「測量士の難易度は高いの?試験を受けても合格できるか不安」
「測量士の合格率は低い?どうしたら合格できるのか知りたい」
測量士は難易度が高いと言われており、「受験するべきか」「合格できるものなのか」不安になっている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと測量士の難易度は高く、過去5年間の平均合格率は約12.6%です。
合格率のみ見ると驚きますが、測量士の難易度が高くなることには出題範囲の広さや数学の知識の必要性など、しっかりとした理由があります。
あらかじめ測量士の難易度を理解して対策をしておくことで、測量士の難易度の高さをカバーしながら試験勉強ができます。
そこでこの記事では、測量士の難易度や難易度が高い理由、難易度をカバーする勉強法をまとめて解説していきます。測量士と他の資格との難易度の比較もしているので、自分に合う資格を選ぶこともできます。
この記事を読むとわかること
- 測量士は難易度が高い!2022年の合格率は14.4%
- 測量士の合格率の推移
- 測量士と他の資格の難易度を比較
- 測量士の取得に向いているケースは?
- 測量士の難易度が高い3つの理由
- 測量士の難易度の高さをカバーするには?午前の部・午後の部の勉強のポイント
- 測量士は試験を受けなくても取得できる!難易度の高い試験を回避する方法
この記事を最後まで読めば測量士の難易度が高い理由が理解でき、自分に合う資格や勉強法を選択できるようになります。測量士を受験するべきか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.測量士は難易度が高い!2022年の合格率は14.4%
測量士の資格は、難易度が高いと言われています。国土交通省が公表しているデータによると、2022年度の測量士の合格率は14.4%でした。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
3,194名 | 460名 | 14.4% |
「5.測量士の難易度が高い3つの理由」で詳しく解説していますが
- 専門性の高い知識が必要なこと
- 数学の知識を使い計算をする必要があること
- 最新の法令や技術の理解が求められること
などの理由から、他の資格よりも難易度が高くなっています。
2.測量士の合格率の推移
測量士の過去5年の合格率を見てみると、7%台~18%台を推移しています。過去5年間の平均合格率は約12.6%となっており、難易度の高さが伺えます。
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
合格率 | 8.3% | 14.8% | 7.7% | 18.0% | 14.4% |
受験者数 | 3,345名 | 3,232名 | 2,276名 | 2,773名 | 3,194名 |
合格者数 | 278名 | 479名 | 176名 | 498名 | 460名 |
出典:国土交通省「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」
毎年の合格率に差があるのは、絶対評価で採点しているからです。絶対評価とは一定の基準に従って、評価をする方法です。例えば、500点満点のテストがあったときに、400点以上が合格だとしましょう。
- 今回の受験から〇%合格者を出す
- 上位〇%は合格できる
というものではないので、一人一人が400点以上を取れるかどうかで合格率が変わります。出題される問題が難しかったり勉強不足な受験者が多かったりすると、400点に到達できる人数が必然的に減るので合格率が下がります。
3.測量士と他の資格の難易度を比較
「測量士は難易度が高いから、他の資格を受けようか悩んでいる」という方もいるかと思います。そこで、ここでは測量士の受験を検討する人が比較することの多い3つの資格と難易度を比較していきます。
資格名 | 測量士 | 測量士補 | 1級土木施工管理士 | 土地家屋調査士 |
合格率 | 約12.6% | 約35.7% | 第一次検定:57.3% | 約9.7% |
※合格率は過去5年間の平均
難易度とともに各資格と測量士の業務内容の違いも解説しているので、取得を目指す資格を選ぶときの参考にしてみてください。
3-1.測量士補との比較
測量士補の過去5年の合格率は、平均約35.7%です。約3人に1人が合格していることになるので、難易度はそこまで高くないと言えるでしょう。測量士と比較しても、合格率が約2.8倍高いことが分かります。
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
合格率 | 33.6% | 35.8% | 30.3% | 34.8% | 44.1% |
受験者数 | 13,569名 | 13,764名 | 10,361名 | 12,905名 | 12,556名 |
合格者数 | 4,555名 | 4,924名 | 3,138名 | 4,490名 | 5,540名 |
出典:国土交通省「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」
測量士補は測量士と同様に、土地の位置や形状を測定できる資格です。しかし、測量士とは業務範囲が異なり、基本的には測量士を補助することが測量士補の業務です。
測量士の主な仕事内容 | 測量士補の主な仕事内容 |
|
|
測量計画書の作成は、測量士にしかできない業務です。そのため、測量士が作成をした測量計画書に従って測量をサポートする役割を担います。業務範囲やポジションに差はあるものの、測量に携わることができ測量士よりも難易は低いため
- 将来的には測量士を目指したい
- まずは測量士補として勤務して実力を積みたい
という場合には、まずは測量士補から目指してみることも検討できます。
3-2.1級土木施工管理士との比較
1級土木施工管理士の過去5年の合格率は、第一次検定が平均約57.3%、第二次検定が平均約33.2%です。こちらも測量士と比較すると、難易度が低いです。とくに第一次検定は、測量士の約4.5倍の合格率です。第二次検定は記述式での回答となり難易度が高くなるため、合格率が低くなっています。
一次検定 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
合格率 | 56.5% | 54.7% | 60.1% | 60.6% | 54.6% |
受験者数 | 28,512名 | 33,036名 | 29,745名 | 37,726名 | 38,672名 |
合格者数 | 16,117名 | 18,076名 | 17,885名 | 22,851名 | 21,097名 |
二次検定 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
合格率 | 34.5% | 45.3% | 31.0% | 36.6% | 28.7% |
受験者数 | 27,581名 | 24,688名 | 24,204名 | 26,558名 | 24,462名 |
合格者数 | 9,521名 | 11,190名 | 7,499名 | 9,732名 | 7,032名 |
1級土木施工管理士は、道路工事や水道工事など土木工事の工程、施工を管理できる資格です。施工管理をするための幅広い知識を必要とし、出題範囲の中には測量が含まれます。
測量に特化したプロを目指している場合は別ですが
- 土木工事の施工管理をするために測量の知識を持っておきたい
- 土木工事の施工管理をするときに測量士への指示が出せるようにしておきたい
という場合には1級土木施工管理士を検討してみてもいいかもしれません。
【第一次検定のみ合格すると「1級土木施工管理士補」として活躍できる】
1級土木施工管理士は第一次検定の合格率が高いと述べましたが、第一次検定のみに合格すると「1級土木施工管理士補」として活躍できます。1級土木施工管理士補は、土木施工管理技士の業務の補佐ができる資格です。
まずは、1級土木施工管理士補を取得して経験を積み、その後に第二次検定を受験するまたは測量士を受験するなどの方法も検討できます。
3-3.土地家屋調査士との比較
土地家屋調査士の過去5年の合格率は、平均約9.7%です。測量士よりも合格率が低く、難易度は非常に高いと言えます。
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
合格率 | 8.7% | 9.54% | 9.67% | 10.36% | 10.47% |
受験者数 | 4,600名 | 4,380名 | 4,198名 | 3,785名 | 3,859名 |
合格者数 | 400名 | 418名 | 406名 | 392名 | 404名 |
出典:日本土地家屋調査士会連合会「日本全国あなたの近くの土地家屋調査士」
土地家屋調査士は不動産の登記の専門家として、売買や申請の手続きなどを行います。
- 不動産の権利(所有者や抵当権などの確認)
- 不動産の物理的な形状の調査(例:土地の大きさや形などを図面や現地調査から判断する)
そのため、測量の知識や測量に関する計算問題だけでなく、法律に関する問題も出題されます。とくに民法は法律業務に携わったことのない場合はハードルが高く、難易度が上がる一因となっています。
ただし、土地家屋調査士と測量士の双方を取得していれば、不動産の調査や売買をするときに土地の測量計画書の作成から実際の測量、そして売買の申請や手続きまでを一貫して行えるようになります。
難易度は高いですが
- 測量会社でより活躍できる場を広げたい
- 測量だけにとどまらず、不動産の調査ができるようになりたい
という場合には、土地家屋調査士の受験も検討してみるといいでしょう。
【測量士や測量士補の取得後に受験をすると午前の部が免除となる】
土地家屋調査士の試験は、午前の部と午後の部に分かれています。午前の部は平面測量や作図に関する知識を確認する試験となっており、測量士や測量士補を取得している場合は免除となります。
土地家屋調査士と測量士の双方の取得を目指すなら、測量士や測量士補を取得してから検討するといいでしょう。
4.測量士の取得が向いているケースは?
測量士の資格は、測量に特化した技術が必要な下記の業種で活躍したい場合に向いています。
- 測量専門会社
- 建築設計コンサ ルタント会社
- 土木関連のコンサルタント会社
- 地質調査が必要な会社(土地家屋調査士事務所など)
建築や土木関連のコンサルタント会社は建築の企画や調査、設計から施工管理までを担います。企画や設計の段階では安全性や施工のしやすさを配慮しなければならないため、一定の知識がある測量士が在籍し適正な調査や測量を実施します。
一方で、建設工事や土木工事会社は、測量専門会社に依頼をして測量士に測量をしてもらうことが一般的です。測量士の資格を持っていても無駄にはなりませんが、資格を活かして活躍する場は少ないでしょう。
5.測量士の難易度が高い3つの理由
ここでは、測量士の難易度が高くなる理由を解説していきます。
難易度が高くなる理由が分かるとあらかじめ対策をしながら勉強に取り組むことができるので、ぜひチェックしてみてください。
5-1.数学の知識をもとに解く必要がある
1つ目は、数学の知識をもとに解く問題が出題されることです。測量士の試験には計算問題やグラフ問題、図形問題などが出題されますが、足し算や掛け算のような「算数」レベルで解ける問題ではありません。
測量には下記のような数学が関わるため、これらを難なく解けるレベルが要求されます。
分野 | 必要な数学の知識 |
数 | 累乗・平方根 |
単位 | 角度・度数法・ラジアン |
図形 | 基本図形・円と円弧・三角関数・相似と比例・微小角・正弦定理・余弦定理 |
その他 | 二次方程式・座標・行列・確率 |
例えば、「ラジアン」は高校2年生が履修する数学Ⅱに含まれています。数学Ⅱは学科によっては履修をしないため、誰もが理解している数学の知識ではありません。とくに文系になると習っていない計算方法や図形の解釈が出てくるため、難易度が高くなります。
実際に、2022年度の測量士試験では、地心直交座標系のグラフを読み解く問題や三角関数に関連する問題などが出題されています。数学の専門性の高い知識が要求されるので、あらかじめ理解が必要です。
5-2.実務に関する問題が出題される
2つ目は、測量の実務に関する問題が出題されるところです。測量士の試験は午前の部(マークシート式)と午後の部(記述式)に分かれています。双方とも実務に関する問題は出題されますが、とくに午後の部では実務経験がないとハードルが高い問題が多いです。
2022年度の試験では
- 路線測量の標準的な工程や具体的な方法
- 用地測量の作業内容
などが出題されています。実際の体験をしていないと、イメージしにくい部分もあるでしょう。測量士の試験は、学歴や年齢問わず受験できます。実務経験のない高校生や専門学生も受験対象となるため、難易度が高いと感じやすいです。
5-3.幅広い知識が必要となる
3つ目は、幅広い知識が必要となることです。国土地理院が公表している試験科目は下記のとおりで、測量方法や法律、システムの使い方など多岐に渡ります。
出題される科目 | 必要な知識の一例 |
測量に関する法規及びこれに関連する国際条約 | 測量法や測量をするときに関わる法規・国際条約など |
多角測量 | 多角測量の方法や測量機器に関する知識・計算方法など |
汎地球測位システム測量 | 汎地球測位システム測量の定義や測量方法など |
水準測量 | 水準測量の方法や測量機器に関する知識・計算方法など |
地形測量 | レーザースキャナ測量の方法やTS、GNSS測量機の特徴など |
写真測量 | 地上写真測量と空中写真測量の定義や測量方法など |
地図編集 | 地図編集の定義や測量方法など |
応用測量 | 道路や河川、公園などの測量に用いる各測量の定義や計算方法など |
地理情報システム | 地理情報システムの使い方やデータの確認方法など |
それぞれの項目において基礎知識を持っているのはもちろんのこと、測量方法では具体的な計算方法や測量方法などを幅広い知識が求められます。
- 暗記だけではカバーが難しい
- 計算方法や具体的な測量方法など応用力が必要
といった点から、幅広い知識が必要となり難易度が高くなっています。
6.測量士の難易度の高さをカバーするには?午前の部・午後の部の勉強のポイント
測量士の難易度をカバーするには、計画的に勉強に取り組むことが重要です。測量士の試験は午前の部と午後の部に分かれており、「午前の部が400点以上でかつ合計点が910点以上」という合格基準が設けられています。
試験 | 満点数 | 合格基準 |
午前の部(択一式) | 700点 | 午前の部が400点以上でかつ合計点が910点以上 |
午後の部(記述式) | 700点 |
ここでは、午前の部と午後の部に分けて勉強に取り組むときのポイントをご紹介します。それぞれどのようなことを意識して勉強をすればいいのか分かるので、ぜひ参考にしてみてください。
6-1.午前の部の勉強法
午前の部は、全28問の択一式問題(複数の選択肢から回答を1つ選択する)です。問題内容は文章問題と計算問題に分けることができ、それぞれポイントを押さえた勉強が大切です。
6-1-1.文章問題:基礎知識の習得が大切
文章問題は、基礎知識の習得が鍵を握ります。計算問題は内容により難易度が異なるので練習をしても必ず解けるとは言い切れませんが、文章問題は基礎知識を理解していれば間違えることは少ないです。ここで点数を稼げるかどうかが午前の部の点数を左右します。
基礎知識を身につけるときは、テキストを繰り返し読み理解を深めます。ただテキストを読むだけでなく、下記の点を意識するといいでしょう。
- 単語を暗記するのではなく定義や方法などを紐づけて理解する
- 工程がある業務は工程に沿って学び、どの部分を指しているのか理解できるようにする
- 新しい法律や法規を忘れずに確認する
とくに重要なのは単語を暗記するだけでなく、定義や方法、使用する機器などを紐づけて覚えることです。過去問を見てみると、複数の選択肢の中から明らかに間違っているものを選ぶ問題が出題されています。この問題を解こうとしたときに、単語を知っているだけでは理解ができません。
単語の正しい定義や方法、工程がある場合には使用するタイミングなどを踏まえて、覚えるようにしましょう。測量士のテキストは「公益社団法人日本測量協会」が販売しているので、参考にしてみてください。
【測量法や関連法規を読むことも有効】
測量法や関連法規を読み、法律に関する基礎知識を得ることも試験勉強の一つです。分量が多いため、毎日数ページずつなど進め方を決めて計画的に取り組むといいでしょう。
6-1-2.計算問題:過去問題を解いて練習する
計算問題は過去問を多く解いて、問題の傾向や解き方を身につけましょう。午前の部の択一式問題は、過去問によく似た問題が出題されることがあります。過去問を解いていれば、試験を受けるときに「あの問題と似ている」と思い出せるでしょう。
ただし、「5-3.幅広い知識が必要となる」でも触れたように、計算問題の出題範囲は非常に広いです。一部の方程式や関数ばかりに偏って練習をすると試験日までに網羅できない可能性が出てくるので、バランスよく進めることが大切です。
また、計算問題ばかりを連続して練習していると難しく感じ、モチベーションが維持できないこともあります。テキストと計算問題の勉強を組み合わせながら、コツコツと継続して進めるようにしましょう。直近の過去問は国土地理院の「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」で公開されているので、参考にしてみてください。
6-2.午後の部の勉強法
午後の部は記述式の試験となっており、必須問題と選択問題に分かれています。選択問題では、下記の分野の中から2つを選択して解答します。
①測地測量
②測図測量
③地図編集
④応用測量
午後の部のほうが難易度が高いと言われているので、どのような点に留意して勉強をするべきか参考にしてください。
6-2-1.全分野の知識を習得する
午後の部も午前の部と同様に、まずはテキストを読み出題範囲全体の知識を習得することが大切です。選択式は選択予定の分野のみ勉強をすればいいと思うかもしれませんが、下記の2つの理由から学習しておいたほうが無難です。
①午前の部と午後の部の出題範囲は同じなので午前の部の勉強にもなる
②全ての選択項目を理解しておくと当日に一番できそうなものを選択できる
例えば、地図編集と応用測量のみに的を絞り勉強したとしましょう。高いレベルまで到達できればこの方法でも問題ないかと思いますが、限られた時間の中では難しいケースがあります。地図編集の中でも得意な部分と少し苦手な部分がある状態だと、苦手な部分が出題されたらどうすることもできなくなります。
全分野を理解できていれば、出題された問題を確認してから一番書けそうなものを選択できる余地が生まれます。このような理由から、午後の部もテキストを読み全体の理解を深めることが欠かせません。
6-1-2.過去問を解いて傾向を掴む
午後の部は記述式となるため、問題の傾向や記述方法に慣れておく必要があります。午後の部も過去問を解いて、繰り返し練習をしましょう。
過去問を解くときに1回目は時間がかるかもしれませんが、まずは間違えることなく正確に解答することを意識します。午後の部は2時間30分と決まっているので、慣れてきたら時間を意識して記述をしていきましょう。とくに計算問題は解くまでに時間がかかると、時間内に記述が終わらない可能性があります。
記述方法に不安がある場合やどのように解けばいいのか分からない場合は、公益社団法人日本測量協会の「添削通信講座」がおすすめです。元試験委員の経験をもつ講師による添削が受けられるため、的確なアドバイスをもとに知識を付けていくことができます。
7.測量士は試験を受けなくても取得できる!難易度の高い試験を回避する方法
ここまで、測量士の試験の難易度や勉強方法について触れてきました。難易度が高くて挑戦できるか不安に感じた人もいるでしょう。実は、「指定の学校を卒業+測量の実務経験」の条件を満たせば、測量士の試験を受けなくても測量士の資格を取得できます。
卒業した学校 | 測量に関する実務経験 |
指定学科の大学を卒業 | 1年以上 |
指定学科の高等専門学校・短大を卒業 | 3年以上 |
測量に関する専門の養成施設を卒業 (学校法人国際学園東京測量専門学校など) | 2年以上 |
※指定学科とは土木工学科・農業土木工学科・天文学科・物理学科などが該当します
例えば、大学の土木工学科を卒業し測量に関する業務に1年以上携わっている場合は、卒業証明書や履修証明書、実務経験証明書などを揃えて申請することで測量士の資格を取得できます。
指定学科の代替品や専門学校を卒業していることや実務経験が条件となるため誰でも検討できる方法ではありませんが、該当している場合には試験勉強や受験が不要となるので確認してみてください。
8.難易度の高い測量士の試験に関するQ&A
最後に、測量士の試験を検討するときに多い質問をまとめました。理解をするときに役立ててみてください。
8-1.測量士の受験要件はありますか?
測量士は、学歴や年齢問わず受験できるためとくに受験要件はありません。実務経験がない人や専門的な知識を有していない人なども受験できることが、合格率が低くなってしまう要因にもなっています。
8-2.測量士は独学でも合格できますか?
独学でも時間をかけて取り組めば、合格は目指せます。専門性が高い、計算問題が多い試験なので、実務経験がある・学校で測量について学んでいるなど持ち合わせている前提知識によって学習に必要な時間は異なります。
8-3.測量士は文系のほうが難易度は高いですか?
文系であっても、測量士の試験にチャレンジすることは可能です。ただし、「5-1.数学の知識をもとに解く必要がある」でも触れたように、学校で学んでいない数学の知識が必要となる場合があります。独学での勉強が難しいと感じた場合には、対面で教えてもらえる講座を利用して理解を深めることがおすすめです。
9.まとめ
いかがでしたか?測量士の難易度が理解でき、試験にチャレンジするべきか判断できたかと思います。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
- 測量士の2022年度の合格率は14.4%。過去5年間の平均合格率は約12.6%で難易度が高い
- 測量士は難易度が高いが測量専門会社や建築設計コンサ ルタント会社、土木関連のコンサルタント会社など、測量に特化した技術が必要な業種で活躍できる
〇測量士の難易度が高い理由は次の3つ
①数学の知識をもとに解く必要がある
②実務に関する問題が出題される
③幅広い知識が必要となる
〇測量士の難易度の高さをカバーする勉強のポイントは次のとおり
①午前の部では文章問題はテキストを読み理解を深め、計算問題は過去問を解いて練習をする
②午後の部ではテキストを読み全体の知識を深め、過去問で問題形式に慣れる
測量士は測量に特化した技術が必要となる業種では、持っていて損のない資格です。ただし、難易度が高く一夜漬けでは合格することが難しいため、今回ご紹介したように勉強法を工夫しながら試験に備えるといいでしょう。
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