設備施工管理とは?仕事内容や7つの仕事の魅力・役立つ資格もあわせて紹介

FC編集部

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設備施工管理とはどのような仕事か、ご存じでしょうか。この記事では設備施工管理の主な種類や仕事内容、必要とされるスキルや役立つ資格などについて紹介しています。設備施工管理を目指している場合や仕事内容を知りたい場合は、ぜひこの記事をご覧ください。

 

「設備施工管理ってどんな仕事?」

 「設備施工管理の仕事にはどんな魅力があるの?」

 このように、設備施工管理という仕事についてよく分からないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では設備施工管理とはどういった仕事か、設備施工管理の種類について、平均年収や必要とされるスキルなどを紹介します。この記事を読むことで設備施工管理の基本的な知識が得られ、気になる平均年収についても知ることができるでしょう。

 

また、設備施工管理の仕事のやりがいや役立つ資格などについても紹介しています。この記事を読むことで、設備施工管理の仕事の魅力や、仕事をする上で身につけておきたい資格があることも分かるでしょう。

 

設備施工管理の仕事に興味がある場合や、設備施工管理への転職を検討している場合は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。

 

目次

設備施工管理とは?

設備施工管理というのは、建物における設備の工事を管理することです。

設備施工管理は設備の工事に対して、「品質管理」・「安全管理」・「原価管理」・「工程管理」などを行っています。設備施工管理が携わる建設設備の中には、「機械設備」・「電気設備」・「配管設備」・「通信設備」・「空調設備」・「消防設備」などがあります。

 

【設備工事別】設備施工管理の主な6つの種類

ここからは設備施工管理が行う設備工事別に管理業務を紹介します。設備施工管理といっても、どのような設備工事を担当するのかで仕事内容は変わってくるので注意してください。

 

設備施工管理の主な種類1:機械設備

設備施工管理の「機械設備」では、エレベーターやエスカレーター設置工事、プラント設置工事などの管理を担当します。設備施工管理はこれらの機械設備の工事について、品質管理や安全管理等を行いながら、工期内に終わらせるように管理することが仕事です。

機械設備には危険物の取り扱い、火災や爆発といった危険もあるため、適切に安全管理を行わなければなりません。また機械設備の試運転や点検などを行うこともあります。

 

設備施工管理の主な種類2:電気設備

現代では大体の建物に電気設備が整っていますが、これらの工事を管理することも設備施工管理の仕事です。「電気設備」では電気を建物に引き込む工事や分電盤の配置工事、コンセントの配置などを行います。

工事の原価管理や、スケジュール通りに工事を終えるよう工程管理などをしていきます。

出典:電気工事士の資格と範囲|ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

参照:https://www.shiken.or.jp/range_qualification/03.html

 

設備施工管理の主な種類3:配管設備

設備施工管理の配管設備では、建物内に水を通すための水道管工事、建物内で発生した下水を排水するための排水管工事、ガスを供給するためのガス管工事などを行います。

ガス管工事ではガスが漏れた場合、爆発する危険性があるため高い技術力が求められます。

また新規の設置工事以外で補修工事やメンテナンスを行うため、水道管を新規で設置する作業では補修工事をしやすく設計、施行管理することが重要です。

 

設備施工管理の主な種類4:通信設備

通信設備工事では、建物で電話を使うための電話線工事やネット環境整備のためのインターネットの回線工事などを行っています。

通信設備工事の中には、建物やフロア内でネットワークを構築するLAN工事やモバイル端末のためのモバイル通信基地局工事、大型サーバーの設置工事などがあります。現代ではこれらのインターネットや、モバイル関係の通信設備工事が増えているでしょう。

 

設備施工管理の主な種類5:空調設備

設備施工管理は空調設備工事において建物内の空気を入れ替える換気設備工事、エアコン設置工事、万が一建物内で火災が起こった際に煙を外へ出すための排煙設備工事などの管理を行います。

空調設備に携わる場合には、熱源設備・熱搬送設備・空気調和設備・換気設備・排煙設備など5種類の知識が必要になるでしょう。

 

設備施工管理の主な種類6:消防設備

設備施工管理は消防設備を正しく工期内で設置するよう、管理する仕事もしています。

消防設備工事の対象となる消防設備には、消火栓工事やスプリンクラー設置工事、非常用エレベーターの設置工事や防火防炎シャッターの設置工事などがあります。

消防設備を設置するにあたって、壁や天井に穴をあけるようなこともありますが、これらも消防設備工事の対象です。

 

設備施工管理の主な4つの仕事内容

ここまでは、設備工事別に設備施工管理の主な種類について紹介しました。これらの設備工事について設備施工管理はどのような仕事をしているのか、ここからは主な4つの仕事内容について紹介します。

それぞれどのような仕事になっているのか、見ていきましょう。

 

設備施工管理の仕事内容1:品質管理

設備施工管理の仕事である「品質管理」とは、設備が設計図や仕様書通りに設置されているか管理する仕事です。

具体的には、対象の設備が設計図と相違ない大きさか、設置位置が合っているか、仕様書通りの性能を保持しているのか強度や材質をチェックします。

そのために設備の品質をチェックしながら工事を進めていくことになるでしょう。

 

設備施工管理の仕事内容2:安全管理

「安全管理」では設備工事において安全に作業を行えるよう、環境を整えることが仕事です。

具体的には火災や爆発といった事故を起こさないよう、事故を想定したリスク管理、工事に使用する機材の安全点検や工法をきちんと守っているか、といったことをチェックします。

また作業員の健康チェックや、天候の変化による危険の排除などもする必要があるでしょう。

 

設備施工管理の仕事内容3:原価管理

工事を予算内で終え、利益をあげるための原価管理も設備施工管理の仕事です。

そのため、工事で使う資材や機械などの原価を計算し、できるだけコストダウンする必要があるでしょう。しかし、コストダウンしても工期内に工事を終えなければなりません。また、適切な人員配置や機械等のレンタルをしていく必要があります。

もし予算オーバーするようなら、人員の見直しや資材費といった原価の見直しが必要になるでしょう。

 

設備施工管理の仕事内容4:工程管理

設備工事は、工期内に終えて引き渡さなければなりません。そのため、設備施工管理は設備工事が工期内に完了するように、スケジュールを管理する仕事を行います。

しかし天候の急変や事故といった事情で、工期内に設備工事が予定より遅れてしまうようなこともあるでしょう。もし設備工事に遅れが生じた場合、工期を守るための調整もしなければなりません。工程管理には、スケジュール管理能力や調整力が求められます。

 

設備施工管理の仕事の平均年収

設備施工管理の仕事の平均年収は、625万円~696万円程度となっています。

しかし設備施工管理の仕事によって、平均年収が変わってくることに注意しましょう。たとえば電気工事施工管理で約625万円、電気通信施工管理で約628万円、設備施工管理で約643万円、プラント施工管理が約695万円です。

設備施工管理の仕事の中で電気工事施工管理は平均年収が低い傾向にあり、プラント施工管理の仕事は平均年収が高い傾向にあることが分かります。

 

設備施工管理の仕事に必要とされるスキル

設備施工管理は、品質管理や安全管理、原価管理や工程管理の仕事を行っています。これらの仕事をこなすためには、スキルが必要になるでしょう。

ここでは、設備施工管理の仕事に必要とされるスキルについて紹介します。設備施工管理の仕事に就くことを目指している場合は、これら3つのスキルを身につけておくとよいでしょう。

 

タスクを管理するスキル

現場で適切に工程管理するため、優先度の高い業務から取り掛かり、確実にタスクを進めていくスキルです。

会社によっては1つの現場だけでなく、複数の現場を担当することもあるでしょう。その場合はどの現場でどの業務の優先度が高いのか判断し、進めていく必要があります。予期せぬトラブルへの対応を求められることもあるでしょう。

 

スケジュールを管理するスキル

設備施工管理は工期を守って確実に仕事を終わらせるために、「スケジュールを管理できるスキルが必須です。

作業員の作業状況や人員に過不足はないか、機材や材料の搬入、天候の変化などに注意しなければなりません。作業員が何かの事情で不足してしまったり、機材や材料の搬入が遅れたりすることもあるため、遅れた場合にどうするのかあらかじめ対策を立てておくことも大切です。

 

コミュニケーションスキル

設備施工管理はスムーズに仕事を進めるために作業員や技術者とコミュニケーションを取ることになります。

年代が違う作業員や専門的な技術者ともしっかり連絡を取ったり、協議したりしなければなりません。

時にはクライアントと話し合い、了承を得る必要がでてくることもあるでしょう。設備施工管理はさまざまな人と関わるため、それらの人びととしっかりコミュニケーションをとれるスキルが必要です。

 

設備施工管理の仕事の7つの魅力とやりがい

仕事をする際には、仕事から得られるやりがいに魅力を見出す人もいるでしょう。設備施工管理の仕事には、設備施工管理の仕事ならではのやりがいがいくつもあります。

ここからは設備施工管理の仕事の7つの魅力ややりがいを紹介しますので、設備施工管理を目指している場合はこれらを参考にしてみてください。

 

1:規模の大きな仕事に携わることができる

設備施工管理は商業施設や集合住宅、公共施設などの建設にも携わることになります。規模の大きな仕事であれば建物の知名度も高く、そういった建物の建築に携わったことにやりがいを感じることができます。後世まで残るような建物の仕事にも、携われる可能性があるでしょう。

 

2:将来性のある仕事である

設備施工管理の魅力として、建設業には安定した需要があり、将来性のある仕事ということがあります。

しかし、建設業には携わる人の高齢化が進んでいるという問題もあります。将来的にさらに高齢化は進み、建設業に携わる人が減っていくでしょう。そのため、今後さらに設備施工管理の需要が高くなると予想されています。

 

3:スキルが上がれば年収アップする可能性がある

設備施工管理の仕事でスキルをあげられれば、それだけ評価されたり年収がアップしたりする可能性があることも魅力でしょう。

設備施工管理の仕事に関する資格はいくつもあり、国家資格も含まれます。受験に実務経験が必要なものも多く、設備施工管理として働いている中で受験資格を得ることが可能です。

資格を取得できれば、昇給のチャンスを得られ規模の大きな仕事を担当できるようになったり、重要なポストに就けるようになったりするでしょう。

 

4:現場に屋根がある場合が多い

建設業で現場の仕事の場合、屋根がなく吹き曝しの状態であることが多いでしょう。また多少の風雨の中で作業をすることもあります。しかし設備施工管理の現場では、屋根がある場合や室内工事が多いという特徴があります。

このため炎天下や雨天で作業することはあまりないでしょう。暑さや寒さも屋外よりは緩和されているため、働きやすいことが設備施工管理の仕事の魅力の1つです。

 

5:経験を積めば転職に有利になる可能性がある

設備施工管理の仕事は経験者が不足しているため、経験を積むことで転職時に有利になる可能性が高いでしょう。すでに設備施工管理の経験があれば即戦力になります。

設備施工管理として実務経験を積むだけでなく、資格を取得することもおすすめです。その場合は、施工管理技術検定等の国家資格の取得を目指してみましょう。

出典:建築・電気工事施工管理技術検定|一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部

参照:https://www.fcip-shiken.jp/index.html

 

6:資格を取得すると資格手当をもらえる可能性がある

設備施工管理に関係する資格を取得することで、資格手当をもらえる可能性があるでしょう。資格手当をもらえれば、年収を増やすことが可能です。

ただし資格手当があるかどうかは会社によって異なります。また資格手当の額も会社により変わってきます。そのため、転職時には資格取得していることで、資格手当はあるのかなどしっかり確認してから転職するようにしましょう。

7:人の役に立っている実感を得やすい

設備施工管理は規模の大きな工事に携わることができ、その建物が実際に利用されることで社会に貢献している、人の役に立っているという実感を得られやすい、やりがいのある仕事です。

人の役に立つことがしたい人や社会貢献を重視している人にとって、設備施工管理は魅力ある仕事の1つでしょう。

 

施工管理の仕事のきつい部分

ここまでは、設備施工管理の仕事の魅力ややりがいについて紹介してきました。しかしどんな仕事にもメリットがあればデメリットがあるように、設備施工管理の仕事にもきつい部分が存在します。

以下では設備施工管理の仕事のきつい部分について紹介します。設備施工管理の仕事を目指している場合は、魅力ややりがいだけでなくきつい部分についてもしっかり把握しておきましょう。

 

他の工事の遅れの影響を受けることがある

設備施工管理の仕事は通常、土木工事や建築工事が終わってからになります。このため、もしも建築工事や土木工事が遅れてしまった場合、工期に間に合わせるために設備工事のスケジュールにしわ寄せがくる場合があるでしょう。

その場合、期限内に工事を終わらせるために設備施工管理は予定よりも短いスケジュールで仕事をしなければならなくなります。

 

スケジュールがタイトな影響で休日が取りにくくなる場合がある

設備施工管理の仕事は、土木工事や建築工事の状況によってはスケジュールがタイトになり、休日が取りにくくなる場合があります。

これはなぜかというと、どうしても工期を守らなければならないことが理由です。工期を守るため、土木工事や建築工事の遅れを設備施工管理のスケジュールをタイトにすることで対応する場合があるでしょう。

 

室内工事では残業が増える場合がある

室内工事であれば、夜遅くまで残業することが可能なため、残業が増えることがあります。

土木工事や建築工事の場合、夜になれば暗くなってしまい工事をすること自体が難しいですが、室内工事は夜になっても明かりをつけて作業が可能なため、残業が増えてしまいます。

 

設備施工管理の仕事に役立つ資格5選

ここからは、設備施工管理の仕事に役立つ資格を紹介します。

基本的に、設備施工管理の仕事に資格は必要ありません。しかし資格があれば資格手当がついて年収がアップしたり、スキルアップして転職に有利になる可能性があります。

設備施工管理としてのキャリアアップを考えるのであれば、これらの資格を得ることを検討してみましょう。

 

1:建築設備士試験

空調や換気、電気や給排水衛生などの建築設備は、どんどん高度になり複雑になってきています。これらの設備を適切に設計、工事監理するために実施されるようになったのが、「建築設備士試験」です。試験では建築一般知識や建築法規、建築設備の知識などが必要になるでしょう。

建築設備士試験は建築士に対して、設備の設計や工事監理のアドバイスを行うことができます。また、建築設備士が建築士にアドバイスした場合、その内容は建築確認申請書等に記載されます。

出典:建築設備士(制度全般)|建築技術教育普及センター

参照:https://www.jaeic.or.jp/smph/shiken/bmee/bmee-seidozenpan/index.html

 

2:消防設備士試験

「消防設備士試験」とは、建物への消防設備の設置や設置された消防設備の点検、保守などを行えるようになる資格です。消防設備士試験には甲種と乙種の2種類があります。それぞれ取り扱うことのできる設備が違っているので、注意してください。

たとえば泡消火設備やスプリンクラー設備、自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備などは甲種乙種のどちらも扱えます。しかし特殊消防用設備等は甲種、消火器や漏電火災警報器は乙種の対象となっています。

出典:消防設備士試験|一般財団法人消防試験研究センター

参照:https://www.shoubo-shiken.or.jp/shoubou/

 

3:管工事施工管理技術検定

「管工事施工管理技術検定」とは、上下水道設備や空調設備、吸排気ダクトやガス管などの配管工事の施工管理を行うための国家資格です。

管工事施工管理技術検定には1級と2級があります。1級管工事施工管理技術検定に合格すれば、監理技術者として規模の大きな工事を担当できるようになります。そのため資格取得者がいれば、公共工事を受注しやすくなるというメリットがあるでしょう。

出典:1級管工事施工管理技術検定|一般財団法人 全国建設研修センター

参照:https://www.jctc.jp/exam/kankouji-1/

 

4:電気工事施工管理技術検定

設備施工管理は電気設備も担当しますが、「電気工事施工管理技術検定」は電気工事の施工管理をするための国家資格になります。

電気工事施工管理技術検定には1級と2級があります。1級と2級では担当できる工事のスケールや経営事項審査の点数、試験範囲や難易度が違います。2級よりも1級の方が難易度が高く試験範囲は広くなりますが、その分資格手当や年収は1級の方がよいでしょう。

出典:1級 電気工事施工管理技術検定のご案内|一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部

参照:https://www.fcip-shiken.jp/den1/

 

5:電気通信工事施工管理技術検定

「電気通信工事施工管理技術検定」とは、資格取得することで電話工事やLAN工事、テレビ共聴放送設備工事や携帯電話基地局の工事といった通信工事の施工管理を行う国家資格です。

電気通信工事施工管理技術検定にも1級と2級があります。資格を取得することで電気通信工事の主任技術者や監理技術者を目指せます。

設備施工管理の中でも通信設備を担当したい場合、電気通信工事施工管理技術検定の資格に合格しておくことをおすすめします。

出典:1級電気通信工事施工管理技術検定|一般財団法人 全国建設研修センター

参照:https://www.jctc.jp/exam/dentsu-1/

 

設備施工管理の将来性

設備施工管理の仕事は今後も需要が高いと考えられており、将来性があると考えられています。

設備施工管理の将来性が高い理由としては、災害の多い国であることから復旧や復興工事の需要は安定してあると見込まれていることが理由です。

建設業に携わる人の高齢化も進んでいるため、今後も設備施工管理の需要は高く、将来性があるでしょう。

 

設備施工管理の仕事について理解を深めよう

設備施工管理の仕事には多くの種類があり、さまざまな仕事を行っています。

設備施工管理は、将来性があるとされている仕事です。この記事の設備施工管理の仕事の魅力ややりがい、きつい部分などを参考に目指すかどうか検討してみましょう。設備施工管理を目指す場合は、必要とされるスキルや仕事に役立つ資格取得がおすすめです。