建設業の技術士とは|仕事内容から資格試験の取り方まで徹底解説

FC編集部

『あれ、これ、どうなの?』 疑問やモヤモヤを解消し、 晴れ晴れと日々のお仕事に注力できるよう、 派遣で働く皆様のお役に立てる記事を配信中! ファーストコンテック編集部です。

著者情報
建設業の技術士とは|仕事内容から資格試験の取り方まで徹底解説

「建設業の技術士ってどんな資格? どんな仕事をするの?」
「技術士って、建築士とか設計士と違ってピンとこない。資格を持ってると役に立つのかな?」

こんな疑問をお持ちではないでしょうか。

技術士は技術分野において最高位の国家資格で、高度な技術力を持った「技術者の称号」ともいえる資格です。

建設部門は、21部門からなる技術士の部門のひとつで、資格を持てば、建設業における技術のスペシャリストである証となります。

建設業における技術のスペシャリストである証

建設業の技術士は、高度な技術力を活かして、主にコンサルタントとして指導業務を行います。資格を持てば、高い信頼が得られ、仕事や収入の面で優遇され、転職に有利になったりと良い事づくめです。

ただ、資格取得は簡単ではありません。

建設部門の技術士試験は国家資格の中でも最難関といわれていて、2022年度の第一次試験の合格率は約40%、第二次試験では約10%と狭き門になっています。

資格取得は、普通の勉強だけでは厳しく、確実に合格を手にするための攻略法を知っておくことが重要になります。

本記事では、建設業の技術士について、仕事内容やメリット、試験の概要や攻略法までくわしく解説します。

この記事の内容

  • 建設業の技術士という資格について解説
  • 建設業の技術士資格の難易度と合格率
  • 建設業の技術士は役に立たないと噂される3つの理由を説明
  • 建設業の技術士資格の取得で得られるメリットを解説
  • 2023年度の技術士資格試験の概要
  • 技術士試験に独学で合格するための勉強方法を紹介

この記事を読めば、建設業の技術士について具体的にイメージすることができ、資格試験を受けるかどうかの判断ができるようになります。

技術士試験を受験するか迷っている人はもちろん、一見地味な技術士のどこがそんなにすごいの?と感じている人も、見解が変わる内容になっているので、ぜひ最後まで目を通していただけたらと思います。

 

1.建設業における技術士とは

建設業における技術士とは

技術士とは、科学技術に関する高度な応用能力と、高い技術者倫理を備えている有能な技術者であることを証明する国家資格です。

技術士は、下記のような21種類の分野に分かれていて、その中のひとつに建設があります。

【技術士の分野】

1.機械

8.資源工学

15.経営工学

2.船舶・海洋

9.建設

16.情報工学

3.航空・宇宙

10.上下水道

17.応用理学

4.電気電子

11.衛生工学

18.生物工学

5.科学

12.農業

19.環境

6.繊維

13.森林

20.原子力・放射線

7.金属

14.水産

21.総合技術監理

21の中のどれか1つを取得すれば、「その分野の科学技術の専門家」と位置づけられます。

つまり、建設業での技術士は、「建設分野における科学技術の専門家」となるのです。

ここでは、建設業の技術士について、次の順に解説します。

  • 建設業の技術士の仕事内容
  • 建設業の技術士試験の難易度と合格率

よく読んで、しっかり把握していきましょう。

1-1.建設業の技術士の仕事内容

建設業の技術士の仕事は、建設コンサルタントとしての指導業務です。

建設コンサルタントになるには、技術士の資格が必須ではありません。ですが、「2.建設業で技術士の資格は役に立たないといわれる理由3つ」でお伝えするような、資格取得によるメリットがあります。

具体的な業務内容は、建設(土木)に関する計画、研究、設計、分析、試験、評価に関する指導です。

主な仕事の内容は、以下のようになっています。

  • 公共事業の土地や計画の事前調査
  • 公共事業の計画、設計監理
  • 団体の業務監査のための調査、評価の作成
  • 裁判所や保険会社、銀行による依頼の対象の調査、鑑定
  • 企業からの依頼による調査、研究、技術評価等
  • 企業への技術指導
  • 先端技術開発のための相談
  • 発展途上国への技術指導

建設における計画や設計は、建築士の業務です。

技術士の仕事は、実務ではなく、建築士の業務に対する指導や調査であることが特徴といえます。

CHECK!

【建設業の技術士の就職先】

技術士の就職先は、建設会社の技術開発や研究部門、民間コンサルタント企業、官公庁が一般的です。資格を活かして、独立企業を立ち上げて業務を行うことも可能です。​​

参考:文部科学大臣指定試験・登録機関 公益社団法人 日本技術士会​​|技術士制 度について ​​

1-2.建設業の技術士試験の難易度と合格率

技術士試験はとても難しいことで知られています。

その中でも、建設部門の技術士試験は難易度が高く、国家資格の中でも最難関と言える資格試験になります。

下記の表に、過去5年間の第一次試験と第二次試験の合格率を示しましたので、ご覧ください。

年度

第一次試験

第二次試験

2022年

41.2%

9.7%

2021年

28.9%

10.4%

2020年

39.7%

10.3%

2019年

47.6%

9.4%

参考:公益社団法人日本技術士会|試験・登録情報

第一次試験の合格率でも50%に至らず、その合格者だけが受けられる第二次試験では合格率が10%前後と、難関であることがわかります。

技術士試験の攻略方法については、5. 技術士の「第一次試験」「第二次試験」に合格するための勉強方法で紹介しますので、興味のある方はそちらも把握しておきましょう。

 

2.建設業で技術士の資格は役に立たないといわれる理由3つ

建設業で技術士の資格は役に立たないといわれる理由3つ

巷で囁かれる「技術士の資格は役に立たない」という声を耳にして、なぜ?、と気になっている方も多いのではないでしょうか。

技術士は建設業の技術者にとって最高位の国家資格なのですが、インターネットで「技術士」について調べようとすると、『役に立たない』といったワードが目につきます。

そこで2章では、建設業で技術士の資格は役に立たないといわれる、3つの理由に言及します。

  • 知名度が低い
  • 仕事をする上で必須の業務独占資格ではない
  • 資格をとるまでに長い年月がかかる

よく読んで理解しておきましょう。

2-1.知名度が低い

建設業で「技術士の資格は役に立たない」といわれる理由の1つめは、知名度が低いことです。

同じ国家資格でも、弁護士や税理士、行政書士、建築士などは誰でも知っていますが、「技術士」は一般的にはあまり知られていません。

たとえば、「一級建築士の資格を持っている」といえば、建設業界に疎い人でも多くは信頼性の高さを認識しますが、「技術士の資格を持っている」ではどうでしょう?

「それってすごいことなの?」と疑問を持たれることが少なくなさそうです。

残念なことですが、“技術”というカテゴリが一般層には、他に比べて縁遠いため、『有名じゃない』=『そんなに役に立たない資格』と思われてしまいがちなのです。

しかしながら、裏返して考えるとそれだけ専門性が高い資格であるともいえます。役所や建設業界において、技術士の認知度は決して低くありません。

2-2.仕事をする上で必須の業務独占資格ではない

2つめの理由は、仕事をする上で必須の「業務独占資格」ではないということです。

技術士の資格を持っていなくても、スキルさえあれば、同様の業務を行うことができるからです。

技術士の資格は「名称独占資格」ではありますが、「業務独占資格」ではありません

名称独占資格

名称独占資格とは、その資格を持っている人だけが名乗れる資格。
技術士資格を取得しない限り「技術士」とは名乗れません。

業務独占資格

業務独占資格とは、有資格者だけが独占的に仕事(業務)を行える資格。
医師や弁護士がそうで、資格がなければ仕事ができません。

無資格で、「技術士」と名乗れなくても技術士の仕事は遂行でき、高いスキルを持っていれば、社内や顧客から相当の評価を受けられます。

医師や弁護士のように、資格を持っていなければ仕事ができないといった縛りがないことは、「技術士の資格は役に立たない」といわれる要因と考えられます。

2-3.資格をとるまでに長い年月がかかる

理由の3つめは、技術士の資格をとるまでには長い年月がかかる​​ことです。

資格取得には、第一次試験合格後、最短でも5年を超える年月を要します。

技術士資格の第二次試験の出願には、第一次試験通過後、下記のような実務経験が必要です。

技術士の第二次試験の受験資格

一次試験合格後、次のいずれかの条件を満たしていること

  • 技術士補として登録後、指導技術士の下で4年を超える実務経験
  • 職務上の監督者と認められた者の指導の下で4年を超える実務経験
  • 指導者や監督者の有無・要件を問わず、7年を超える実務経験

(※)実務経験には、大学院等の在学期間も2年を限度として参入することができる

参考:公益社団法人 日本技術士会|技術士試験 受験のすすめ

また、第二次試験は、出願から合格発表まで1年かかります。

技術士としての登録手続きまで含めると、1年を超える計算になるので、ストレートで合格できたとしても、最短で5年、7年の実務経験を選んだ場合は8年以上の年月がかかります。

最短コース:約5年

指導の有無を証明するのが困難なこともあり、実際には3番目の「7年を超える実務経験」を選ぶ人が多くなっています。7年の実務経験選択コース:約8年ただ、第二次試験の合格率が10%前後​​であることまで考慮すると、大部分はストレートで合格できないため、入社して10年が過ぎても技術士資格を取得できない人は少なくないでしょう。

中には、「時間を無駄にしてしまった」と技術士資格をとろうとしたことを後悔し、10年も資格なしに仕事をしてきたのだから、「技術士の資格は役に立たない」という結論を出す人がいるかもしれません。

資格を取るまでの期間の長さも、技術士資格が役に立たないと言われる要因になります。

 

3.実際には良いことづくめ!建設業の技術士資格を取得する3つのメリット

実際には良いことづくめ!建設業の技術士資格を取得する3つのメリット

技術士が役に立たないといわれる理由を説明しました。

しかし本当のところは、役に立たないどころか、技術士資格を取得することで、長い時間や難関に挑む労力を超えるようなメリットが得られます。

メリット①|高い信頼が得られる
メリット②|収入が増える
メリット③|転職に有利になる

こちらを読めば、実際には良いことづくめであることがわかります。

順番にみていきましょう。

3-1.メリット①|高い信頼が得られる

建設業で技術士資格を取得すれば、高い信頼が得られます。

取得難易度が高く、持っている人の少ない希少価値のある資格だからです。

建設業の技術者資格を持っていれば、「建設分野における科学技術のスペシャリスト」と​​しての評価と信頼が手に入ります。

一般的には知名度が低いと先述しましたが、建設業界・技術者界隈での「技術士」は、最高峰の資格としてよく知られています。

技術士になれば、肩書きを持っていないときと比べて、下記のような変化があるでしょう。

  • 上司や同僚から信頼され、会社での評価が上がる
  • 顧客から信頼され、指名されるなど自分のネームバリューが高まる

特に起業を考えている人、フリーランスの人にとっては大変有意義な資格といえます。

このように、高い信頼が得られることは、技術士になる大きなメリットです。

3-2.メリット②|収入が増える

技術士資格を取得すれば、収入が増える可能性が高まります。

技術者としての最高峰の資格取得者として、ほとんどの企業で資格手当が支払われるからです。

金額に決まりはありませんが、資格手当として毎月2万円程度、高額な所では毎月7〜10万円以上を支給する場合もあります。

企業によっては、技術士資格取得によって、昇進が検討される場合もあるでしょう。昇進が決まれば、基本給のアップにつながることが期待できます。

CHECK!

【建設業の技術士の年収】

​​厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、技術士全部門の平均年収は男性で約630万円、女性で約540万円となっています。

参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査

3-3.メリット③|転職に有利になる

技術士の資格を持っていれば、転職に有利になります。

難関を突破し、国によって技術的な能力が認められたことを転職活動でアピールできるからです。

技術士を採用することは、企業側にもメリットをもたらします。公共工事の入札に必要な審査において、「公共工事評価」が、技術士1人につき5点が加点されるのです。

<公共工事評価とは?>

​​公共工事の品質確保を目的に、施工体制、施工状況、出来栄えなど多くの項目についてチェックを行い請負業者の能力を数値で表すものです。 施工現場における通知表のようなもので、その後の入札への参加等に対して非常に重要な意味を持ちます。

このようなメリットのある技術士を、従業員として確保したいと思わない企業はありません。

ですが、技術士は希少価値のある資格で、取得している人は容易には見つかりません。技術士の資格を持っていることは強みになり、転職を有利に進めることができるでしょう。

CHECK!

【技術士資格の取得はこんな人におすすめ!】

建設業の技術士取得はこんな人におすすめです。

  • 技術者としての信頼の証が欲しい人
  • 職場で高い信頼や評価を得たい人
  • 高い年収を得たい人
  • 技術者として有利に転職を進めたい人

 

4.建設業の技術士の概要・試験内容

建設業の技術士の概要・試験内容

技術士の資格取得のメリットを把握していただいたところで、4章では、技術士の資格の取り方を応募要項に沿ってみていきます。

  • 建設業|技術士試験の概要
  • 建設業|技術士試験の試験内容

スケジュール感や内容をしっかり把握しておきましょう。

4-1.建設業|技術士試験の概要

まず、2023年度の試験の概要をお伝えしていきましょう。

◯受付期間

試験の種類

受付期間

第一次試験

2023年6月14日~6月28日

第二次試験

2023年4月3日~4月17日

◯試験日程

試験の種類

試験日

合格発表時期

第一次試験

2023年11月26日

翌年2月下旬

第二次試験

<筆記試験>

2023年7月17日

2023年10月​​下旬

第二次試験

<口頭試験>

2023年12月上旬~翌年1月​​

翌年3月​​上旬

〇受験資格

受験資格は、以下のようになっています。

第一次試験

受験資格に制限はなく、誰でも受験することができる

第二次試験

一次試験合格後、次のいずれかの条件を満たしていること

  • 技術士補として登録後、指導技術士の下で4年を超える実務経験
  • 職務上の監督者と認められた者の指導の下で4年を超える実務経験
  • 指導者や監督者の有無・要件を問わず、7年を超える実務経験

(※)実務経験には、大学院等の在学期間も2年を限度として参入することができる

〇受験手数料

受験手数料は第一次試験と第二次試験で異なり、下記のようになっています。

第一次試験

11,000円

第二次試験

14,000円

参考:公益社団法人 日本技術士会|技術士試験 受験のすすめ

4-2.建設業|技術士試験の内容

次に気になる試験の内容をみていきましょう。

◯第一次試験

一次試験は、基礎科目、適性科目、専門科目の3科目に分かれています。

試験方法は筆記形式で、全科目択一式(マークシート方式)です。

試験内容

解答時間

基礎科目

科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題

  • 設計・計画に関するもの
  • 情報・論理に関するもの
  • 解析に関するもの
  • 材料・化学・バイオに関するもの
  • 環境・エネルギー・技術に関するもの

1時間

適性科目

技術士法第4章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性を問う問題

1時間

専門科目

当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題

2時間

専門科目は、下記の「総合技術監理部門」を除く20部門から建設を選びましょう。​​

機械

船舶・海洋

航空・宇宙

電気電子

科学

繊維

金属

資源工学

建設

上下水道

衛生工学

農業

森林

水産

経営工学

情報工学

応用理学

生物工学

環境

原子力・放射線

◯第二次試験

二次試験は、筆記試験(必須科目、選択科目)と口頭試験があり、口頭試験は筆記試験の合格者に対してのみ行われます。

筆記試験は記述式で、内容は以下になります。

筆記試験の内容

必須科目

「技術部門」全般にわたる
専門知識、応用能力、問題解決能力
及び課題遂行能力に関するもの​​

記述式

選択科目

「選択科目」についての専門知識
及び応用能力に関するもの​​

「選択科目」についての問題解決能力
及び課題遂行能力に関するもの​​

選択科目は、技術部門ごとに設定された複数の選択科目の中から、あらかじめ選択する1つの選択科目について行われます。

建設業の選択科目は下記の11科目です。受験申込時に受験者の実務経験に沿って、下記の中から1つを選択します。

【建設業の選択科目】

1.土質及び基礎

7.道路

2.鋼構造及びコンクリート

8.鉄道

3.都市及び地方計画

9.トンネル

4.河川・砂防及び海岸・海洋

10.施工計画、施工設備及び積算

5.港湾及び空港

11.建設環境

6.電力土木

参考:文部科学大臣指定試験・登録機関 公益社団法人 日本技術士会​​|技術士制 度について ​​

筆記試験の合格者にのみ行われる口頭試験では、技術士としての適格性等を含めた以下のようなことがチェックされます。

  • マネジメント、評価、リーダーシップ、コミュニケーションの能力
  • 知識を継続的に研鑽できる人物であるかどうかの資質

これらに加えて、筆記試験の答案と、 受験願書に付けた経歴票(小論文を含む)​​に記載した内容について質問を受けることが想定されます。

参考:公益社団法人 日本技術士会|技術士試験 受験のすすめ

​​

5.【合格】技術士の「第一次試験」「第二次試験」に受かるための勉強方法

【合格】技術士の「第一次試験」「第二次試験」に受かるための勉強方法

技術士資格取得までの道のりは、決して楽ではありません。

それでも、「かならずスペシャルな技術者になる!」というモチベーションを長期に渡って維持できたら、​​独学で合格を手にすることは夢ではありません。

仕事をしながら、他の勉強をしながら資格取得をめざす多忙な人は、自力での勉強に不安を覚えることもあるでしょう。

そこで最後の章では、独学で技術士の「第一次試験」「第二次試験」に合格するための勉強方法を伝授します。

  • 過去の試験問題を入手して徹底的に勉強する
  • 「第一次試験」は本番の基準で過去問題を7割解けるようにする
  • 「第二次試験」攻略のポイントは論文の作成技術の習得

順に解説しますので、あなたの勉強に取り入れていってくださいね。

5-1.過去の試験問題を入手して徹底的に勉強する

まずは、過去の試験問題を入手しましょう。

技術士試験では、過去問題と類似した問題が出ることが多いので、過去問題を勉強しておかねばなりません。

日本技術士会の公式HPでは、無料で数年分の過去問題が公開されていて誰でも閲覧できます。解答も公開されているので、自己採点をすることができます。

ただ、解説は掲載されていないため、詳しい説明を確認しながら自己採点したい場合は、下記のような問題集を入手すると良いでしょう。

注意点として、選ぶときは、最新版の問題集も必ず購入してください。問題集が古すぎると、現行の法律により、改正されていることがあります。

過去問7回分+本年度予想 技術士第一次試験建設部門対策 '22年版

書籍名

過去問7回分+本年度予想 技術士第一次試験建設部門対策 ’22年版

価格

4,100円(Amazon価格)

出典

Amazon

2022年度版 技術士第一次試験「建設部門」専門科目 受験必修過去問題集

書籍名

2022年度版 技術士第一次試験「建設部門」専門科目 受験必修過去問題集

価格

2,750円(Amazon価格)

出典

Amazon

技術士第二次試験「建設部門」過去問題<論文試験たっぷり100問>の要点と万全対策

書籍名

技術士第二次試験「建設部門」過去問題<論文試験たっぷり100問>の要点と万全対策 

価格

3,520円(Amazon価格)

出典

Amazon

入手した過去問題は、繰り返し解きましょう。

かならず類似問題が出ますので、何が出ても解答できるように、正解したところも含めておさらいをし、理解を深めておきます。

何度も間違ったり、理解しづらい問題があれば、それがあなたの苦手分野です。中心に勉強すると良いでしょう。

過去問題を読み込む中で、どんな問題が出題されやすいのかを分析することもできるようになります。¥

5-2.「第一次試験」は本番の基準で過去問題を7割解けるようにする

第一次試験を攻略するポイントは、本番の基準で過去問題を7割解けるようにしておくことです。

合格ラインはそれぞれの科目で5割以上の得点といわれていますが、本番では多少とも点数が下がることを見越して7割を基準にしておけば安心です。

勉強がある程度進んで過去問題が頭に入ってきたら、下記のような本番の時間配分を意識して、自分で模擬試験を行ってみましょう。

<科目>

<解答時間(問題数)>

<1問あたりにかけられる時間>

基礎科目

1時間(15問)

4分

適性科目

1時間(15問)

4分

専門科目

2時間(25問)

4.8分

最初は、すべての科目で合格ラインの5割の点を取ることを目標にすると良いでしょう。

慣れてきたら、もっと高い点をめざして繰り返して試験してみましょう。

5割で合格といっても、ぎりぎりの得点では、本番では下がる可能性が高いからです。

試験本番までに、少なくとも、ここ5年分の過去問題、類似問題を7割程度は解けるところまで持っていくようにしましょう。

CHECK!

【第一次試験はそこまで恐れなくてもいい!】

第一次試験の難易度は、4年制大学の自然科学系学部の専門教育課程終了程度です。

合格率は50%を切っていますが、筆記試験だけですし、第二次試験ほど難関ではありません。

過去問題、類似問題を7割程度解ければ通過できる可能性が高まりますので、自信を持って挑みましょう。

5-3.「第二次試験」攻略のポイントは論文の作成技術を習得しよう

第二次試験を攻略する大きなポイントが、論文の作成技術を習得することです。

第二次試験は、知識確認のマークシート方式ではなく、すべて記述式で、一種の小論文のような形です。

記述式試験では、技術部門全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関する問いに、適格な文章(ここでいう論文)での解答を示すことが求められます。

論文作成には、次の2つの視点が必要です。

  • 出題問題の意図を読み取る力をつける
  • 培った業務経験を活かした提案をする

それぞれみていきましょう。

5-3-1.出題問題の意図を読み取る力をつける

論文作成では、出題問題の意図を読み取る力をつけておくことが重要です。

出題の趣旨や意向に沿わない解答をすると、評価を得ることができません。

記述(論文)試験では、回答者の実力をみるために、出題者が求める内容をあえて詳しく説明していない場合があります。

その場合、問題文やその前置きから、求められている解答の範囲や解き方、出題者の考え方を正確に読み取ることによって、高い評価が得られます。

反対に、どんなに良い文章を書いても、出題者の意図を汲まず、解答の方向性が間違っていた場合、厳しい評価になってしまいます。

焦らず、出題問題に隠された意図をじっくり読み取って、文章を作成する癖をつけておきましょう。

5-3-2.培った業務経験を活かした提案をする

解答では、これまでに培った業務経験を活かした提案をすることを心がけましょう。

第二次試験は知識確認ではなく、技術者の応用能力や問題の解決能力を、論文で示していく試験です。

専門技術を生かした、業務を知る技術士ならではの提案(解答)をしなければ、試験管はあなたの技術者としての力量をチェックすることができません。

技術以外の記述、そつのない一般的な説明で解答する人がいますが、専門技術の能力が図れないため、良い点は望めないでしょう。

第二次試験の受験を決めたら、勉強の過程で、今まで培った業務経験を書き出すなどして整理しておいてください。

技術者としての力を測る目的で行われており、合格点を得るためには、積極的に専門技術を応用して解決策を文章で表す習慣をつけていきましょう。

 

6.まとめ

技術士は技術分野において最高位の国家資格で、建設業の技術士資格をとれば、「建設分野における科学技術の専門家」として、高い信頼を得られます。

一般的な知名度が高くないことや、取得までに長い期間を要することから「役に立たない」といわれることもありますが、実際には下記のようなメリットがあります。

  • 高い信頼が得られる
  • 収入が増える
  • 転職に有利になる

難易度は高く、取得は簡単ではありませんが、それだけ意味のある資格といえます。

会社にとってなくてはならない存在となり、年収アップ、スキルアップ、キャリアアップをはかる上でも重要な資格となります。

少しでも興味のある人は勇気を持って挑戦することをおすすめします。