派遣会社の就業開始までの流れ9STEP【初めての方向けガイド】

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「派遣社員として働きたいけど、働き始めるまではどんな流れになるのだろう」
「派遣で働くには、まずは何から始めればいいの?」

派遣社員は通常の正社員と雇用の仕組みが異なるため、派遣社員に興味があってもどのような流れになるのか不安になりますよね。

派遣として実際に働き始めるまでの流れは、次のようになります。

▼派遣社員として実際に働き始めるまでの流れ

このように、派遣社員として実際に働き始めるには、登録から契約までいくつかのSTEPを経ることになります。

早い人では1週間ほどで仕事をスタートするケースもありますが、通常は2週間程度と考えておけばよいでしょう。

早くお仕事を始めるには、各STEPを真剣に取り組み、派遣会社に「この人なら、派遣社員として働いてもらっても大丈夫!」と思ってもらうことが重要です。

とはいえ、何をするべきなのか、何に気をつけるべきなのか分からないと不安になりますよね。

そこでこの記事では、仕事を始めるまでの流れに沿って、下記の内容を解説していきます。

  • 自分の希望が叶う派遣会社の選び方
  • 派遣会社の事前登録
  • 派遣会社の登録会
  • 仕事の探し方
  • 派遣先会社との顔合わせとは
  • 雇用契約の結び方

この記事を読めば、それぞれのSTEPで何をするのか、注意するべきこと、必要なものなどがわかるようになります。

事前に準備しておくことで、どのような場面でもスムーズに対応でき、派遣会社からの評価も高くなるはずです。

派遣社員として自分の希望通りの企業に、いち早くお仕事ができるようにするため、ぜひ参考にしてくださいね!

目次

1.【派遣の就業開始までの流れSTEP1】初めに自分の希望が叶う派遣会社を選ぼう

 

まず実際に登録する前に、自分の希望が叶う派遣会社を選びましょう。

派遣会社は、厚生労働大臣による許可事業所が全国で4万箇所以上あります。

それぞれに特徴や得意分野があり、単に「有名だから」「よく宣伝しているから」で登録してしまうと、希望する仕事や業種の会社がなかなか見つからず、いつまで経っても仕事ができない状況に陥る可能性もあります。

この章では、あなたにぴったりの派遣会社の選び方を解説していきます。

1-1.まずは希望する職種に強い派遣会社を選ぼう

派遣会社を選ぶ上で一番重要なポイントは、自分が希望する職種に強い派遣会社を選ぶことです。

派遣会社も一般的な会社と同じように得意な職種や業界があり、求人数やサポート体制にさまざまな違いがあるからです。

派遣会社を選ぶ際、大きく分けて次の3つの選び方があります。

(1)一般的なオフィスワークをしたい
(2)エンジニアや医療系などの専門分野の仕事をしたい
(3)地元に密着した企業で働きたい

それぞれのポイントを解説していきましょう。

1-1-1.(1)一般的なオフィスワークをしたい場合

事務など、いわゆる「オフィスワーク」を希望するなら、総合的なオフィス業務に強い、大手の派遣会社を選ぶと良いでしょう。

大手の派遣会社は次のような人におすすめです。

  • オフィスワーク(事務系)の仕事がしたい
  • たくさんの求人の中から選びたい
  • 特に希望がない場合

大手の派遣会社は求人数や職種が圧倒的に多いため、職種だけではなく細かい条件から会社を選択できます。

さまざまな仕事の取り扱いがあるため、「特に希望がない」という場合でも、「これやってみたい!」という仕事が見つかりやすいでしょう。

福利厚生や研修などのサポート体制が手厚い場合が多く、派遣社員として安心して働けます。

一方で、人気の仕事に対して競争率も高くなるため、希望が通りにくい可能性もあります。

中には、担当者が1人で多くの派遣社員を担当しており、対応に不満を感じることもあるようです。

1-1-2.(2)エンジニアや医療系などの専門分野の仕事をしたい場合

エンジニアや医療などの専門分野の仕事をしたい場合は、その業界に強い派遣会社を選びましょう。

専門分野の派遣会社は次のような人におすすめです。

  • 資格や経験を生かした専門性の高い仕事をしたい
  • 専門的な資格や経験を理解してくれる職場(派遣会社)で働きたい
  • 希望する職種に関連した、たくさんの仕事の中から選びたい

専門分野に特化した派遣会社では、職種に関連した求人が多く、自分に合った仕事を選びやすくなります。

「この業務の中でも、これが専門です」という細かい希望でも理解し、専門性の高い仕事を紹介してくれることが多いでしょう。

派遣会社も職種や業務への理解が深いため、業界特有の出来事やトラブルへの対応も的確なものになります。

たとえば、次のような専門分野に強い派遣会社があります。

  • ITエンジニア、プログラマーなどのIT系に強み
  • 介護、看護、医療事務などの医療系に強み
  • 通訳、翻訳、貿易事務などの語学系に強み
  • 製造業、軽作業などに特化した仕事に強み

総合的な大手派遣会社の中でも、専門性の高い部門が独立して設置されているケースもあります。

1-1-3.(3)地元に密着した企業で働きたい場合

地元で働きたい場合などは、大手ではなく、地域に密着した派遣会社を選ぶのも良いでしょう。

地域に密着した派遣会社は次のような人におすすめです。

  • 地元企業で働きたい
  • 近場で働きたい
  • 小さな会社でアットホームに働きたい

規模は小さくても、大手では発見できないような、身近で良質な会社が登録されている場合があります。

手厚いサポートで親身になってくれることが多く、きめ細かいフォローで安心して仕事ができます。

1-2.派遣の形態を理解しておこう

派遣社員として働く前に、「派遣の形態」を理解しておきましょう。

派遣の形態は大きく分けて3種類あります。

(1)契約期間中だけの派遣である「登録型派遣」
(2)雇用期間が継続する「正社員型派遣」
(3)正社員として雇用される機会がある「紹介予定派遣」

契約期間だけの派遣と思っていたのに雇用期間が自動的に継続して慌てたり、正社員になりたいのにチャンスを逃したりしてしまう可能性もあります。

仕事を探す際は、希望する職種や会社だけではなく、どのような雇用形態かも必ず確認しましょう。

1-2-1.(1)契約期間中だけの派遣である「登録型派遣」

「登録型派遣」の特徴は次のとおりです。

  • 一般的な派遣スタイル
  • 契約期間は同じ派遣先で最長3年間
  • 一定期間だけ派遣社員として働きたい人におすすめ

派遣の多くは「登録型派遣」となり、派遣先の会社と派遣会社との間で定められた、契約期間中だけの業務(有期雇用)となります。

参考:厚生労働省「労働者派遣制度について

派遣会社によっては「一般派遣」などと呼ばれることもあります。

登録型派遣の契約期間はどんなに長くても最長3年間で、同じ派遣先で続けて働くことはできません。

続けて同じ会社で働くには、派遣先の会社で直接雇用してもらうか、部署を移動するなどの措置をすると、延長することも可能です。

登録型派遣は、一番募集が多いスタイルでもあります。とりあえず一定期間だけ派遣社員として働きたい場合は、登録型派遣がおすすめです。

1-2-2.(2)雇用期間が継続する「正社員型派遣」

「正社員型派遣」の特徴は次の通りです。

  • 契約の期限はなし
  • 派遣会社の正社員となる
  • 給与が時給ではなく月給
  • 専門的なスキルを活かしながら安定して働きたい人におすすめ

「正社員型派遣」は、派遣会社の正社員として雇用されながら企業に派遣されるスタイル(常用雇用)で、派遣業務終了後も雇用関係が継続します。

参考:厚生労働省「労働者派遣制度について

正社員型派遣は、専門的な知識を持っている人材を、期間限定や一時的に雇用したい企業に需要が多くなります。

特に、次のような職種で求められています。

  • 研究、開発などの技術系
  • エンジニア
  • 介護士
  • 薬剤師
  • 販売職

一般派遣との違いは、派遣先の会社の業務が終了しても派遣会社との雇用が続いているということです。

そのため、時給ではなく給与制となり、次の派遣先が決まるまで待機となった場合でも支払われます。
福利厚生や昇給、賞与なども派遣会社の社員と同様の待遇となります。

専門的なスキルを活かしながら、安定して働きたい人におすすめです。

1-2-3.(3)正社員として雇用される機会がある「紹介予定派遣」

「紹介予定派遣」の特徴は次の通りです。

  • 派遣契約期間は最長で6ヶ月以内(打ち切りや早期採用もあり)
  • 正社員を断ることも可能
  • 正社員として働けるかじっくりと見極めたい人におすすめ

「紹介予定派遣」とは、派遣期間が終了したあとに派遣先会社と本人合意のもとで、正社員または契約社員に切り替わる派遣です。

参考:厚生労働省「労働者派遣制度について

最長6ヶ月の一定期間、派遣社員として働きながら正社員として働けるかどうかを、派遣先会社も本人もじっくりと判断することができます。

ただし、6ヶ月の派遣期間中でも、次のような理由で、契約が打ち切り(解雇)されることもあります。

  • 重要なミスを繰り返す
  • 注意しても勤務態度が悪い
  • 求めるスキルが不足している
  • 予定していた業務がなくなった

紹介予定派遣の契約期間中に解雇することは、違法ではありません(参考:厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」)。

同様に、派遣社員側も、正社員雇用になることを断れます。

ただし、どちらが断るにしても、その理由を相手に合理的に説明する必要があります。

また、6ヶ月の契約期間の短縮については、「派遣会社」「派遣先会社」「派遣社員」の三者間の合意があれば可能です(参考:厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要項」)。

しかし、派遣先会社の意向によるので、派遣社員側からの提案はできないと考えたほうがよいでしょう。

「とりあえず今は派遣で働いてみて、ゆくゆくは正社員を目指したい」という方には、ぴったりなスタイルです。

2.【派遣の就業開始までの流れSTEP2】派遣会社に事前登録する

第1章の「1.【STEP1】自分の希望が叶う派遣会社を選ぼう」で自分に合った派遣会社が選択できたら、実際に登録してみましょう。

ほとんどの派遣会社では、実際の登録の前にスマホやパソコンなどで「事前登録(エントリー)」をします。

各派遣会社のホームページを開くと「いますぐ会員登録をする」などのボタンがあるのでクリックしましょう。

一般的に、事前登録に記入する項目は次のようなものになります。

事前登録時に記入する項目例
  • 氏名・住所・生年月日などの基本的な個人情報
  • 連絡がとれるメールアドレス
  • 主な経験業種と経験年数(IT業界、商社、教育、金融など)
  • 主な経験職種と経験年数(営業、事務、エンジニアなど)
  • 現在の年収
  • 希望勤務形態
  • 希望職種・希望条件
  • 希望勤務地

※この時点で履歴書・職務経歴書をアップロードするケースもあります。

派遣会社によっても異なりますが、名前や住所などの基本プロフィールの他、事前登録で経験やスキルを記入するケースが多いです。

また、事前登録時に、履歴書や職務経歴書をアップロードする会社も増えています。事前に下記のものを用意し、PDF化しておくと安心です。

事前登録までに用意しておくべきもの
  • 履歴書(アップロードをする可能性もあるので、PDF化しておくと更に良い)
  • 職務経歴書(アップロードをする可能性もあるので、PDF化しておくと更に良い)
  • 顔写真(スーツを着用した証明写真であることが望ましい)

登録が完了したら、派遣会社から電話(メールの場合もあり)がかかってきます。

簡単な説明を受け、派遣会社の登録会の日時などを決めます。

3.【派遣の就業開始までの流れSTEP3】派遣会社登録会で説明を受けて本登録をする

スマホやパソコンで派遣会社に事前登録(エントリー)したあと、「登録会」に参加することで派遣会社への本登録となります。

気負う必要はありませんが、できるだけ印象が良くなるように立ち居振る舞いや服装などに気をつけましょう。

一般的な登録会の流れは次のとおりです。

 

※派遣会社によって、順番は前後します。

最近ではコロナの影響もありオンラインでのWeb面談で済むケースもあります。Web面談でも、雰囲気は伝わるので注意してください。

この章では、「説明・本登録」のパートで何が行われるかの解説と、当日の持ち物や服装について見ていきましょう。

3-1.派遣会社からの「説明と本登録」

登録会では、まず「説明」と「本登録」をする時間があり、次のことが行われます。

  • 派遣会社や仕事についての説明、質疑応答
  • 派遣会社への本登録
  • 書類提出

登録会では最初に、派遣会社から派遣の仕組み、仕事の流れ、注意点、福利厚生などの説明があります。

必ずメモなどを取り、分からないことは質問して不安をなくしましょう。

注意事項をまとめた用紙やパンフレットをもらえるはずなので、帰宅後はいつでも見返せるように保管しておきます。

その後、プロフィールや職務履歴、スキル、経験などの他、希望する職種、業種、アンケートの答えなどを記入(または入力)して本登録を行います。

本登録が終わった後に、履歴書や本人確認などの書類を提出します(個人面談で提出する場合もあり)。

派遣会社のホームページを確認していくと安心

登録会に参加する前に、派遣会社のホームページをチェックしておくと、疑問や質問などを事前に用意できて安心です。

特に福利厚生や保険関係は必ずチェックして、わからないことは質問するようにしましょう。

また、登録の際のアンケートで、「どうして当社を選んだのか」と聞かれて困ったというケースが多いようです。紹介される会社に影響はないものの、しどろもどろになるよりは、きちんと答えたほうが印象はよくなります。

派遣会社のホームページで、「これはいいな」と思った点などが挙げられるように準備しておくと安心です。

3-2.派遣登録会に必要な持ち物と「チェックリスト」

登録会に必要な持ち物をみていきましょう。

中にはすぐに用意できないものもあるので、余裕をもって用意しておくと当日慌てず安心です。

登録会当日の持ち物チェックリスト






※顔写真つきの身分証明書がない場合は、保険証や年金手帳、住民票の写しなど2つ以上の公的書類が必要となる場合があります。

派遣会や職種によって必要なものが異なるので、登録会の予約を取るタイミングで確認しておきましょう。

3-3..派遣登録会の身だしなみ

服装は、一般的な会社の面接に着ていく服装や、ビジネスシーンにふさわしい服装をイメージすればよいでしょう。

▼登録会の身だしなみ注意点

3-3-1.男性の場合の派遣登録会の身だしなみ

リクルートスーツか、ビジネス用のスーツを着用します。

ネクタイもシンプルで落ち着いた色を選び、鞄や靴もオーソドックスな形状のものが良いでしょう。

髪型は、ショートカットで清潔感を出し、前髪も短く切りそろえるようにします。

また、ひげを剃り忘れていないか、必ずチェックしましょう。

3-3-2.女性の場合の派遣登録会の身だしなみ

スーツの必要はありませんが、ビジネスシーンに相応しい服装を心がけます。

基本的にはブラウスとスカート(又はズボン)を着用します。カジュアルな印象を避けるために、ブラウスの上にジャケットを羽織ると良いでしょう。

夏場はブラウスのみでも大丈夫ですが、派手なものを避け、白系のシンプルな形状を選びます。

カバンや靴も意外と見られています。黒系のオーソドックスな物が良いでしょう。

髪が長い場合は、一つにまとめて清潔感を出します。

WEB面談やカジュアルOKの場合も気を抜かずに用意しよう!

オンラインでも身だしなみをチェックされるので、普段着などで参加しないように気をつけましょう。

若者向けの販売職や美容関係の場合に特化した派遣会社の場合など、カジュアルな服装でOKのケースもあります。

カジュアルOKの場合でも、職場で働く服装をイメージした範囲内とし、派手になりすぎないように注意します。

服装の条件などは、登録会に参加する前に確認しておくと安心です。

4.【派遣の就業開始までの流れSTEP4】スキルチェックを受ける

 

一般的に、登録会でプロフィール登録を終えた流れで、個別にスキルチェックが行われます。

希望する職種にもよりますが、事務職以外でもパソコン操作については操作のテストを実施するケースが多いでしょう。

そのほかに、専門職特有のスキルや技能チェックなどが行われます。

スキルチェックの例

▼一般的なスキルチェック

  • パソコン操作:パソコン操作、ワード・エクセル・パワーポイントの操作
  • タイピングテスト:スピード、正確性
  • 一般常識テスト:ビジネスマナー、言葉使い、漢字・計算テストなど
  • ヒューマンスキル:コミュニケーション力、ヒアリング(傾聴)能力など

▼その他、専門職スキルチェック

  • 経理
  • 英語
  • 語学能力(通訳・翻訳)
  • 貿易事務
  • プログラミングスキルなど

これらのスキルチェックは合否があるわけではなく、現状のスキルを把握するために行われます。

派遣先企業の紹介は、スキル以外にもヒューマンスキル、いわゆる人間力がとても重要視されます。

たとえ、上記のスキルチェックの成績が悪くても、「社会人として当たり前のスキル」が高い人や、人柄が良い人は、多少スキルが無くても良い会社を紹介されるケースが多くあります。

「未経験でもOK」の会社もあるので、働きながらスキルアップを目指すこともできます。

多くの派遣会社では、パソコンやパソコンソフトの操作など、専用の研修プログラムを用意しているので、利用すると良いでしょう。

スキルチェックでできないことは正確に伝えよう

自分のできること、できないことは、はっきりと伝えましょう。「できません」と言っても、心配する必要はありません。

できると思われて自分の能力以上の会社を紹介されると、自分が苦しくなるだけではなく、派遣会社や派遣先の会社へも迷惑をかけてしまいます。

良い会社を紹介してもらえないかもと心配になりますが、まずは自分のスキルにあった仕事を探しましょう。

その上で高時給を目指したいなら、仕事で経験を積みながら、研修などでスキルアップを目指しましょう。

5.【派遣の就業開始までの流れSTEP5】個人面談を受ける

 

登録やスキルチェックが済むと、個人面談が行われます。

登録会での個人面談は「キャリアカウンセリング」ともいわれ、担当者やコーディネーターが個人に合った仕事や会社選択を支援しやすくするために必要不可欠なカウンセリングです。

入社面接のような堅苦しいものではなく、自分の希望や今後のキャリアビジョンなどを相談できる機会だと考えれば良いでしょう。

特に次のようなことは、あらかじめ伝えておくと配慮してもらいやすくなります。

  • 自分の持っている資格を活かせる仕事がしたい
  • スキルアップを目指せる仕事がしたい
  • 健康面で仕事の制約がある
  • 働き方の要望がある(在宅、テレワークなどの要望)

仕事はスキルや職歴だけでマッチングできるものではありません。

「この人なら安心してお仕事を紹介できる」と思われるように、しっかりとした態度で臨みましょう。

なお、早い人ではこの個人面談でお仕事を紹介されるケースもあるようです。

6.【派遣の就業開始までの流れSTEP6】希望の仕事にエントリーする/派遣会社から仕事を紹介される

派遣会社での登録会が終わったら、いよいよ希望の仕事に応募することが可能になります。

仕事に応募するには2種類の方法があります。

(1)派遣会社の専用サイトから自分で応募する
(2)派遣会社から紹介される

それぞれの方法や注意点を解説していきましょう。

6-1.(1)派遣会社の専用サイトから応募する

仕事は、各派遣会社の専用サイトなどで検索して応募することができます。

一般公開されず、派遣会社に登録している人しか見られない仕事もたくさんあるので、必ずログインしてから利用しましょう。

また、下記のように、気になる条件の絞り込みや、数社を比較検討することも可能です。

  • 職種
  • 業種
  • 勤務地
  • 年収・時給
  • スキル
  • 在宅、リモートワークなどの働き方
  • 副業可能
  • 社宅完備
  • 交通手段(車通勤可能など)

検討した情報を登録しておくと、希望した条件に合った新着の仕事情報が、メールで届くサービスがある会社もあります。希望の仕事に出会うまで、フル活用しましょう。

実際に応募する際は、募集要項のそばにある「エントリーボタン」「求人の応募をする」などのボタンをクリックします。

クリックした後、エントリーシート(自分のプロフィールや志望動機などを書くシート)が必要な場合は、必要事項を記入し送信します。

選考結果は派遣先の会社ではなく、派遣会社からメールや電話で連絡が入ります。

希望が通った場合は、担当者から説明を受けて、面接や派遣の手続きに移ります。希望が通らなかった場合は、速やかに次のお仕事を探しましょう。

6-2.(2)派遣会社からの仕事の紹介と「聞いておくべきチェックリスト」

自分で仕事を見つけて応募する他に、派遣会社から直接紹介される場合があります。

派遣先の会社や仕事内容によっては募集をせず、派遣会社が「この人なら合いそう」と判断した人にピンポイントでメールや電話で声掛けをしています。

電話での連絡の場合、情報が口頭で伝えられるので、あとから「あれを聞いておけばよかった」など、聞き忘れが発生しやすくなります。

聞き漏らしを防ぐために、次のチェックシートを参考にしてください。担当者からの話を聞きながらチェックや記入をしていくと便利です。

仕事の紹介をされたら聞いておくべきことチェックリスト​

▼必ず聞いておくべき項目

















▼聞いておくとさらに安心できる項目



連絡があってすぐにお返事をする必要はありません。ですが、返事をする期日までに、「受けるか受けないか」のお返事をするのがマナーです。

あまりお待たせすると、派遣会社や派遣先の会社に迷惑がかかったり、他の人に紹介されたりする場合があるので注意しましょう。

7.【派遣の就業開始までの流れSTEP7】派遣先の会社で顔合わせをする

仕事をエントリーして希望が通った場合、または派遣会社からの紹介を受けると、実際に勤務をする前に、派遣先の企業で「顔合わせ」または「職場見学」をします。

顔合わせは、派遣会社の担当者と一緒に派遣先の企業を訪問し、自己紹介や担当する仕事について説明を受ける場になります。

この章では、顔合わせで何をするか、また、顔合わせ後に仕事がイメージと違うことが判明した場合について解説します。

7-1.派遣先の会社の顔合わせで行われること

派遣先企業での顔合わせでは、次のようなことが行われます。

  • 自己紹介(自己アピールなど)
  • 会社案内
  • 担当する業務の説明
  • 質疑応答

顔合わせはいわゆる「面接」ではないので、選考は行われませんが、通常の面接と同じような流れになります。

経歴や資格などは派遣会社からあらかじめ伝わっているはずですが、しっかりと自己アピールをしましょう。

派遣先の会社について事前にリサーチしておき、「この会社で働きたい」ことを具体的に伝えると、良い印象を持たれるようになります。

さらに自分の経験や実績を詳しく伝えると、派遣先会社も安心して仕事を任せられます。

面談の質問や顔合わせについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

面接ではなく「顔合わせ」である理由

派遣先の会社での「顔合わせ」は面接ではありません。

正社員やアルバイトには面接や選考がありますが、派遣社員の場合、「面接」は法律で禁止されています(労働派遣法:第26条第7項)。

理由は、派遣社員は派遣先企業ではなく、派遣会社に所属しているためです。派遣社員の適正判断を行うのは派遣元の会社であり、派遣先の企業ではありません。

また、派遣先の企業に「容姿」や「年齢」などから判断されないよう、派遣社員の雇用機会を守るためでもあります。

7-2.顔合わせ後、イメージと違う場合

実際に仕事内容を聞いた後、イメージしていた仕事と異なった場合や、仕事を断りたい時は、担当者にきちんと伝えます。

イメージとは違っても仕事を受けたい場合は、「実際に携わったことはありませんが、お仕事が始まるまでに勉強しておきます」など、やる気をアピールしておくとよいでしょう。

伝えることで、派遣先の会社でも、経験者によるサポートを長く設定するなどの配慮がなされる場合があります。

「できません」「自信がありません」というと、話が流れる可能性もあるので注意しましょう。

また、どうしても合わない場合は、顔合わせをした後に「お断り」をすることもできます。

しかし、派遣会社も派遣先会社も、あなたのためにわざわざ時間を作って場を設定しています。

お断りを何度か繰り返すと、仕事を紹介されなくなる可能性もあるため、注意しましょう。

顔合わせ時の身だしなみについて

顔合わせ時の身だしなみや持ち物については、3-3.登録会の身だしなみとほぼ同じです。

職種によっては制服が支給されたり、カジュアルな私服でOKだったりするケースもありますが、この時点では、きちんとした服装が望ましいでしょう。

8.【派遣の就業開始までの流れSTEP8】就業決定後、雇用契約を結ぶ

派遣先での就業が決まったタイミングで、派遣会社との間に雇用契約を結びます。

雇用契約には「労働条件通知書兼就業条件明示書」を用います。

労働条件通知書兼就業条件明示書は「労働条件通知書」と「就業条件明示書」の内容が一つになった書類です。

「労働条件通知書」と「就業条件明示書」とは
「労働条件通知書」は労働基準法に基づいて作成されており、会社が労働条件を明示するべき項目が記載されています。
例:

  • 労働契約の期間
  • 就労場所
  • 業務内容
  • 始業/就業時間
  • 休憩時間
  • 賃金の計算方法など

「就業条件明示書」は、労働派遣法に基づいており、内容的には労働条件通知書とほぼ同じです。
人材派遣会社が派遣社員と契約を結ぶ際に提示することが義務づけられている書面で、労働条件について互いが合意したことを証明する書類です。

ここに記載されている内容に間違いがないか、しっかりと確認しましょう。

上記の書類に捺印することで、派遣会社とあなたの間に雇用契約が成立し、派遣先での勤務が開始されます。

なお、よほどのことが無い限り、雇用契約が成立した後に断ることはできないと考えて、慎重に契約を結びましょう。

9.【派遣の就業開始までの流れSTEP9】派遣社員として仕事のスタートと5つの注意点

派遣会社で雇用契約を結んだあと、いよいよ派遣先での仕事がスタートします。

一般的に、初日は派遣会社の担当者が同行してくれることが多いでしょう。担当者と待ち合わせをしてから、一緒に派遣先の会社に出勤します。

派遣先の会社の指示に従い、お仕事を開始しましょう。

とはいえ、派遣先の会社員とは違うので、何かと不安も大きいですよね。

派遣社員として派遣先で円滑に仕事をするために注意するべきことを、チェックしておきましょう。

  • 出社時間を厳守する
  • 挨拶は自分から進んでする
  • 派遣先会社の社内ルールを守る
  • 契約内容を話さない
  • 些細なことでも派遣会社の担当者に相談する

それぞれ説明していきます。

9-1.出社時間を厳守する

契約時に取り決めた始業時間までに、余裕をもって出社しましょう。

始業時間や就業時間を守るのは社会人としての最低限のマナーですが、派遣社員の場合はとくに、ちょっとした遅刻でも悪目立ちする場合があります。

派遣会社の代表として働くのですから、派遣会社の評判を落とさないためにも、時間厳守は徹底しましょう。

また、慣れないうちは仕事に取り掛かるまでに時間がかかるもの。余裕を持って仕事に取りかかれるよう、しばらくは30分前に出勤することをおすすめします。

慣れてきた頃に、仕事を教えてくれる社員さんか、先輩派遣社員がいる場合は、出社時間に関して聞いてみると良いでしょう。

9-2.挨拶は自分から進んでする

派遣先での挨拶は、自分から進んで行いましょう。

なぜなら、人間関係が出来上がっている中で派遣社員として円滑に仕事をするには、周りの社員の方の協力が不可欠だからです。

独立した仕事であっても、社内で孤立してしまうと、スムーズに働けない可能性もあります。

仕事と関わりのない人であっても、あなたから「はじめまして、〇〇と申します。これからお世話になります」など、全員に率先して挨拶を行いましょう。

「良い派遣さんが来てくれたな」と好意的に受け止められるように、初日以降も継続して挨拶をしましょう。

9-3.派遣先会社の社内ルールを守る

派遣先の会社に独自の社内ルールや規則があるケースでは、たとえ派遣社員でもある程度は守るようにしましょう。

「派遣社員だからそんなことはできない」と壁を作ると、社内で浮いてしまい、働き辛くなる可能性があるからです。

たとえば、コピー機や備品などの取り扱いルールはもちろんのこと、外部からかかって来た電話の応対、お茶くみルーティーン、ちょっとした清掃当番など、独自のルールや規則があるかもしれません。

何か新しく作業をする際は、勝手に行動せず、話しやすい先輩にあらかじめルールなどを聞いておくと良いでしょう。

ただし、契約した仕事とあまりにもかけ離れていることを指示された場合(業務に支障が出るほどの雑用や出張の強要など)は、契約違反となる場合もあるので派遣会社の担当者に相談してください。

自分で断ると人間関係が悪化することがありますが、派遣会社からの申し入れだと受け入れてもらいやすくなります。

9-4.契約内容を話さない

派遣先の会社では、契約内容(時給など)を絶対に話さないようにします。

特に大きな会社では、複数の会社の派遣社員が勤務していることも珍しくありません。中には「あなたの会社の時給はいくら?」など、聞いてくるケースもあります。

うっかり答えてしまうと、「同じ仕事なのに時給が違う!」と、相手もあなたも不満を抱えることになり、派遣社員全体の問題へと発展する恐れもあります。

たとえ派遣先の社員であっても、「守秘義務があるので申し訳ございません」と、断るようにしましょう。

9-5.些細なことでも派遣会社の担当者に相談する

どんなに些細なことでも、業務以外で不安や疑問に感じたことは派遣会社の担当者に相談します。

派遣会社の担当者は、派遣社員が安心して仕事ができるためのアドバイスや、派遣先の会社との橋渡しをしてくれる存在です。

業務に直接関係があることは派遣先会社の担当者に相談しますが、それ以外のことは就業後でも、積極的に相談しましょう。

たとえば、次のようなことも、派遣会社の担当者に相談して問題ないです。

  • スキルの問題(スキルアップや資格取得など)
  • 業務上での健康的・精神的な不安
  • 派遣先会社でのトラブル
  • 職場環境の不満

派遣会社によっては定期的に、派遣先で問題がないかどうかの確認や面談が行われることもあります。

また、専門カウンセラーや法律的な問題を相談できる環境を設けている場合もあるので、まずは気軽に相談してみましょう。

10.派遣会社で仕事を始めるまでのよくある4つのQ&A

ここまで、派遣会社への登録からお仕事開始までの一連の流れを解説してきました。お仕事の始め方が良くお分かりになったと思います。

この章では、全体を通して、出てくる疑問などにお答えします。

派遣に対する不安を解消しましょう。

10-1.Q1:実務経験はどのくらいの期間だと「あり」といえるの?

プロフィールや経験などを登録する際、どのくらいの期間を「実務経験あり」とするかは、実はあいまいです。

わずか1日の経験でも、経験したことがあるなら「実務経験あり」とします。

企業が求めるスキルはそれぞれ異なるので、プロフィールには、経験したことがあるスキルはできるだけ多く書くことをおすすめします。

経験はあるけどスキルが不安な場合は、プロフィール欄の余白やフリースペースなどに、どの程度の作業ができるか詳しく記入しておくと良いでしょう。

スキルチェックの結果を基に、派遣会社の担当者に書き方のアドバイスをもらうと安心です。

ただし、どんなに知識があっても、経験していないことは書いてはいけません。

10-2.Q2:派遣の仕事はどのくらいで決まるの?

早い人は、登録会の際に仕事を紹介されるケースがありますが、一般的には1〜2週間程度でしょう。

ある程度のスキルや経験値、または資格などがあれば、比較的早く決まる傾向にあります。

ただし未経験の場合、「未経験でもOK」の会社は比較的少ないので、1ヶ月以上かかることもあります。

そのため、派遣会社は1社だけではなく数社登録しておくとチャンスが多くなります。

10-3.Q3:なかなか仕事を紹介してもらえないときはどうしたらいいの?

自分が希望している条件などを見直し、妥協できる点があれば多少は妥協しましょう。

たとえば、希望勤務地の範囲や勤務可能時間を少し広げる、希望時給を少し下げるなどが考えられます。

また、スキル不足で仕事を紹介してもらえないことも考えられます。仕事が決まるまではスキルアップの期間だと捉えて、派遣会社が開催するスキルアップ研修などに積極的に参加しましょう。

なかなか決まらなくても、仕事の募集は毎日更新されますので、頻繁にチェックするようにしましょう。

10-4.Q4:業務以外の仕事を頼まれた時はどうしたらいいの?

「派遣社員として仕事をしているのに、雑用を頼まれる」というのは、実際あります。自分の業務にさほど影響がない場合は、手伝うとよいでしょう。

「派遣社員ですから」と断ると、職場の人間関係が険悪になる可能性もあります。

たとえば、関係のない会議中お茶出しや清掃を頼まれたり、ちょっとした書類の作成を依頼されることはありがちです。

契約社員でも同じ職場で働く仲間として、多少は手伝うと良いでしょう。

しかし、
「残業なしで契約したのに、実際は残業が多い」
「電話の取次ぎ担当のようになってしまい、実際の仕事ができない」
など、契約とかけ離れている場合は、派遣先の会社ではなく派遣会社の担当者に相談してください。

契約違反の可能性もあり、派遣会社や担当者が間に入って交渉を行ってもらうと、環境が改善されるはずです。

11.まとめ

いかがでしたでしょうか。

派遣社員として派遣会社に登録するところから、実際に働くまでの流れがよくお分かりになったと思います。

最後に、派遣社員になるまでの流れを簡潔にまとめてみましょう。

▼派遣会社で実際に働くまでの流れ

早く派遣の仕事を始めるには、各STEPを真剣に取り組むことが大切です。

派遣会社に「この人なら大丈夫!」と思ってもらい、希望通りのお仕事ができるよう、この記事を参考にしていただけましたら幸いです。