派遣社員に期待すること・求めることについて
- 研修期間について
- 業務に使うソフトについて
- 1日の仕事の流れや仕事量について
- 同年代で活躍している社員の特徴について
すべて質問する必要はありませんが、いくつか用意しておくと質問することがなくならず困りません。
では1つずつ解説します。
3-1. 事前に学んでおくことや身につけておくスキルについて
就業前に学んでおくことや身につけておくスキルがあるかどうか聞いておくことは良いことです。
実際に就業後に役に立つし、面談時の印象も良くなるでしょう。
【質問例】「就業前に身につけておいたほうが良いことやスキルなどはありますか?」
3-2. 働く場合の心構えや注意点などについて
働く場合の心構えや注意点なども聞いておくと良いことです。
会社によって細かなルールなどがある場合もあるので、働く前に知っておけばいざ働くことになった時にもすでに心得ているので慌てません。
【質問例】「働く場合の心構えや注意点などはありますか?」
3-3. 派遣社員に期待すること・求めることについて
派遣社員に期待することや求めることを明確にしておくのも良いでしょう。
求められていることが分かれば対策ができるし、あまりないとは思いますが、どうしても対応できない場合には面談後にお断りすることも可能です。
【質問例】「誠意を持って務めさせていただきますが、御社で派遣社員が求められることはなんですか?」
3-4. 研修期間について
会社によっては研修期間を設けているところもあります。
研修期間がある場合は事前に営業担当者から伝えられていると思うので、時給や待遇には触れず具体的な研修内容などを聞くようにします。
【質問例】
「研修期間を設けてくださるとのことですが、何か心がけておくことはありますか?」
「具体的にはどういった内容になるのですか?」
3-5. 業務に使うソフトについて
業務に使うソフトについて聞くのも良い質問です。
通常の事務系の仕事であればExcelやWordなどを使うのが一般的ですが、建築関係や受発注など、専門分野によっては自分が使ったことがないソフトを使って作業する可能性があります。
自分が行う業務について質問するので、先方も快く教えてくれるでしょう。
【質問例】「就業前に知っておきたいのですが、業務にはどのようなソフトを使うのですか?」
3-6. 1日の仕事の流れや仕事量について
1日の仕事の流れや仕事量も、これから働く側にしてみれば大事なことです。
先方は、自分がこれから働くのに不安を解消したいのだなと納得して教えてくれるでしょう。
【質問例】
「大体の1日の仕事の流れを教えて下さい」
「1日の仕事量はどのくらいでしょうか?繁忙期などがあれば教えて下さい」
3-7. 同年代で活躍している社員の特徴について
会社に1日も早く馴染める努力をしたい、励みにしたいといった理由から、同年代で活躍している社員の特徴も質問しておくのもおすすめです。
【質問例】
「できるだけ早く職場に馴染みたいですし、お手本にしたいので、同年代で活躍している社員の方はどういった特徴があるか教えていただけますか?」
上記のように説明を入れて質問すれば、切磋琢磨して働いてくれそうだという印象を与えることができるでしょう。
4. 注意!派遣先の面談のこんな質問には答えなくていい
面談ではできるだけ質問に答えなければいけないと思っている人も多いと思いますが、中には質問されたとしても答えなくていい質問もあります。
答えなくてもいい質問は以下のようなものです。
- 個人情報に関すること
- プライベートなこと
- 宗教や政治に関すること
1つずつ解説します。
4-1. 個人情報に関すること
個人情報は個人情報保護法によって守られるべきものであり、派遣先は就業前の人に必要以上のことを開示させる権利はないからです。
個人情報といっても、氏名・生年月日・住所などは履歴書に書かれています。それ以外の以下の内容などについては、聞かれても話す必要はありません。
- 病歴
- 家族構成や家族の仕事など、家族に関すること
- 本籍や出生地
個人情報保護法では、「要配慮個人情報」にも触れており、以下のように述べています。
【個人情報の保護に関する法律】
”第二条 3
この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯
罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利
益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含
まれる個人情報をいう。”
もしも個人情報に関することを聞かれたら、「それは業務に関係あることでしょうか…?」とやんわり断りましょう。
次に述べるプライベートなことや宗教・政治に関することへの質問も同じ対応がおすすめです。
4-2. プライベートなこと
プライベートなことにも答える必要はありません。
プライベートなこととは、例えば以下のような質問です。
- 休日は何をしているの?
- よく行くお店は?
- 愛読書は何ですか?
- 尊敬している人は?
愛読書や尊敬している人に関しては、一見プライベートなことではないように見えます。しかし、思想につながる質問のため答えなくても良いのです。
4-3. 宗教や政治に関すること
宗教は政治に関する質問には答える必要はありません。
宗教や政治への質問は、憲法の思想の自由を侵すからです。
宗教や応援する政治家や政党は、業務とは関係なく業務への支障もきたしません。
5.派遣先面談の準備に使おう!質問記入シート
ここまで面談に対しての質問や対策などを紹介してきましたが、ひとつにまとめて見ることができると便利ですね。
そこで、質問・回答を1つの表にまとめたシートを作りました。面談前日までに印刷して書き込み、直前まで見直すなどして活用してください。
質問に対する回答を書き出すことで、伝えるべきことが整理できますし、必要なことを漏れなく伝えることができます。
ダウンロードはこちら
6. 派遣先にするとNGな質問
派遣先にすると良い質問があると同時に、しないほうがいい質問もあります。
NGな質問を知らないで面談に臨むと、派遣先の印象や心象を悪くしてしまうため、ぜひ事前に知っておきましょう。
してはいけない質問は、以下の2つです。
- インターネットで調べれば分かる内容
- 給与や待遇面の質問
ひとつずつ解説します。
6-1. インターネットなどで調べれば分かる内容
インターネットなどで調べれば誰でも分かるような内容の質問はしてはいけません。なぜなら、派遣先は「そんなことも知らないで面談に来たのか」「うちの会社に興味がないのか?」と思ってしまうからです。
調べれば分かるような質問とは、例えばホームページの会社概要に書いてある従業員数や商品などについてです。
調べればすぐに分かるような内容の質問は相手の心象を悪くするだけ。できれば事前に調べておくのがおすすめです。
当日にもしも会社についての話が出たら会話についていけるようにし、質問しないで済むようにしておきましょう。
6-2. 給与や待遇面の質問
給与や待遇面の質問はすべきではありません。なぜなら、給与や待遇面は派遣先と派遣元が交渉して決めるものだからです。
特に待遇面である有給休暇や福利厚生に関する事柄は、派遣社員は派遣元が定めたものに従います。
ただし、派遣先が会社の創立記念日などで休みになる場合は例外です。会社自体が休みになり、業務ができないからです。
7. 派遣先の面談がしっくり来なければ断ってもOK
最後に一つだけお伝えしたいのは、面談に進んだ場合でもしっくり来なければ後から断っていいということです。
よく、「面談で色々質問したから、就業の意志があると受け取られただろうな。もし採用の通知がきたら断るのはよくないだろうな」と思ってしまう人がいます。
しかし、面談でこちらから色々と質問したからといって、必ずしも受けなければならないということはありません。
面談ではお互いのマッチング度合いを知るために質問がかわされるのであって、働くかどうかはまた別の問題だからです。
もしも、面談した上で「なんとなく合わなさそう」と感じたら、断っても大丈夫です。
8. まとめ
派遣先との面談の一番の目的は、お互いのミスマッチを防ぐことです。
どの派遣先の面談でもほぼ質問される内容は、以下の5つです。
- 自己紹介
- 職歴について
- スキルや資格について
- 残業などの就業条件について
- 志望理由について
質問にそつなく答えることよりも、先方が知りたい情報に対して的確に回答することを意識して臨みましょう。
注意すべき点は、以下の5つです。
派遣先からの質問が一通り終わった後は、ほぼ「何か質問はありますか?」と聞かれるので、こちらからの質問も複数用意しておきましょう。
ただし、してはいけない質問はしないようにしましょう。派遣先への印象が悪くなってしまいます。
質問・回答シートを事前に印刷して書き込み、面談前に見直すなどして当日は落ち着いて面談に臨んでください。
あなたの面談が上手くいくよう願っています。
就職で役に立つ資格とは?資格をアピールする方法や注意点も紹介|Biznes(びずねす)
就職に役立つ資格についてはこちら:就職で役に立つ資格とは?資格をアピールする方法や注意点も紹介|Biznes(びずねす)
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