「建築業界で高収入を得るにはどんな仕事を選べばいい?」
「学歴がなくても建築業界なら高収入になれる?」
就職や転職に関する情報を集めている人の中には、このようにお考えの人もいるのではないでしょうか。
建築業界は実務経験が重視される業界であり、未経験や学歴がない人でも入社後に経験を積むことで、十分に高収入を目指せます。
また、最近では建築業を含む建設業界は好景気だと言われており、平均年収も年々上昇しています。
【建設業界の平均年収推移】
2012年 | 4,650,100円 |
2017年 | 5,306,300円 |
2021年 | 5,467,400円 |
出典:賃金構造基本統計調査
※2023年3月時点での最新データです。
特に大手ともなると、平均年収が1,000万円を超える企業もあるのです。
しかし、ひとことで建築業界といっても、以下のようにさまざまな職種があります。
【建築業界の職種例】
|
職種によって仕事内容はもちろんのこと、必要な資格や平均年収なども大きく異なります。
最終的に何になりたいか、どのような仕事をしたいかによって、選ぶべき企業もどのようにキャリアアップすればいいかも異なります。
建築業界で高収入を得たいのであれば、職種ごとの特徴を理解し、目指すべき道を決めてキャリアプランを描くことが重要です。
【本記事のポイント】
|
この記事を読むことで、建築業界の収入をさまざまな角度から知ることができます。
建築業界で高収入を得るポイントも解説しており、どのようにキャリアプランを描くべきかについても解説しています。
高収入を目指したいという人は、ぜひ最後までお読みください。
不動産業界に強い転職エージェントおすすめ21選!選び方と成功のコツや注意点を徹底解説!
不動産や建設業界は他の業界とは違った独自のルールや待遇があります。そのため、転職活動をするときはより業界事情に詳しいところから情報収集をしていくことが重要です。不動産・建設業界の転職に成功したい場合は以下の記事が役立ちますのでぜひご参考くださいませ。
→不動産業界に強い転職エージェントおすすめ21選!選び方と成功のコツや注意点を徹底解説!
(外部サイト)
目次
1.【TOP10】建築業界で高収入な大手企業の平均年収ランキング
まず、建築業界の好景気をけん引する、大手企業の平均年収ランキングを見てみましょう。
新卒採用の給与額も記載しているので、参考にしてください。
【大手企業の平均年収ランキング】
企業名 | 平均年収 | 新卒採用の給与 | |
1 | 1563万円 |
| |
2 | 1135万円 |
| |
3 | 1078万円 |
| |
4 | 1032万円 |
| |
5 | 1007万円 |
| |
6 | 1005万円 | ─ | |
7 | 985万円 |
| |
8 | 971万円 |
| |
9 | 946万円 |
| |
10 | 932万円 |
|
参照:年収チェッカー
※各新卒採用の給与額は、企業ごとの募集要項を参照しています。
このように、上位10社は高収入を得られるだけあり、新卒採用の条件が最低でも高専卒であるところも少なくありません。
しかし、他の企業で実務経験を積んで資格を取得することで、大手企業の中途採用を狙うこともできます。
時間はかかりますが、最終的な目標として、大手企業への転職を設定することも可能だということです。
2.【企業規模別で見る】建築業界の平均年収
建築業界における大企業の平均年収ランキングを紹介しましたが、企業規模によって平均年収がどれほど違うかも知っておきましょう。
以下は、企業規模ごとの平均月給・賞与と、それを基に算出した平均年収をまとめた表です。
【企業規模別の平均年収】
企業規模 | 平均月給 | 平均賞与 | 平均年収 |
10人~99人 | 32.65万円 | 62.39万円 | 約454万円 |
100人~999人 | 36.97万円 | 132.6万円 | 約576万円 |
1,000人以上 | 46.41万円 | 194.69万円 | 約752万円 |
このように、従業員数が100人未満の企業と1,000人以上の企業では、平均年収に約300万円もの差があります。
賞与に至っては3倍もの差があり、待遇が大きく異なると言えるでしょう。
建築業界で高収入を得たいのであれば、できる限り規模の大きな企業への就職を目指すことも大切です。
3.【職種で見る】建築業界の平均年収ランキング
建築業界といっても、設計を行う設計士や現場を指揮する施工管理など、職種はさまざまなものがあります。
職種によっても平均年収は異なるので、最終的にどこを目指したいのかを決めておくことが大切です。
まず、職種の平均年収ランキングを見てみましょう。
【建築業界の職種平均年収ランキング】
順位 | 職種 | 平均年収 |
1 | 建築士 | 586.2万円 |
1 | 建築施工管理(現場監督) | 586.2万円 |
3 | 電気工事士 | 511.3万円 |
4 | 測量士 | 476.1万円 |
5 | 建築塗装工 | 463.2万円 |
6 | 内装工 | 431.7万円 |
7 | 大工 | 405.5万円 |
8 | 鉄筋工 | 405.2万円 |
参考:Job Tag
建築に関する職はいくつもある中で、特に「建築士」「建築施工管理」は抜きんでて平均年収が高いことがわかります。
建築業界で高収入になりたいのであれば、この2つの職種がおすすめです。
ただし、建築士はかなりの専門知識が必要になるため、事前に建築学科などで学んでいないと取得が難しいという側面もあります。
そこで、それぞれの職種は自分も目指すことができるのかを判断するために、詳しく解説していきます。
3-1.建築士
平均年収 | 586.2万円 |
出典:厚生労働省「job tag」
建築士は、住宅・ビル・工場などの建築物の設計や工事監理を行います。
一般的には、高校・専門・大学などの建築系学科で専門知識や技術を学び、建築士になるのが一般的です。
しかし、建築系学科で学んだ経験がなくても、実務経験を積むことで資格を取得できます。
就職後には、「建築士」1級・2級・木造の資格を取得します。資格がなければ、一定規模以上の建築物を設計できないからです。
建築士は建物をデザインする美的センスが求められ、デッサンの能力も必要です。また、建物の設計においてはCADや3Dパースといったデジタル化が進んでいるため、パソコンに関する知識や技術も要します。
3-2.建築施工管理(現場監督)
平均年収 | 586.2万円 |
出典:厚生労働省「job tag」
建築施工管理とは、建築現場で技術者を指揮監督し、予算内・工期内に施工が完了するように工事全体を管理することです。
就職する際には学歴や資格は必要ありませんが、高校・専門・大学で専門知識を学んでから施工管理の仕事に就くのが一般的です。
就職後には実務経験を積み、「建築施工管理技士」1級・2級を取得します。資格を取得することで、大きな現場に配置が義務付けられている監理技術者になることができます。
建築施工管理の仕事は、原価管理やスケジュール管理などの事務作業も多いのが特徴です。作業員よりも体力的な消耗は少なくなりますが、デスクワークが苦痛なくこなせる人に向いているでしょう。
施工管理については、以下の記事で詳しく解説しています。
建築業界 施工管理
3-3.電気工事士
平均年収 | 511.3万円 |
出典:厚生労働省「job tag」
電気工事士は、変電施設の据え付け・分電盤の添え付け・配線・コンセントの取り付けといった、電気に関連する設備等の工事を行います。
電気工事を行うには「電気工事士」の資格が必須であり、職業訓練所・専門学校・電気工事組合の養成施設などで資格を取得してから就職するのが一般的です。企業によっては、入社後に養成施設で訓練を受け、資格を取得するケースもあります。
大企業では15~20年ほどの経験を積むことで、現場の責任者である「職長」として部下を動かす立場になります。
「電気主任技術者」などの関連資格を取得して仕事の幅を広げ、独立して電気工事業を開業することも可能です。
3-4.測量士
平均年収 | 476.1万円 |
出典:厚生労働省「job tag」
測量士は、建築・土木工事を行う際に、土地の位置・面積・形状を正確に測り、工事に必要な基準点を設定します。
測量士には専門知識と経験が必要で、専門知識は文部科学大臣が認定した大学・短大・高専や、国土交通大臣の登録を受けた専門学校などで修得します。実践的な技術は、現場で測量経験を積むことが必須です。
技術者として、国土地理院が行う「基本測量」や、国・公共団体が経費を負担もしくは補助して行う「公共測量」を行う場合は、「測量士/測量士補」の資格が必要になります。
測量士の方が測量士補よりも上位の資格であり、行える業務の幅も広がります。
測量士の資格を取得して経験を積めば、独立して測量事務所を開業することも可能です。測量士の資格については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
測量士の合格率は12%前後!難易度が高い訳と勉強のポイントを解説
3-5.建築塗装工
平均年収 | 463.2万円 |
出典:厚生労働省「job tag」
建築塗装工は、建物の内部・外部に塗料を塗ることで、建物が傷んだり汚れたりするのを防げるように仕上げる仕事です。
就職するにあたって必要な資格はありません。しかし、就職後に「塗装技能士」などの資格を取得しておくと、技術を証明できるようになります。経験を積んで技能を磨くことで、独立することも可能です。
塗料には、シンナー・エチルベルゼンといった、人体に有害な物質を含むものを使用することも多くあります。そのため、下記のような資格の取得もおすすめです。
上記の資格を取得しておくと給料アップが期待でき、信頼の証明になるため独立する際にも役立つでしょう。
3-6.内装工
平均年収 | 431.7万円 |
出典:厚生労働省「job tag」
内装工は、床・天井・壁などの内装仕上げを行います。
就職するにあたって必要な資格はありませんが、職業訓練所で訓練を受け、基礎を固めてから就職することで、技能の習得を効率化させることも可能です。
また、厚生労働省の技能検定である「内装仕上げ施工技能士」や「表装技能士」の資格を取得することで、専任技術者になれるなど、仕事の幅を広げることが可能です。
内装工は基本的に肉体労働ですが、仕上げの美しさも重要であることから、美的感覚や空間判断力も必要です。
3-7.大工
平均年収 | 405.5万円 |
出典:厚生労働省「jobtag」
大工は、木造住宅の新築や増改築のイメージが強いかもしれませんが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物の内部設備加工・組み立て・取り付けなども行います。
就職するにあたって必要な資格はありません。大工の親方への弟子入りや工務店への就職、もしくは職業訓練所で訓練を受けてから就職するといった方法があります。
技術を磨いて経験を積み、統率力も身に付けられれば独立も可能です、ただし、工務店の経営者になる場合は技術力だけでなく、工程・品質・原価に関する知識や管理が必要です。
規模が大きい木造建築の設計や工事管理をするには、「2級建築士」や「木造建築士」の資格が必要になるため、親方を目指す場合は建築士の資格も取得しておくといいでしょう。
3-8.鉄筋工
平均年収 | 405.2万円 |
出典:厚生労働省「job tag」
鉄筋工とは、鉄筋コンクリート造の骨組みとなる鉄筋の加工・組み立てを行います。就職するにあたって必要な資格はありません。
現在は機械や重機が普及し、力仕事の比率は減りましたが、重量物を扱う仕事であるため体力は必要です。
資格としては、厚生労働省の技能検定である「鉄筋施工技能士」があります。
一定規模以上の官庁工事には1級技能士の常駐が必須となるため、取得しておくことで技能士手当が期待でき、昇進などにも有利になります。
4.【年代別で見る】建築業界の平均年収
建築業界は経験を積むほどに給与アップが見込める業界です。そのため、年代別ではどのように給与が上がっていくのかを見てみましょう。
以下は、建築業を含む建設業の平均年収と、全業種の平均年収です。
【年代別の平均収入】
年代 | 建設業の平均年収 | 全業種の平均年収 |
19歳以下 | 233.6万円 | 132.6万円 |
20代前半 | 337.1万円 | 268.9万円 |
20代後半 | 418.3万円 | 370.6万円 |
30代前半 | 464.2万円 | 412.5万円 |
30代後半 | 491.9万円 | 448.8万円 |
40代前半 | 527.6万円 | 479.9万円 |
40代後半 | 598.8万円 | 503.7万円 |
50代前半 | 600.3万円 | 520.1万円 |
50代後半 | 601.5万円 | 529.0万円 |
このように、建設業はどの年代でも一般的な平均年収を上回ります。技能や資格の取得に努めることで、これらの金額以上の平均年収を得ることも十分に可能です。
5.建築業界で高収入を得るために理解すべき3つのポイント
建築業界で平均年収が高い企業や職種はわかったものの、どのようにすれば高収入を得られるようになるのかがわからないという人もいるでしょう。
建築業界で高収入を得るには、以下のことを理解しておく必要があります。
|
なぜこれらが重要になるのかについて、詳しく解説していきます。
5-1.キャリアプランを描いた上で職種を選ぶ
職種を選ぶ際には、最終的にどのようになりたいかを明確にしておくことが大切です。
高収入だけを目指すなら、建築士か建築施工管理のどちらかを目指すのがおすすめです。ただし、これらは高収入だけあり、以下のような大変な面もあります。
【大変なこと】
建築士 | 建築士の資格取得が難関 |
建築施工管理 | 勤務時間が長い、夜勤があるなど仕事が大変 |
建築士を目指したいのであれば、まず専門学校などで学ぶか、資格がなくても雇用してくれる企業に就職・転職しましょう。
また、建築施工管理の場合は資格なしでも就職・転職できますが、実務経験を積みながら施工管理技士2級、1級と資格を取得していく必要があります。
このように、職種によってまったくプランが異なってきます。
最終的にどうなりたいのかを明確にし、それまでに必要な資格や、資格取得のための実務経験はどれくらい必要かなどを考えて、キャリアプランを描きましょう。
5-2.高難度の資格取得を目指す
建築業界の資格は、1級・2級があるものがほとんどです。
実務経験が必要な場合は、まず2級を取得し、その後さらに経験を積んで1級を取得します。
2級を持つことでも業務の幅は広がりますが、1級を取得することで、出世や資格手当による給料アップが期待できます。そのため、建築業界で高収入を得たいのであれば、より難易度の高い資格取得を目指しましょう。
5-3.勤続年数を伸ばし昇進を目指す
昇進して役職が与えられれば、役職手当などで給料アップが見込めます。
勤続年数を伸ばして地道に経験を積むことで、昇進を目指しましょう。
もちろん、職種によっては資格の取得も大切ですが、さまざまな現場を経験し、技術力・判断力・トラブルへの対応力などを身に付けることも昇進のために重要です。
6.建築業界で出世するための具体的なキャリアプラン例
最後に具体的なキャリアプランとして、大手企業で建築施工管理を行うことを目標とした場合の例を見てみましょう。
まず、大手企業の場合は大きな現場を扱うケースが多くなるため、建築施工管理技士1級の資格取得が必要です。
新卒であれば最初から大手企業にエントリーしてみることもできますが、転職の場合は経験年数や資格の有無が重要になります。
まずは建築の施工管理を経験できる企業に入社し、経験を積みながら資格を取得しておくことで、最終的に大手へ転職するというキャリアプランになるでしょう。
【キャリアプランのイメージ】
年齢:25歳(転職) |
25歳未経験で転職する場合、最短で資格を取得して大手を目指すのであれば、下記のルートが最終目標までの最短ルートになるでしょう。
|
大手企業の求人には、「30代〜40代活躍!」と記載されているケースが多くあります。
建築業界は資格と経験が重要視されるため、十分な経験や資格取得をすると40代になってしまうという場合でも、大手への転職を狙えるでしょう。
建築業界の資格は実務経験が必要なケースが多いため、働きながら取得しなければならないものもあります。
必要な資格と受験資格を確認しておき、いつまでに何の資格を取得しておくのかといったことも把握し、キャリアプランを描くことが重要です。
7.まとめ
本記事では、建築業界の収入を大手企業・企業規模・年齢・職種に分けて紹介しました。
基本的に企業の規模が大きくなるほど、収入も増える傾向にあります。しかし、建築業界といってもさまざまな職種があるので、自分が最終的に目指すものを明確にし、それを達成するためのキャリアプランを描くことが重要です。
また、建築業界ではどの仕事にも資格が有利に働きます。信頼の獲得や給与アップに資格が欠かせないため、実務経験を積みながら資格勉強も行いましょう。
資格ごとに必要な実務経験の年数も異なるので、受験資格も把握しておき、キャリアプランを描きましょう。
九州福岡で新居を探しを検討されている方は下記のサイトがおすすめです。
働九州福岡で高断熱・高気密な家づくり – with HOME
(外部サイト)
コメント