「派遣とパートの違いって何?」
「派遣とパート、どちらが私に向いているんだろう?」
と、悩んでいませんか?
派遣とパートの大きな違いは3点あり、給料、勤務時間、求められるスキルです。
これを押さえておかないと、
「給料が高いから派遣を選んだが、フルタイム勤務が難しくなってすぐに辞めてしまった。」
「未経験OKだからパートを選んだが、給料が安すぎてショックを受けた。」
……というような失敗や、後悔をしてしまうかもしれません。
そこでこの記事では、派遣とパートの違いについて、以下のことを詳しく解説しています。
◎派遣とパート 働き方の違い
◎派遣とパート 福利厚生の違い
◎派遣とパートの雇用形態を合わせた「パートタイム派遣」
◎派遣に向いている人の特徴
◎パートに向いている人の特徴
◎派遣とパートの違いについてよくある質問Q&A
この記事を読めば、派遣とパートは雇用形態がどう違うのか、何のためにどんな差があるのか、雇用形態を決める前に注意してほしいポイントなどが理解できます。
ぜひ最後まで読んで、派遣とパートの違いを正確に把握して、自分にとって最適な方を選んでくださいね。
目次
1. 【2023年最新】派遣とパートの違いの一覧15項目
まずは派遣とパートの違いを一覧表にしてまとめたので、ご覧ください。
派遣とパートの違い 一覧表 | ||
派 遣 | パート | |
間接雇用 | 雇用形態 | 直接雇用 |
派遣会社 | 雇 用 主 | 勤務先企業 |
派 遣 先 | 勤務場所 | 勤 務 先 |
派遣会社から案件を紹介してもらう | 応 募 | 直接、勤務先企業とやり取り |
派遣会社から支払われる | 給 料 | 勤務先企業から支払われる |
最長3年 | 勤務期間 | 期限なし |
フルタイム | 勤務時間 | パートシフト(調整可能) |
派遣会社との契約にふくまれることだけ | 業務内容 | 勤務先企業に言われたことはする必要がある |
専門的スキルを活かせる | スキル | 未経験でもOK |
技術職、事務職が多い | 職 種 | 選択肢が多い |
派遣会社のものが適用 | 福利厚生 | 勤務先のものが適用 |
派遣会社の社会保険に加入しやすい | 社会保険 | 条件を満たせば勤務先の社会保険に加入できる |
派遣会社から支払われる | 交 通 費 | 勤務先企業から支払われる |
交渉による | 昇 給 | 契約による |
派遣会社が派遣先とやり取り | トラブル | 勤務先と直接やり取り |
基本的には不要 | 確定申告 | 必要になることもある |
参考:
厚生労働省「毎月勤労統計調査」2020年3月分速報
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/0203r/dl/pdf2003r.pdf
厚生労働省「労働派遣事業者報告書」2020年度集計結果速報
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000199493_00012.html
※派遣の給料は厚生労働省の労働派遣事業者報告書による「賃金(8時間換算)(平均)15,590円」に、派遣労働者の月平均勤務日数22日を乗じて算出しています。
一言で言うと、派遣は「正社員に代わる能力を提供する」という位置づけにあるため、正社員と同等の拘束時間や、専門的な知識と経験を求められます。その分、給料は高めに設定されています。
逆に、パートは短時間勤務が可能で、未経験でもOKとされる比較的かんたんな業務が多いです。その分、給料が安めに設定されています。
それでは、派遣とパートの違いについて、それぞれ詳しく解説していきましょう。
2. 派遣とパートの違い|働き方の違い
派遣とパートは雇用主が違うことから、働き方に様々な違いが出ています。
以下のような流れで、働き方の違いを詳しく見ていきましょう。
- 法律上の分類
- 採用時の流れ
- 給料
- 勤務期間
- 勤務時間・曜日
- 業務内容
- スキル・経験
- 職種
2-1. 派遣とパートの働き方の違い1 法律上の分類の比較
派遣とパートの違いとして、まず法律上の分類が異なります。
派 遣 | パート | |
間接雇用 | 雇用形態 | 直接雇用 |
派遣会社 | 雇用主 | 勤務先企業 |
派遣先 | 勤務場所 | 勤務先 |
派遣は、雇用法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)上で「派遣労働者」に分類されます。派遣会社が雇用主となり、派遣先で勤務することになる間接雇用です。
パートは、雇用法上で「パートタイム労働者」に分類されます。勤務先の企業がそのまま雇用主となる直接雇用です。
派遣とパートには間接雇用・直接雇用という違いがあり、労働者と契約するのが勤務先の企業になるか、別の外部企業になるか、という違いがあります。
給料を支払うところや、トラブルを解決する方法にも違いがあるので、大枠はおさえておきましょう。
2-2. 派遣とパートの働き方の違い2 採用時の流れ
派遣とパートは、採用から働き始めるまでの流れが違います。
派 遣 | パート | |
派遣会社から案件を紹介してもらう | 応 募 | 直接、勤務先企業とやり取り |
派遣は、派遣会社に登録し、派遣会社から案件を紹介してもらいます。自分で派遣先を探すことはありません。登録の際には履歴書を用意し、派遣会社と登録面接を行います。
パートは、勤務先を自分で探さなければなりません。採用面接のたびに履歴書を用意する必要があるので、この点に違いがあります。
2-3. 派遣とパートの働き方の違い3 給料
派遣とパートは、給料が大きく違います。
派 遣 | パート | |
派遣会社から支払われる | 給 料 | 勤務先企業から支払われる |
募集コストが低い | 募集の違い | 募集コストが高い |
即戦力となる | 求められる | 未経験OK |
フルタイム | 勤務時間 | 短時間勤務OK |
冒頭で述べた通り、派遣の月給平均は342,980円となります。
ただしこれは全国平均なので、地方で働く派遣労働者や、フルタイムで勤務していない方は、これよりも低い水準になることがあります。
(都市と地方の給料差については、7. Q&A をご覧ください。)
一方、パートの月給平均は97,201円と、大きな違いがあります。
派遣とパートに給料の差が出るのは、以下の3つの理由があります。
理由1 募集方法の違い
企業が派遣労働者を雇う時、派遣会社に条件を伝えれば、ほかに必要な準備はありません。しかしパートタイム労働者を雇う場合、企業が自ら募集をかける必要があります。
つまり、募集・採用にかかるコストが、派遣の方が安いのです。
そのため、派遣は給料が高く、パートは給料が安くなっています。
理由2 求められる技術・知識の違い
派遣はパートに比べて技術職が多く、即戦力となる専門的な技術・知識を求められます。
一方、パートは未経験でもOKとされるような、比較的かんたんな業務が多いです。
そのため、基本給は派遣の方が高く、パートは給料が低くなります。
理由3 勤務時間の違い
派遣は「フルタイム」と呼ばれる、1日8時間、月20日以上の勤務が求められます。
パートは短時間勤務ができ、配偶者の控除範囲内におさまるように勤務時間を調整することもできます。
こうした柔軟な働き方がしやすい反面、パートは給料が安く設定されています。
このような理由から派遣とパートは、給料に大きな差があるのです。
2-4. 派遣とパートの働き方の違い4 勤務期間
派遣とパートは、仕事を続けられる勤務期間が違います。
派 遣 | パート | |
最長3年 | 勤務期間 | 期限なし |
派遣は、最初に有期労働契約が結ばれます。
パートは、最初から無期労働契約を結ぶのが一般的です。
これについて、少し詳しく説明しましょう。
2-4-1. 派遣は3年が上限
派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)により、有期労働契約の勤務期間は最長3年とされています。
そのため、同じ企業の同じ課で働けるのは、3年が限度です。
派遣は基本的に有期労働契約を結ぶので、最長3年の原則が適用されます。もし3年を超える場合は、派遣先企業が派遣労働者に対し、直接雇用を依頼しなければなりません。
直接雇用が実現しなかった時は、派遣会社が新たな派遣先を提供するか、派遣会社と無期雇用となります。この間、派遣労働者は勤務先企業での勤務がなくても、派遣会社から給与を受け取ることになります。
ただしこれは、3年の上限を全うした派遣労働者のみの措置です。
派遣契約には、1ヶ月、3ヶ月、半年、という短い契約もありますが、この場合は直接雇用、無期雇用などの措置は発生しません。
2-4-2. パートは基本的に無期労働契約
パートの場合、通常は期限を定めない「無期労働契約」が結ばれます。
これは、パートタイム労働者からの申し出がない限り、定年まで雇用する契約です。
2-4-3. 派遣・パートいずれも通算5年を超えた場合は「無期労働契約の転換」ができる
派遣・パートいずれにも「無期労働契約の転換」という制度があります。
これは、同じ企業との間で有期労働契約が通算5年を超えた場合、労働者側が企業に対し、無期転換への申込ができる制度です。
※「無期労働契約の転換」とは
有期労働契約の更新を繰り返し、通算5年以上になった場合、無期労働契約への申込みができる制度。
企業(雇用主)は断ることができない。
※「無期転換ルールの特例」とは
以下の場合は無期労働契約に転換することはできない。
- 専門的知識を持っている場合(年収1,075万円以上)
- 定年に達している場合
前述したように期限を定めない「無期労働契約」がある一方で、採用の段階から「1ヶ月」「1年」などと期間を限定する「有期労働契約」という働き方もあります。
有期労働契約でも、優秀な労働者は契約更新を求められることがあります。
そのため、契約更新を何度も繰り返し、通算して5年以上勤務が続いたら、労働者側から勤務先企業へ「無期労働契約へ転換したい」と申込できるのです。
よく派遣の働き方として言われますが、パートタイム労働者にも当てはまります。
2-5. 派遣とパートの働き方の違い5 勤務時間・日数
派遣とパートは、1回の勤務時間や、勤務日数が違います。
派 遣 | パート | |
フルタイム | 勤務時間 | パートシフト(調整可能) |
1日8時間、週5日が多い | 勤務日数 | 1日3~4時間、週3日などもOK |
派遣は正社員と同等のフルタイム勤務(1日8時間、土日祝休み)が多いです。
パートにも同程度のフルタイム勤務が存在しますが、1日3~4時間、週3日、というような短時間勤務も選択できるのが大きな違いです。
このほか、パートでは子どもの夏休みに合わせて8月は勤務時間を減らしたり、年末調整の時期に合わせて勤務時間を調整する、といった柔軟な働き方が可能です。
派遣では、このような勤務時間の調整は難しいです。
2-6. 派遣とパートの働き方の違い6 業務内容
派遣とパートは、同じ職場の同じ職種だったとしても、業務内容が違います。
派 遣 | パート | |
派遣会社との契約にふくまれることだけ | 業務内容 | 勤務先企業に言われたことはする必要がある |
なし | 残 業 | あり |
派遣は、派遣会社との契約にふくまれることだけを業務として行います。
パートは、勤務先企業に言われたことはする必要があります。
例えば、飲食店などでは、店内が忙しくなれば厨房担当者がホールのヘルプへ行ったり、お客さんが少ない時はホールも厨房も関係なく外に出て、チラシを配ったりします。
パートであれば、その職場の多種多様な業務を少しずつ経験する可能性があるのです。もし残業を求められれば、応じる必要があるでしょう。
一方、派遣では「ホール」と契約書に書かれていた場合、ホール以外の業務をすることはありません。
契約書に「残業」と書かれていなければ、残業もありません。
2-7. 派遣とパートの働き方の違い7 求められるスキル・経験
派遣とパートは、求められるスキルや経験が違います。
派 遣 | パート | |
専門的スキルを活かせる | スキル | 未経験でもOK |
派遣は、専門的な知識・スキルを活用する技術系の職種か、もしくは総合的な事務仕事を任される職種が多いです。いずれも一定以上の経験が求められます。
一方、パートは職種が限定されません。多種多様な業務がありますが、未経験でもOKとしていることが多く、比較的簡単な業務をすることが多いです。
2-8. 派遣とパートの働き方の違い8 職種
派遣とパートは、募集される職種が違います。
派 遣 | パート | |
技術職が多く、業界限定の求人も多い | 職 種 | 選択肢が多い |
派遣は、技術職か事務職が多いです。
中でも、専門性が高い技術職は業界を絞った派遣登録会社もあるほどです。
具体的には、「建設業界に特化した派遣会社」や「製造業界特化」「IT業界特化」などの例があります。
また、事務職といっても総合的な事務業務ばかりでなく、労務、会計、人事など、専門的な知識を要する事務職が多いです。
パートは、職種が限定されず、選択肢がたくさんあります。一方で事務職は少ない傾向にあります。
3. 派遣とパートの違い|福利厚生の違い
これまで、派遣とパートの働き方の違いを見てきました。
続いては、福利厚生の違いを解説します。
派遣では、派遣会社の福利厚生が適用されます。パートでは、勤務先の福利厚生が適用されます。
つまり同じ職場で働いていても、派遣では職場の福利厚生が適用されず、パートには職場の福利厚生が適用される、ということになるのです。
それでは、派遣とパートの福利厚生の違いを、以下のような順で解説します。
- 社会保険
- 交通費
- ボーナス
- 退職金
- 昇給
- トラブル発生時の対応
- 確定申告
3-1. 派遣とパートの福利厚生の違い1 社会保険
派遣とパートは、どちらも社会保険に加入するための条件は同じですが、派遣の方が条件を満たしやすく、パートは条件を満たすのが難しい、という違いがあります。
派 遣 | パート | |
条件を満たせば派遣会社の社会保険に加入できる | 保 険 | 条件を満たせば勤務先の社会保険に加入できる |
加入しやすい | 加入しやすさ | 加入しにくい |
なぜこうした違いが出るかと言うと、社会保険に入る条件が関係しています。
派 遣 | 社会保険に加入するための条件 | パート | |
満たしやすい | 週の所定労働時間が20~30時間 | 満たしにくい | |
満たしやすい | 1ヶ月あたりの賃金が88,000円以上 | 配偶者控除内に収めるなら満たせない | |
満たせる | 雇用見込みが2ヶ月以上 | 満たせる | |
満たしやすい | 労働者が学生でない | 満たせる | |
満たせる | 勤務先企業の従業員数が101~500人で、 | 満たせる |
(※「労使合意」とは、労働者と事業主の代表で交わす取り決めのこと。)
たとえば「所定労働時間」とは、始業~終業時間のうち、休憩時間を引いた実労働時間を指します。
週20~30時間というと、1日あたり4~6時間です。
派遣は1日8時間勤務が多いので、条件を満たしやすく、派遣会社の社会保険に入りやすいです。
また、1ヶ月あたりの賃金については、派遣は月給の平均が342,980円ですので、こちらも条件を満たしやすいです。
パートは短時間勤務が多いので、条件を満たしにくく、勤務先企業の社会保険に入りにくいと言えます。
また、パートの月給平均は97,201円なので、条件を満たしやすいように見えます。
しかしパートをする人の中には、配偶者控除内の「年間103万円」以内に収めようとする方も多いでしょう。
その場合、月給は85,833円以内に収める必要があり、社会保険に入る条件を満たせません。
パートでも、配偶者控除内に収めなくても良い方は、社会保険に入る条件を満たしやすくなります。
3-2.派遣とパートの福利厚生の違い2 交通費
派遣とパートは、どちらも交通費が支給されますが、支給額は違うことがあります。
派 遣 | パート | |
派遣会社から支払われる | 交 通 費 | 勤務先企業から支払われる |
交通費の全国平均(72円/時)が | 支 給 額 | 交通費の基準にしたがう |
派遣は、派遣会社から交通費が支給されます。
ただし派遣の場合、発生した交通費の実費ではなく、交通費の全国平均(72円/時)(2023年の平均)が、時給に上乗せされることも多いです。
パートは、勤務先企業から交通費が支給されます。
ただし交通費を支給する基準は勤務先企業によって異なります。
募集要項や、契約時の書類に「交通費全額支給」「一部支給」「月○○円まで支給」というような記載があるはずなので、確認してください。
※「同一労働同一賃金」について
以前は「派遣には交通費が支給されない」と言われていましたが、2020年に施行された「改正派遣法」により、派遣労働者にも交通費が支給されることになりました。
これは「同一労働同一賃金」という考え方で、原則として、正社員と同じ業務をしていれば、正社員と同じ待遇をする、と定められたものです。
(同一労働同一賃金に関しては、「初心者必見!派遣社員の同一労働同一賃金とは?基本をまとめて解説」の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。)
3-3. 派遣とパートの福利厚生の違い3 ボーナス
派遣とパートは、どちらもボーナスが支払われますが、ボーナスを支払うところが違います。
派 遣 | パート | |
勤務先企業の業績がよければ、ボーナスを受け取れる可能性がある | ボーナス | 勤務先企業の業績が良ければ、 |
派遣は、派遣会社からボーナスが支払われます。
パートは、勤務先企業からボーナスが支払われます。
ただし、派遣・パートいずれも、ボーナスが毎回必ず支給されるとは限りません。
ボーナスとは、会社の業績が良かった時に、普段の給与とは別に支給される給与のことであるため、会社の業績が悪ければ、ボーナスが支給されないこともあります。これは派遣やパートに限らず、正社員でも同様です。
派遣の場合は、勤務先企業の業績がよければ、登録している派遣会社の業績が悪くても、ボーナスを受け取れる可能性があります。
パートの場合は、規定により「パートにはボーナスを支給しない」と定めている企業もあります。募集要項や、契約時の書類を確認しましょう。
※以前は「派遣はボーナスが出ない」と言われていましたが、交通費と同様に2020年の派遣法改正で、派遣でもボーナスを受け取れるようになりました。
派遣のボーナスについては、「派遣がボーナスをもらえる4つの働き方|法的根拠から平均額まで解説」の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
3-4. 派遣とパートの福利厚生の違い4 退職金
派遣とパートは、いずれも退職金を受け取ることができますが、退職金を支払うところが違います。
派 遣 | パート | |
派遣会社から支払われる | 退職金 | 勤務先企業から支払われる |
派遣は、派遣会社から退職金を受け取ることができます。
パートは、勤務先企業から退職金を受け取ることができます。
ただし、派遣・パートいずれも、退職金制度がない企業であれば、退職金を受け取ることはできません。
また、派遣はあらかじめ退職金分が基本給に上乗せされていることもあります。この場合、勤務先企業の業績や、勤務先企業での業務実績は、退職金の金額に影響しません。
3-5. 派遣とパートの福利厚生の違い5 昇給
派遣とパートは、昇給に関する制度や流れが大きく違います。
派 遣 | パート | |
交渉による | 昇 給 | 勤務先企業との契約に昇給の定めがあれば、昇給できる |
派遣は、派遣会社と交渉次第で昇給の可能性があります。
派遣は、基本的には登録時に定められた時給がずっと続きますので、昇給したいときは、派遣会社との交渉が必要です。契約更新の1ヶ月前を目安に、派遣会社と交渉を行うのが良いでしょう。
パートは、勤務先企業の規定により、昇給の可能性があります。
パートは、勤務先企業に昇給の定めがあれば、それに従って昇給が可能です。
3-6. 派遣とパートの福利厚生の違い6 トラブル時の対応
派遣とパートは、トラブル時の対応が違います。
派 遣 | パート | |
派遣会社が派遣先とやり取り 派遣労働者が派遣先と直接交渉することはない | トラブル 発生時 | 勤務先と直接やり取り |
もし勤務先企業とトラブルが発生した場合、派遣なら、派遣会社が間に入り、勤務先企業と交渉を行います。
派遣労働者が直接、勤務先企業とトラブル対処を行うことはありません。
パートは、自ら勤務先企業と交渉を行う必要があります。
3-7. 派遣とパートの福利厚生の違い7 確定申告
派遣とパートは、いずれも確定申告が必要になる条件は同じですが、以下の場合は注意が必要です。
派遣・パートが確定申告が必要になる条件3つ(どれかひとつ) | ||
(1)掛け持ちをしている・かつ年間所得合計が103万円を超えている | ||
(2)12月31日に派遣登録会社もしくは勤務先企業に在籍していない | ||
(3)副業収入で20万以上の利益を得ている |
(ただし派遣・パートをしていない方は、条件が変わることがあります。)
この3つのうち、どれか一つでもあてはまるものがあれば、確定申告が必要です。
それぞれ詳しく解説しましょう。
3-7-1. 掛け持ち・かつ年間所得103万円以上の場合
派遣やパートの掛け持ちをしていて、かつ年間所得103万円以上の方は、確定申告が必要です。
この103万円は、交通費などの必要経費を抜いた「所得」が対象です。経費などもふくめた支給額となる「収入」ではありません。
※確定申告が必要になる例1
- 年の途中で派遣会社が変わっていて、それぞれの所得を合計すると103万円以上になる派遣
- 複数の仕事を掛け持ちしていて、それぞれの所得を合計すると103万円以上になるパート
3-7-2. 12月31日に在籍していない場合
派遣・パートいずれも、12月31日に在籍していない人は確定申告が必要です。
12月31日付での登録解除/辞職であれば、会社が年末調整をしてくれるので、自分で確定申告をする必要はありません。
なお、12月31日に派遣会社/勤務先企業に在籍していなくても、所得合計103万円以内であれば、確定申告を必ずしもする必要はありません。
ただし給料が支払われるときに源泉徴収で3%程度が差し引かれています。
確定申告をすることで、この源泉徴収分が返って来る可能性がありますので、103万円以内の所得であっても、確定申告をするのがおすすめです。
※確定申告をした方がよい例2
- 12月30日までに派遣会社の登録を解除してしまった派遣
- 12月30日までに契約更新をしなかった派遣
- 12月30日までに仕事を辞めてしまったパート
3-7-3. 副業収入で20万円以上の利益を得ている場合
副業収入で20万円以上の利益を得ている派遣・パートは、確定申告が必要です。
副業による利益は「雑所得」に分類されるため、年間20万円以上の利益が出ているときは確定申告が必要です。
(副業の例については、7. Q&A をご覧ください。)
4. 派遣とパートの雇用形態を合わせた「パートタイム派遣」という働き方もある
これまで、派遣とパートの違いを説明してきましたが、近年では両方の性質を組み合わせた「パートタイム派遣」という働き方もあります。
パートタイム派遣のまとめ | |
特 徴 | 派遣会社に登録した派遣労働者が、フルタイムではなく短時間で働く |
メリット |
|
デメリット | 自宅から遠い場所を紹介される可能性がある |
具体例 |
|
パートタイム派遣は、派遣会社に登録した派遣労働者でありながら、フルタイムではなく週2~3日、1日4時間など、短時間の勤務ができる働き方です。
以前は働いていたが、結婚後、出産・育児などを機に会社を辞めてしまった主婦がパートタイム派遣として働くことが多く、具体的には、上の表に示したような専門職が挙げられます。
家から遠い勤務先を紹介されてしまう可能性もありますが、もちろん紹介された案件は、断ることもできます。
専門的なスキルを持っているが、フルタイム勤務が難しい、という人は、パートタイム派遣を考えてみるのも良いでしょう。
5. 派遣に向いている人はどんな人?特徴4つ
これまで、派遣とパートの違いについて、詳しくお伝えしてきました。
では、具体的にどんな人が派遣に向いているのでしょうか?
以下の順で説明します。
- フルタイム勤務が可能な人
- 専門的なスキルを活かしたい人
- 非正規でもしっかり稼ぎたい人
- 様々な現場で幅広く経験を積みたい人
それでは、さっそく解説しましょう。
5-1. フルタイム勤務が可能な人
フルタイム勤務が可能な人は、派遣に向いています。
パートでも、同じようにフルタイムの働き方はありますが、給料は派遣の方が高いことが多いからです。
派遣・パートの給料比較(全国平均)(2023年3月) | |||||
派 遣 | パート | 時給の差 | 月給の差 | ||
飲食店ホールスタッフ | 1,271円/時 | 1,023円/時 | 248円/時 | 43,648円/月 | |
アパレル販売スタッフ | 1,395円/時 | 1,035円/時 | 360円/時 | 63,360円/月 |
たとえば、パートでの募集が多い飲食店ホールスタッフは、派遣の時給平均が1,271円、パートの時給平均が1,023円です。
フルタイムで1日8時間、月22日勤務した場合、派遣の月給は223,696円、パートの月給は180,048円となり、毎月43,000円の差が出ます。
フルタイム勤務が可能なのにパートで働くのは、もったいないと言えます。フルタイム勤務が可能な方は、ぜひ派遣にチャレンジしてください。
5-2. 専門的なスキルを活かしたい人
専門的なスキルを持っている人は、派遣に向いています。
派遣では専門的なスキルを活かせる仕事が多いからです。
パートは、未経験OKな簡単な業務が多いので、専門スキルを眠らせてしまう可能性が高いと言えます。
専門的なスキルを持っているなら、ぜひ派遣にチャレンジしてください。
専門的なスキルを活かした派遣の時給例を紹介します。
こちらは、求人情報として実際に掲載されていたものの中から、一部を抜粋しています。
専門職の派遣 業務内容の例(2023年3月) | ||
業 種 | 専門スキルの例 | 時 給 例 |
経 理 | 生命保険会社での経理事務 | 2,000円/時 |
コールセンター | 官公庁のテレフォンオペレーター(問い合わせ対応) | 2,500円/時 |
IT・通信 | NW機器リプレイスに伴うL2/L3スイッチの構築・検証・評価 | 2,779円/時 |
電機・製造 | グラスライニング機器の構造設計 | 3,800円/時 |
建 設 | 鉄筋工事・配管工事の工程管理・施工管理・現場監督 | 3,000円/時 |
医療・介護 | 看護師(介護施設) | 2,625円/時 |
このように、派遣では専門的スキルを活かせる仕事がたくさんあります。
専門的スキルを持っている人は、積極的に派遣を考えるのが良いでしょう。
もし、スキルは持っているが「フルタイム勤務は難しい」「子育てが大変…」という方は、パートタイム派遣を考えてみてはいかがでしょうか。
5-3. 非正規でもしっかり稼ぎたい人
非正規でもしっかり稼ぎたい人は、派遣に向いています。
今の時代は「残業したくない」「転勤したくない」などの理由で、正社員ではなく非正規の働き方を選択する人も多いと思います。
こういった人でも、正社員と同等の給料を得られるのが派遣なのです。
その分、派遣には正社員と同等の能力や時間が必要となります。
しかし残業や転勤など、契約外の仕事をすることはありません。
昇給やポストは望めませんが、それでも十分に稼ぐことができます。
5-4. 様々な職場で幅広く経験を積みたい人
様々な職場で幅広く経験を積みたい人は、派遣が向いています。
派遣は、「同じ職場には最長でも3年まで」というルールがあり、自然と多くの職場を経験することになるからです。
もちろん、パートのように、一つの職場に3年以上勤めることで得られる経験もあります。
この場合はその職場のスペシャリストになれますが、幅広い経験という点では、派遣の方が有利です。
派遣を続けていると、同じ職種でも、様々な業界を経験することがあります。
その過程で業界独自の知識を得るなど、派遣だからこその経験ができるでしょう。
様々な職場を経験し、幅広い知識やスキルを得たいなら、派遣がおすすめです。
6. パートに向いている人はどんな人?特徴5つ
続いて、パートに向いている人はどんな人か、次の順で紹介していきます。
- 配偶者控除の範囲内で働きたい人
- 短時間だけ・決まった曜日だけ働きたい人
- 同じ職場に3年以上勤めたい人
- 家の近くで働きたい人
- 未経験の職種に挑戦したい人
それぞれ、詳しく解説しましょう。
6-1. 配偶者控除・扶養の範囲内で働きたい人
配偶者控除、もしくは扶養の範囲内で働きたい人は、パートが向いています。
パートは、勤務時間の調整がしやすく、年間所得合計を103万円以内に抑えやすいからです。
派遣であれば、契約の通り働くよう求められるので、勤務時間を変更したり、調整するのが難しいでしょう。
給料もパートより高いので、すぐに配偶者控除・扶養の範囲を超えてしまいます。
「配偶者控除の範囲内で家計を支えたい」
「扶養範囲内でお小遣いを稼ぎたい」
という方は、パートがおすすめです。
6-2. 短時間だけ・決まった曜日だけ働きたい人
「短時間だけ・決まった曜日だけ働きたい」という人は、パートが向いています。
小さなお子さんがいる方や、ご家族の介護中であるという方は、時間に制約があることも多いでしょう。
しかしパートは、「1日に3時間だけしか働けない」「週1日しか働けない」という人でもOKの柔軟な働き方がたくさんあります。
短時間だけ・決まった曜日だけ働けるパートの例を紹介します。
こちらは、求人情報として実際に掲載されていたものの中から、一部を抜粋しています。
短時間だけ・決まった曜日だけ働けるパートの例(2023年3月) | |||
業 種 | 勤務時間・日数の募集例 | 時給例 | |
一般事務 | 1日3時間~OK | 1,080円/時 | |
テレフォンオペレーター | 週3日以内、1日4時間~OK | 1,300円/時 | |
飲食店ホールスタッフ | 1日2時間~、週1日~OK | 1,300円/時 | |
工場軽作業 | 1日4時間×週3日~OK | 1,100円/時 | |
看護師 | 週1日からOK | 1,500円/時 |
派遣ではフルタイム勤務が中心で、まとまった時間が必要になることが多いです。
そのため、短時間だけ・決まった曜日だけ働きたい人は、パートがおすすめです。
6-3. 同じ職場に3年以上勤めたい人
同じ職場に3年以上勤めたい人は、パートが向いています。
パートは無期雇用契約が多く、勤務期間に上限がないからです。
派遣は同じ職場には長くても3年までしか勤めることができませんが、
パートであれば、定年まで勤め続けることも可能です。
同じ職場に長期間勤めたい方は、ぜひパートを選んでください。
※同じ職場に3年以上勤めたい人の例
- 同じ職場で長く経験を積んでベテランになりたい人
- 他の職場を探すのが面倒な人
6-4. 家の近くで働きたい人
家の近くで働きたい人は、パートが向いています。
パートは、職場を自分で好きなように選ぶことができるからです。
もし派遣なら、職場探しはすべて派遣会社が行うので、自宅から遠い職場を紹介されてしまう可能性もあります。
もちろん断ることはできますが、すぐに別の職場が紹介されるとは限りません。
家の近くで働きたい人は、パートがおすすめです。
6-5. 未経験の職種に挑戦したい人
未経験の職種に挑戦したい人は、パートが向いています。
パートは、「未経験OK」「未経験歓迎」などの募集が多く、自分で好きなように選ぶことができます。
未経験OKなパートの例(2023年3月) | |||
職 種 | 未経験OKの募集例 | 時給例 | |
喫茶店 キッチンスタッフ | 未経験OK◎ | 1,100円/時 | |
受付 レジ打ち | 8割が未経験スタート! | 1,250円/時 | |
スーパー 接客・販売スタッフ | 未経験OK | 1,075円/時 | |
集荷・配達スタッフ | 未経験者大歓迎! | 1,200円/時 | |
清掃スタッフ | 未経験OK! | 1,100円/時 |
派遣は、専門的なスキルを活かした技術職か、総合的な事務職のいずれかであることが多く、どの職場へ行っても同じような業務をすることになります。
未経験の職種にチャレンジしたいなら、パートがおすすめです。
7. 派遣とパートの違いQ&A
最後に、派遣とパートの違いについて、よくある質問をQ&Aとしてまとめます。
ぜひ参考にしてください。
Q1. 派遣やパートは都市と地方で給料に差があるの?
あります。
派遣とパート 都市と地方の時給差(2023年3月) | ||
派 遣 | パート | |
1,657円/時 | 三大都市圏の時給平均 | 1,142円/時 |
1,265円/時 | 地方の時給平均 | 993円/時 |
392円/時 | 都市と地方の時給差 | 149円/時 |
※参考:エン・ジャパン「派遣時給」「派遣時給 三大都市圏外」
ジョブズリサーチセンター「アルバイト・パート募集時平均時給調査データ【都道府県別】」
こちらは、2023年2月のデータを表にしたものですが、都市と地方の時給を比べてみると派遣は392円/時、パートは149円/時の差があります。
Q2. 派遣やパートは配偶者控除に違いはあるの?
ありません。
派遣・パートいずれも、配偶者控除を受けるための条件は同じです。
派遣・パートが配偶者控除を受ける条件 |
(1)控除を受ける納税者本人の合計所得が1,000万円以内 |
(2)民法の規定による配偶者 |
(3)配偶者が納税者と生計を一つにしていること |
(4)配偶者の給与による収入が103万円以下 |
(5)配偶者が青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと |
(ただし派遣・パートをしていない方は、条件が変わることがあります。)
派遣・パートが配偶者控除を受けるためには、上の条件をすべて満たす必要があります。
※なお、「配偶者控除を受けるために103万円以内に勤務を調整する」ことを「扶養の範囲内に納める」と言うことがありますが、これは間違った言い方です。正しくは「配偶者控除の範囲内に納める」となります。
Q3. 派遣やパートは扶養控除に違いはあるの?
ありません。
派遣・パートいずれも、扶養控除を受けるための条件は同じです。
派遣・パートが扶養者控除を受ける条件 |
(1)配偶者以外の親族または里子がいる |
(2)納税者と生計を一つにしている |
(3)給与による収入が103万円以下 |
(4)配偶者が青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと |
派遣・パートが扶養控除を受けるには、以上の条件をすべて満たす必要があります。
また、控除の対象となる扶養親族は以下の通りです。
|
以上の親族と一緒に生活していれば、扶養控除を受けられる可能性があります。
Q4. 派遣とパートは有給に違いはあるの?
ありません。
派遣・パートいずれも、有給を得る条件は同じです。
働き方の違いには関わりなく、年次有給休暇の付与日数は労働基準法で決められています。
通常の労働者の有給付与日数 | |||||||
継続勤務年数 | 0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年以上 |
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
週4日以下勤務かつ週30時間未満勤務の労働者の有給付与日数 | |||||||||
週の労働日数 | 1年間の労働日数 | 継続勤務年数 | |||||||
0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年 | |||
付 与 日 数 | 4日 | 169~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | |
2日 | 73~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 | |
1日 | 48~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
派遣はフルタイム勤務が多いので、「通常の労働者」に当てはまることが多いでしょう。
派遣先での継続勤務年数が当てはまり、派遣先企業・登録している派遣会社の両方に有給を申請します。
パートは「週4日以下勤務かつ週30時間未満勤務の労働者」に当てはまることが多いでしょう。
勤務先企業に有給を申請することになります。
パートでもフルタイム勤務をしている人は「通常の労働者」の有給が付与されます。
Q5. 派遣とパートで働ける年齢に違いはあるの?
法律上では、違いはありません。
しかし実情は異なっているようです。
雇用対策法により、労働者の募集・採用については、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないことになっています。
ところが厚生労働省の「雇用の構造に関する実態調査」「パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査」によると、
派遣労働者の年齢層は25~49歳が多く、パートタイム労働者の年齢層は40歳~定年が多いという実態になっています。
これには以下のような理由が考えられます。
派遣とパート 年齢層の違いと理由 | |||
派 遣 | 24歳以下が少ない理由 | 経験が浅く即戦力として働くのが難しいから | |
50歳以上が少ない理由 | (1)上司の方が若くて経験が浅いケースが増え、年齢が高い派遣の採用を控える傾向があるから | ||
パート | 39歳以下が少ない理由 | 育児や介護などの、時間が制約される事情が少なく、正社員や派遣社員として働けるから |
もし高いスキルを活かして派遣として働きたいのであれば、その業界に特化した派遣会社に登録するのがおすすめです。
複数の派遣会社に登録することで、より早く案件を紹介してもらえるでしょう。
Q6. 在宅でできる派遣・パートってあるの?
あります。
こちらは、在宅でできる派遣・パートの具体例です。実際に求人情報として掲載されていたものの中から抜粋しています。
在宅でできる派遣の例(2023年3月) | |||
職 種 | 派遣 在宅募集の例 | 時給例 | |
ゲームスクリプト実装 | 完全在宅! | 2,450円/時 | |
テスト・評価 | 在宅 | 2,450円/時 | |
システム運用管理・保守 | 基本在宅勤務 | 2,200円/時 |
在宅でできるパートの例(2023年3月) | |||
職 種 | パート 在宅募集の例 | ||
メールオペレーター、サイト運営 | 在宅・テレワークも対応 | 1,400円/時 | |
データ入力、タイピング | 在宅OK!オンライン対応 | 1,500円/時 | |
営業事務 | フルリモート可能 | 1,200円/時 |
このほか、在宅でできる派遣には、
「金融業界の秘書業務」「英文事務」「貿易事務」など、経験や知識を求められる事務系の仕事や、「CADコーディネイター」「SE・プログラマー」「運用管理・保守」など技術系の仕事が多く見られました。
在宅でできるパートには、
「一般事務」「ユーザーサポート」「データ入力」など、未経験でもできるPCを使う業務が多く見られました。
Q7. 派遣の種類ってどんなものがあるの?パートとは全部違うの?
派遣の種類には、「登録型派遣」「正社員型派遣」「紹介予定派遣」の3種類があります。
この3種類はすべて、パートとは違うものです。
派遣の種類とパートとの違い | ||||
登録型派遣 | 正社員型派遣 | 紹介予定派遣 | パート | |
間接雇用 | 直接雇用 | 間接雇用 | 雇用形態 | 直接雇用 |
派遣会社 | 派遣会社 | 派遣会社 | 雇 用 主 | 勤務先企業 |
最長3年 | 無期限 | 6ヶ月 | 勤務期間 | 無期限 |
直接雇用・正社員型・無期雇用を選べる | 派遣会社の正社員になる | 派遣先の正社員になれる | 3年勤務完了後 |
一般的な派遣に当てはまるのが「登録型派遣」です。
「正社員型派遣」は、派遣会社の正社員となり、勤務先企業に派遣される働き方です。
「紹介予定派遣」は、最長6ヶ月の期限があり、その後は派遣先企業の正社員として紹介される働き方です。
Q8. 派遣やパートができる副業にはどんなものがあるの?
派遣やパートができる副業には、以下のようなものがあります。
※副業の例
- メルカリやヤフオク!で、不用品やハンドメイド製品を販売する
- 個人事業主として起業する
- フリーランスでクラウドソーシングをする
- Youtuberをして広告収入を得る
- お小遣いサイトやポイントサイトでポイント・収入を得る
- オンライン家庭教師・オンライン語学教師をする
- クラウドファンディングで分配金を得る
- 暗号資産の売買で利益を得る
これら副業による所得は「雑所得」に分類されます。20万円以上の利益が出るときは派遣・パートいずれも確定申告が必要です。
8.まとめ
この記事では、派遣とパートの違いについて解説しました。
最後に記事の内容をおさらいしましょう。
まず、派遣とパートの違いを一覧表にしてまとめました。
派遣とパートの違い 総まとめ(2023年3月) | ||
派 遣 | パート | |
間接雇用 | 雇用形態 | 直接雇用 |
派遣会社 | 雇 用 主 | 勤務先企業 |
派 遣 先 | 勤務場所 | 勤 務 先 |
派遣会社から案件を紹介してもらう | 応 募 | 直接、勤務先企業とやり取り |
派遣会社から支払われる | 給 料 | 勤務先企業から支払われる |
最長3年 | 勤務期間 | 期限なし |
フルタイム | 勤務時間 | パートシフト(調整可能) |
派遣会社との契約にふくまれることだけ | 業務内容 | 勤務先企業に言われたことはする必要がある |
専門的スキルを活かせる | スキル | 未経験でもOK |
技術職、事務職が多い | 職 種 | 選択肢が多い |
派遣会社のものが適用 | 福利厚生 | 勤務先のものが適用 |
派遣会社の社会保険に加入しやすい | 社会保険 | 条件を満たせば勤務先の社会保険に加入できる |
派遣会社から支払われる | 交 通 費 | 勤務先企業から支払われる |
交渉による | 昇 給 | 契約による |
派遣会社が派遣先とやり取り | トラブル | 勤務先と直接やり取り |
基本的には不要 | 確定申告 | 必要になることもある |
近年では、派遣とパートを組み合わせた「パートタイム派遣」という働き方もあります。
パートタイム派遣 | |
特 徴 | 派遣会社に登録した派遣労働者が、フルタイムではなく短時間で働く |
メリット | ・経験のある主婦が働きやすい |
デメリット | ・自宅から遠い場所を紹介される可能性もある |
続いて、派遣やパートに向いている人はどんな人か、それぞれ例を挙げて紹介しました。
派遣に向いている人
|
パートに向いている人
|
最後に、派遣とパートの違いでよくあるQ&Aを紹介しました。
派遣とパートの違い よくあるQ&A | |
都市と地方で給料に差がある? | 派遣は392円/時、パートは149円/時の差があります。(2023年3月) |
配偶者控除に違いはある? | 派遣・パートいずれも、配偶者控除を受けるための条件は同じです。 |
扶養控除に違いはある? | 派遣・パートいずれも、扶養控除を受けるための条件は同じです。 |
有給に違いはある? | 派遣・パートいずれも、有給を得る条件は同じです。 |
働ける年齢に違いはある? | 実情としては、派遣は25〜49歳が多く、パートは40歳〜定年が多いです。 |
在宅でできる仕事はある? | 派遣は、経験・知識を求められる事務系・技術系の仕事が在宅で募集されています。 |
派遣の種類とパートとの違いは? | 登録型派遣・正社員型派遣・紹介予定派遣の3種類があります。 |
派遣やパートができる副業は? |
|
この記事を読んでくださった方は、派遣とパートの違いがよく分かったと思います。
これから働くに当たり派遣かパートで迷っている方にとって、この記事が助けになることを願っています。
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