施工管理の一日の流れとは?具体的な仕事内容と場面別のスケジュールも解説

FC編集部

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施工管理の一日の仕事の流れをご存じでしょうか。この記事では施工管理の一日の流れ、立場・時期・仕事別のスケジュール例や施工管理のやりがいなどについて紹介しています。施工管理の仕事に興味がある場合は、この記事を読んで施工管理への理解を深めてみましょう。

「施工管理ってどんなスケジュールで仕事しているの?」

 「施工管理は残業が多いって聞いたけれど本当?」

 このように、施工管理の仕事に興味があってもどんな風に仕事しているのか分からない人、残業が多いと聞いて不安という人もいるのではないでしょうか。

この記事では施工管理士の一日の流れの例や、立場・時期・仕事別の施工管理士のスケジュール例について紹介します。施工管理が一日どのような流れで仕事をしているのか、理解できるようになるでしょう。

 

また、施工管理の残業時間の実態や働く時のポイント、やりがいについても紹介しています。残業時間が心配な人は実態を知ることができ、どういう点に気をつけて仕事をすればいいのか参考になるでしょう。

 

施工管理に興味のある人、興味はあるけれどマイナスな噂を聞いて心配がある人は、ぜひこちらをチェックしてみてください。

 

施工管理士の一日の流れ

施工管理士は一日どのような流れで仕事をしているのでしょうか。ここでは施工管理士の一日の流れを、時間帯別に詳しく紹介していきます。

施工管理士が一日どのような流れで仕事をしているのか、参考にしてみてください。

 

施工管理士の一日の流れ1:7:00~8:30 朝礼

建設現場に出勤したらまず朝礼を行います。朝礼では当日行う工事についての説明や、その日のスケジュールについての説明、現場の危険箇所を説明し共有すること、ヘルメットや安全帯に問題はないかチェックすること、ラジオ体操などを行います。

 

施工管理士の一日の流れ2:8:30~12:00 巡回

工事現場の巡回・点検では、工事が順調に進んでいるかを確認します。工事現場に危険箇所はないかのチェックも同時に行う必要があるでしょう。必要に応じてそれぞれの工程ごとに作業員への指示を出していきます。午前中のうちに工事現場の写真撮影を行って、記録に残します。

 

施工管理士の一日の流れ3:13:00~17:30 打合せ

12:00~13:00までの間は昼休憩し、13:00から再開します。昼礼を行った後、現場監督や所長と工事の進捗状況についてや、翌日以降のスケジュールの調整等の打合せを行います。日によっては業者や行政、顧客との打ち合わせを行う場合もあるでしょう。

午後も施工管理士は工事現場の巡回を行い、工事が問題なく進んでいるか進捗の確認や危険箇所のチェック、事務作業などを行います。

 

施工管理士の一日の流れ4:17:30~20:00 事務作業

17:30になるとその日の作業員の業務は終了しますが、施工管理はその後も事務所に戻って事務作業を行います。

事務所での事務作業は、工事現場の写真の整理、作業報告書や作業工程表の作成などです。他にも必要に応じて、施工計画書の作成や原価計算、行政に提出するための書類の作成、発注書や請求書、報告書の作成など多数の書類作成を行います。

事務作業を終えた後、19:00または20:00頃に退勤することになるでしょう。

 

【立場・時期・仕事別】の施工管理士のスケジュール例

施工管理士といっても立場や工事をする時期、仕事によってはスケジュールが変わることがあります。

ここからは、立場・時期・仕事別の施工管理士のスケジュール例を紹介します。一般的な一日の流れとは異なるところがあるため、参考にしてみてください。

 

新人施工管理の一日の仕事内容

  • 7:00~ 出勤、朝礼
  • 8:30~12:00 巡回、掃除
  • 13:00~17:30 巡回、事務作業
  • 17:30~20:00 事務所で事務作業

新人施工管理の一日の仕事内容は、一般的な施工管理士の一日の流れと同じような仕事内容です。ただ新人の施工管理士の場合は業務量が少ないため、工事現場の掃除をしたり写真撮影をしたりすることが多いでしょう。

 

繁忙期の一日の仕事内容

  • 7:00~8:30 朝礼
  • 8:30~12:00 巡回
  • 13:00~17:30 打合せ、事務作業
  • 17:30~22:00 事務作業

繁忙期であっても施工管理士の一日の仕事の流れにあまり変化はありませんが、17:30以降に事務作業が増え、退勤時間が遅くなるでしょう。とくに工期が近い場合は巡回や打合せの予定が入るため、勤務時間が22:00頃になることがあります。

 

夜間工事の仕事の流れ

  • 7:00~8:30 朝礼
  • 8:30~12:00 巡回
  • 13:00~17:30 打合せ、事務作業
  • 17:30 事務作業
  • 19:00 帰宅し仮眠
  • 23:00 出勤
  • 23:30~5:00 巡回
  • 5:00~7:00 事務作業

建設工事の中には、昼間を避けて夜間に行われている工事もあります。たとえば夜間の方が交通量が少なくなる道路工事や終電から始発までの鉄道工事、営業時間外の商業施設などの工事があるでしょう。

夜間工事がある場合は、いったん日中の工事を終えた後に帰宅し仮眠を取った後、23:00頃に再び出勤して翌朝7:00頃まで同様に仕事をします。朝まで仕事をした後は、その日の仕事はないためしっかり休めるでしょう。

 

雨天時の仕事の流れ

  • 7:00 出勤
  • 8:00~19:00 打合せ、事務作業

工事現場は屋外にあるため、雨天時には工事ができなくなってしまうことがあります。現場での作業が行われないため、工事の進捗確認や修正等の事務作業をして、工事の遅れを調整することが雨天時の主な仕事です。

 

ハウスメーカーの施工管理の仕事の流れ

  • 7:00~8:30 朝礼
  • 8:30~ 巡回、指示
  • 10:00~ 別の現場で巡回、指示
  • 13:00~ 別の現場で巡回、指示
  • 17:00~17:30 別の現場で巡回、指示
  • 17:30~20:00 事務作業

ハウスメーカーの施工管理の場合は、複数の現場を担当します。そのため、他社との打ち合わせやそれぞれの現場の巡回、指示出しなど、一般的な施工管理と仕事の流れが異なるでしょう。

 

施工管理の仕事が大変と言われる原因と動向

これまで、建設業は36協定で定めた時間外労働の上限の基準が適用除外されてきましたが、2024年4月1日以降は、建設業でも時間外労働の上限が規定されます。

上限を超えた時間外労働や休日労働はなくなるため、施工管理の残業時間の多さも改善していくでしょう。

出典:建設業の事業主の皆さまへ|石川労働局

参照:https://jsite.mhlw.go.jp/ishikawa-roudoukyoku/content/contents/000812940.pdf

 

原因1:週休1日制の職場も多い

施工管理が大変と言われる理由の1つに、週休1日制の職場が多いことがあります。日建協の「2021 時短アンケートの概要」によると4週間あたり8日以上休みをとれている企業はほとんどなく、土曜日や祝日に稼働しているのが分かります。

 職人の方々は「日給」で働いている場合が多く、休みが増えると収入が下がってしまいます。そのため、職人たちが土曜日も出勤することがあり、施工管理の方々も出勤せざるをえない状況でしょう。

出典:2021 時短アンケートの概要|日本建設産業職員労働組合協議会

参照:http://nikkenkyo.jp/downL/jitan_digest/2021jitan_digest.pdf

 

原因2:36協定基準の適用が除外される

36協定とは、労働基準法第36条に定められた労使協定のことで、労働者に法定労働時間を超えて労働させる場合は、企業と労働者の間で協定を結ぶ必要があります。 

しかし、建設業界は労働時間の上限規制に5年間の猶予が与えられ、2024年3月31日までは適用除外期間とされていました。残業制限が進まなかった背景には、人手不足や大規模な工事の連続が影響しています。

 2024年4月からは、建設業界においても36協定が適用されることとなり、労働環境の改善に期待が高まります。 

出典:36(サブロク)協定とは|厚生労働省 

参照:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/saburoku/

出典:時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務|厚生労働省 

参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html

 

原因3:工期の変更がしづらい

商業施設等は工事の完成に合わせて広告の宣伝や集客を行っているため、基本的には工期の変更はできないでしょう。 

現場では、「人手不足」「資材が届かない」などの理由からスケジュールがずれてしまうこともあります。そういった場合は遅れを取り戻すために遅くまで残業をしたり、休日出勤をする必要が出てきます。

 

最近は労働環境の改善が進む

過酷な労働環境にありますが、近年は改善に向けての取り組みが進んでいます。平成29年には「働き方改革実行計画」が策定され、労働基準法の改正により、労働時間の上限が設定されました。

 具体的には、原則として月間残業時間が45時間までとされ、1年間で360時間が上限とされています。臨時で特別な事情がない限り、こちらを超えることはできません。

 また国土交通省は建設業界をICT(i-Construction)化することによって、労働環境の改善を図っています。

 ICT化とは、施工管理が行っている事務処理をAIに代行させることで労働時間の短縮を試みたり、遠隔操作で建設機械の稼働・作業代行を行い工事の効率化・生産性の向上を促したりする施策です。

出典:時間外労働の上限規制わかりやすい解説|厚生労働省

参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

出典:i-Construction|国土交通省 

参照:https://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/index.html

 

施工管理で働く時のポイント

施工管理は品質管理や原価管理、安全管理や工程管理などの仕事を行います。建築はプロジェクトとして業務が進行するため、それぞれの工程で業務効率を上げることが大切でしょう。

ここからは、施工管理として働く時のポイントを紹介します。

 

作業員の安全を最優先にする

工事現場にはさまざまな危険がありますが、作業員の安全を最優先にして、無事故で工事を終えることが最も大切でしょう。

施工管理は、工事現場でどのような事故の危険があるのか想定した上での安全対策、危険の排除が求められます。具体的には転落防止のための手すりの設置や設備・機器の点検、ヒヤリ・ハットの共有、天候の変化による危険などを行います。

 

常に進捗状況を把握しスケジュールを調整する

常に工事の進捗状況を確認しながら、に間に合うように人員を配置し、スケジュール調整することが大切でしょう。

とくに工事の規模が大きくなると工期が長くなり、必要になる人員も増える傾向にあります。もし工事の遅延が発生した場合は遅延を取り戻す調整を行う必要があるため、施工管理には工程管理の知識や経験、マネジメント能力が求められるでしょう。

 

作業員に積極的に声掛けをする

施工管理が自分から積極的に作業員に声掛けをすることで、全員の足並みをそろえやすくなるでしょう。声掛けすることで安全性を高めたり、作業効率を高めたりする効果も期待できます。

施工管理が積極的に作業員に声掛けをし、現場との信頼関係を高めていきましょう。

 

忙しくてもやりがいを感じられる施工管理の仕事

施工管理の仕事を長く続けるためには、やりがいを感じられることが大切でしょう。その点、施工管理の仕事は忙しいですが、大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。ここからは、施工管理の仕事で得られるやりがいや魅力について紹介します。

施工管理の仕事に興味がある場合や施工管理を目指している場合は、施工管理の仕事のやりがい、魅力についても押さえておきましょう。

 

引き渡し時に達成感を感じる

施工管理は現場の安全管理を始め、スケジュールや人員調整、予算管理、書類作成など業務量が多く、責任も伴います。多くの苦労があった分、それらを乗り越えて建築物を引き渡す際には、仕事をやり遂げたという大きな達成感を感じられるでしょう。

 

人々の暮らしを支えている実感がある

自分が工事に携わった建築物や道路等が使われている様子を見ることで、人々の暮らしを支えているという実感を得られます。仕事で社会貢献したいと考えている人にとって、魅力的な仕事でしょう。

 

チームで協力し竣工時に共に喜びあえる

施工管理の仕事は一人では行えず、チームで協力して進めていくことになります。年齢が異なる、さまざまな経験をしてきた工事現場の人々とコミュニケーションを取り、工事を進めていくのは苦労が大きいことでしょう。

そのため、無事にプロジェクトが終了し竣工した時は、チームのメンバーと共に喜びあえるでしょう。一緒に仕事をした作業員から、仕事を認めてもらえることもあります。

 

自分の仕事が形として残る喜びがある

施工管理として自分が行った仕事は、建築物として形が残ります。地域のランドマークになったり、地図に残ったりすることもあるでしょう。仕事に関係のない他の人に対しても、自分が携わった建築物を自分の仕事の成果として示すことができます。

自分が担当した仕事が形として残り、誰の目からも見えること、多くの人に利用されることには、大きなやりがいがあるでしょう。

 

やりがいの大きい施工管理の一日の流れを知ろう!

この記事では施工管理としての立場や工事の時期、仕事によって一日の流れが変わることを紹介しました。

施工管理の仕事は忙しく責任も伴いますが、やりがいの大きい仕事です。施工管理の一日の流れを知り、自身が施工管理の仕事に向いているかどうか検討してみましょう。