「派遣の顔合わせってどういうもの?」
「どんな目的で派遣の顔合わせをするの?」
と疑問に感じていませんか?
派遣の顔合わせとは、就業前に派遣社員が派遣先企業と行う面談のことです。
派遣会社の営業担当者と派遣先を訪問し、派遣先の上司や担当者から業務内容の説明を受けます。
その目的は「派遣社員が派遣先企業の仕事内容や雰囲気を把握し、就業するかどうか決めること」です。
事前に顔合わせの機会を設けることで、派遣社員のミスマッチを避けられます。
ただし顔合わせがどういうものなのかを知っておくだけでは、ミスマッチを回避することはできません。派遣社員が顔合わせで確認すべきポイントを知ることで、ミスマッチを事前に防ぐことができるのです。
そこで本記事では、派遣の顔合わせについて解説するだけでなく「派遣の顔合わせで確認しておくこと」について詳しくお伝えします。
また本記事の内容は以下のとおりです。
▼本記事の内容
- 派遣の顔合わせとは
- 派遣の顔合わせの流れ6ステップ
- 派遣の顔合わせ前にやっておくべき4つの準備
- 派遣の顔合わせで確認しておくこと
- 顔合わせ時に好印象を与える4つのコツ
この記事を読むことで、派遣の顔合わせとはどういうものかが理解でき、さらに顔合わせに向けた事前準備や就業後にミスマッチを起こさないために確認しておくべきことなどを知って、顔合わせ当日に備えることができます。
ぜひ最後までお読み下さい。
目次
1.派遣の顔合わせとは
そもそも派遣の顔合わせとはどういうものなのでしょうか。
まずは派遣の顔合わせについて、以下3つを解説します。
- 派遣の顔合わせの概要
- 派遣の顔合わせの目的
- 「顔合わせ」でも不採用になることがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1.派遣の顔合わせとは派遣就業前に行われる面談のこと
派遣の顔合わせとは、就業前に派遣社員が派遣先企業と行う面談のことです。
派遣元の営業担当者と一緒に派遣先企業を訪問し、就業先の上司や人事担当者から業務内容について詳しく説明を受けます。
「面談」と聞くと、面接のようなものをイメージする人も多いかもしれませんが、「顔合わせ」の面談は、基本的に採用前提です。
派遣会社によっては「会社見学」「職場見学」「事前面談」という言い方をするケースもあるようです。
1-2.派遣の顔合わせの目的
派遣における顔合わせの目的は「派遣社員が派遣先企業の仕事内容や雰囲気を把握し、就業するかどうか決めること」です。
というのも、事前に顔合わせの機会を設けることで、派遣社員のミスマッチを避けられるのです。
派遣予定の会社が決定し、顔合わせを行わないまま就業を決めてしまうと、
- 思っていた仕事内容と違う
- 雰囲気が合わない
- 自分に何を求められているのかわからない
といった事態になりかねません。
そこで顔合わせを事前に行えば、派遣予定会社の「雰囲気」や「業務」「自分に求められていること」を理解したうえで就業するかどうか判断でき、ミスマッチを防げるのです。
実際には派遣先企業側が、派遣社員の人柄やスキル、働き方のスタイルなどを把握する目的も含まれているケースが多くあります。
しかし、顔合わせは派遣先が派遣社員に対して評価を下すためのものではないということは知っておきましょう。
1-3.派遣の顔合わせをしても就業できない場合がある
顔合わせは「採用前提である」とお伝えしましたが、実際には顔合わせをしても就業できないケースがあります。
というのも、派遣先企業側にも
- 「社会人としてのマナーが備わり、身だしなみが整っている人」
- 「自社の業務をこなすだけのスキルがある人」
に来て欲しいという本音があるからです。
そのため上記のような条件を満たさない人は、派遣先企業から就業NGが出ることがあります。
また派遣会社が「社会人として身だしなみやマナーができていない」「派遣先企業の業務をこなせるほどのスキルがない」という人を派遣先へ就業させてしまうと、派遣元の人選ミスで派遣先企業へ損害を与えかねません。
そのため、派遣会社の営業担当者が顔合わせの様子を見学した結果、派遣社員を就業させないようにするケースがあるのです。
そのほかにも、
- 競合他社の存在
- 就業先企業の都合(想定より業務量が減った/人件費の関係で採用人数を減らすことにした、など)
といった理由で就業につながらないケースもあります。
ただし、顔合わせを行った上で派遣先企業が派遣社員に対して「不採用」の通知を出すのは違法です。
なぜなら、顔合わせを名目にして派遣社員を採用するかどうか選考する「面接」の実施は、法律で禁止されているからです。
そのため、派遣会社から「不採用」と通知が届いた場合は、法律に反した「派遣社員に対する面接」を派遣先企業が実施した可能性があります。
そうした場合は、
- 公共職業安定所へ報告する
- 利用している派遣元企業を変える
といった対処を行うことをおすすめします。
詳しい対処法については、以下の記事で解説しています。
派遣社員の面接は禁止されている!実施された場合の最適な対応方法
ただし派遣会社も派遣社員に対する面接が禁止されていることは理解しています。
そのため派遣先企業から不採用の通知が来ても、そのまま派遣候補者へ伝えるのではなく、
- 「派遣先企業側で人員を社内調整できることとなり、今回は求人がなくなりました」
- 「派遣先企業の社内事情が変わって、直接雇用で採用されることとなりました」
といったように伝えるケースが多いのが実際のところです。
上記のような言い回しで伝えられた場合は、「面接」と断定するのは難しく、こちらでは対処のしようがありません。派遣会社を変更し、今後同じようなケースに陥らないようにしましょう。
したがって、「派遣先企業から不採用通知が届いた」という連絡が派遣元企業からあった場合に限り、顔合わせは面接であったと判断でき、然るべき対処を行うことができます。
2.派遣の顔合わせの流れ6ステップ
派遣社員への顔合わせは以下の6ステップで行われます。
各ステップについて見ていきましょう。
2-1.【派遣の顔合わせのステップ1】派遣会社の営業担当者と打ち合わせを行う
ステップ1は「派遣会社の営業担当者と打ち合わせを行う」です。
まずは派遣会社の営業担当者と顔合わせ前に待ち合わせし、30分〜1時間程度、顔合わせの流れについて説明を受けます。
事前打ち合わせを設けるのは、派遣社員の顔合わせに対する不安や疑問を解消するという目的があるからです。
そのため事前の打ち合わせでは、
- 顔合わせで派遣先企業から何を聞かれるのか
- 顔合わせで派遣社員が話すべきことは何か
- どのように自己紹介すればいいのか
- その他、疑問点や不安なこと
について、回答やアドバイスをもらうことができます。
疑問や不安に感じることなどは、このタイミングで担当者に質問し解決しておくと、安心して顔合わせに臨むことができます。
また事前打ち合わせに時間がある場合は、スキルや経歴の伝え方について添削をしてもらう時間として活用するのも良いでしょう。
2-2.【派遣の顔合わせのステップ2】派遣先企業の担当者との対面する
ステップ2は「派遣先企業の担当者と対面する」です。
派遣会社の営業担当者と一緒に派遣先企業へ訪問し、顔合わせがスタート。就業した場合の上司となる人や、人事担当者との面談を開始します。
2-3.【派遣の顔合わせのステップ3】スキルシートをもとに自己紹介をする
ステップ3は「スキルシート(※)をもとにした自己紹介をする」です。
顔合わせが始まると、まずは派遣会社の営業担当者が全員にスキルシートを手渡します。そしてスキルシートに沿って派遣社員が自己紹介をし、これまでの職歴や保有スキルなどを説明。「どんなことができる人材なのか」を派遣先会社に伝えます。
自己紹介は「目の前にいる派遣社員が自社でスキルを活かして働けるのかどうか」について、派遣先企業の上司や人事担当者が確認するために行います。
そのため、できるだけ派遣先企業の業務に合うスキルを重点的に伝えると良いでしょう。
自己紹介で伝えるべき具体的な内容は「3-3.自己紹介の内容を事前に考えておく」で詳しく解説しています。
ちなみに、スキルシートには個人を特定できる情報は一切書かれていないため、自己紹介の一番はじめに自分の名前を名乗るようにしましょう。
※スキルシート:派遣会社が作成した、派遣社員の経歴やスキルを示す書類のこと。「今までどんな仕事をしてきたのか」「保有スキルは何か」といったことが記載されています。スキルシートは、履歴書や職務経歴書のように、個人を特定できるような情報(名前、住所、年齢など)は一切書かれていないのが特徴です。
2-4.【派遣の顔合わせのステップ4】派遣先企業の担当者から仕事内容の説明を受ける
ステップ4は「派遣先企業から仕事内容の説明を受ける」です。
あらかじめ派遣会社から用意された求人情報で業務内容はある程度把握できますが、ここではさらに詳しい業務内容や会社の雰囲気を聞くことができます。
こうして仕事内容の詳しい説明が行われるのは、派遣社員と派遣先企業の間で「業務内容の認識のズレ」を生じさせないためです。
具体的には、以下の項目を説明してもらえます。
- 派遣社員が担当する業務の内容
- パソコンの使用頻度、求められるスキルレベル、使用するソフトウェア
- 1日の流れ
- 1ヶ月の流れ
- 部署の年齢層
- 部署の男女比
- 残業の有無、時期、程度
- 他の派遣労働者の就業状況
- 会社の雰囲気
- 社風
「今後、この派遣先企業で働くかどうか」を決める重要な情報ばかりですので、しっかりとメモを取り、あとで検討する際の判断材料にしましょう。
2-5.【派遣の顔合わせのステップ5】質疑応答を行う
ステップ5は「質疑応答を行う」です。
このステップでは、業務上知っておきたいことを、派遣社員と派遣先企業の双方で質問し合います。
質疑応答の時間を設けることで、派遣社員側は業務内容を正しく認識でき、就業前の不安の解消や、就業するかどうかの判断がしやすくなります。
また派遣先企業側においては、質疑応答を通して派遣社員が持っているスキルやこなせる業務を正しく認識できます。その結果、職場環境が本人に合うか判断したり、就業後、具体的な仕事を任せるときの参考になったりするのです。
ステップ4と同様、今後、この派遣先企業で働くか判断するための情報を得られるため、派遣先への質問内容は非常に重要です。
派遣先企業に質問・確認しておくべきことは「4.派遣の顔合わせで確認しておくこと」で解説していますので、このあとチェックしておきましょう。
またこのステップでは、前述の通り、派遣先企業からも質問されます。
以下のような内容の質問をされることが多いため、あらかじめ回答を準備しておくとスムーズに回答できます。
- 前職の退職理由
- 就業可能時期
- スキルレベル
- 仕事をするうえで心がけていたこと
回答の仕方やポイントについては、「3-4.先方からの質問に対する回答を用意しておく」で詳しく解説しています。
ただし、派遣先企業からプライバシーや個人情報に関わる質問をされた場合は、回答する必要はありません。なぜなら、派遣先企業が派遣社員の名前や年齢、住所などの個人情報を特定するのは法律で禁じられているからです。
具体的には、以下のような質問をされた場合は、回答を控えても問題ありません。
- 本籍・住所
- 氏名・年齢
- 既婚・未婚の別
- 結婚・出産の予定
- 出身学校名
- 家族構成
- 前職の会社名・退職理由
- 家族の学歴・職業
- 住居とその環境
- 宗教・信条
- 尊敬する人物
- 支持政党・加入団体
- 国籍
2-6.【派遣の顔合わせのステップ6】営業担当者へ派遣先企業に対する意向を伝える
ステップ6は「営業担当者へ派遣先企業に対する意向を伝える」です。
質疑応答が終わり次第、顔合わせは終了となります。
その後、派遣会社の営業担当者から、
- 職場環境は合いそうか
- 業務は遂行できそうか
- 顔合わせした派遣先企業への勤務を希望するかどうか
といった内容のヒアリングを受け、そこで派遣先企業に対する意向を伝えます。
そして営業担当者は派遣社員の意向や、訪問時のやり取りをふまえて、適切な派遣先企業かどうかを判断します。
最終的に、営業担当者が以下の理由で「今回の派遣先が派遣社員にとって適切ではない」と判断するケースもあります。
- 派遣社員に派遣先が求める業務を遂行する能力がないと判断した
- 職場環境が派遣社員に合わないと判断した
- 派遣社員が勤務を希望しなかった
一方で、派遣社員が顔合わせをした派遣先へ就業したい意向があり、営業担当者も「就業が適切である」と判断した場合は、晴れて「就業決定」となります。
このように6つのステップを経て、顔合わせを行い、就業するべきかどうかを派遣社員や派遣会社が決定します。
3.派遣の顔合わせ前にやっておくべき4つの準備
顔合わせでは派遣先の上司となる人や人事担当者と対面で会い、自己紹介をしたり質問に回答したりします。そのためあらかじめ事前準備をしておくことで、当日慌てることなくスムーズに対応でき、安心です。
そこで3章では、派遣の顔合わせ前にやっておくべき準備を以下4つご紹介します。
3-1.服装はスーツもしくはオフィスカジュアルを準備しておく
1つめは「服装はスーツもしくはオフィスカジュアルを準備しておく」ということです。
顔合わせの服装として、一般的にはスーツ・オフィスカジュアルを着ていくと、「社会人として常識がある人だ」と派遣先企業から良い印象を持ってもらえるため、おすすめです。
スーツやオフィスカジュアルは、ビジネスの場面で最も違和感がなく、相手に清潔感を印象付けられます。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)心理学名誉教授アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」では、人の第一印象はおよそ3秒で決まるといいます。また、人が第一印象を決める要素のうち、資格情報は全体の55%を占めているとも言われています。
つまり、派遣先企業からの第一印象を良くするために、見た目=服装を整えることが重要です。
顔合わせは面接ではないとはいえ、これから一緒に働くかもしれない派遣先の上司や人事担当者に良い印象を持ってもらったほう良いでしょう。人として信頼された状態で勤務をスタートでき、働きやすくなります。
そのため、服装の指定がないかぎりは、スーツ、もしくはオフィスカジュアルを準備しておくと良いでしょう。
男女別の望ましいスーツやオフィスカジュアルのチェックリストは以下のとおりです。
男性 |
|
女性 |
|
男女別の望ましいスーツ・オフィスカジュアルの見本は以下の画像を参考にしましょう。
▼【男性・女性】スーツ
▼【男性】オフィスカジュアル
▼【女性】オフィスカジュアル
3-2.身だしなみを整える
2つめは「身だしなみを整える」です。
「3-1.服装はスーツもしくはオフィスカジュアルを準備しておく」でお伝えしたとおり、派遣先企業からの第一印象をよくするには、見た目を整える必要があります。そのため服装だけでなく、髪型やメイク、靴などの身だしなみも整えるようにしましょう。
身だしなみに気をつけるポイントは以下のとおりです。
男性 | |
髪 |
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顔 |
|
足元 |
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その他 |
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女性 | |
髪 |
|
顔 |
|
足元 |
|
その他 |
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3-3.自己紹介の内容を事前に考えておく
3つめは「自己紹介の内容を事前に考えておく」ことです。
そうすることで、顔合わせの際に自己紹介を求められた時に慌てず、スムーズに必要事項を伝えることができます。
一方で自己紹介がスムーズにできないと、派遣先に対して自分の経験やスキルが正確に伝わりません。
「この人に派遣社員として来てもらって大丈夫なのか」と派遣先企業に不安を感じさせてしまいます。
また顔合わせをした派遣先へ勤務することになったとしても、自己紹介が十分にできていないと、派遣先企業が本人のスキルに合わせて業務を任せられず、双方不満を抱えてしまうという結果になりかねません。
そうした事態を避けるためにも、自己紹介の内容は事前に考え、スムーズに話せるようにしておきましょう。
自己紹介は、以下の3つのポイントを押さえてつくると、派遣先企業へわかりやすくスキルや経験を伝えられます。
▼顔合わせ時の自己紹介の3つのポイント
(1)自己紹介の最初は名前を伝える
派遣先企業が派遣社員の名前や年齢、住所などの個人情報を特定するのは法律で禁じられているため、スキルシートに記載されていません。
しかし、時間をつくって顔合わせの機会をつくってくれた派遣先企業の上司や人事担当者に対して、名乗らないのは社会人のマナーとして好ましいとはいえません。
そのため、よほどの事情がない限りは、まずはじめに名前を伝えるようにしましょう。
(2)スキルシートを補足しながら職歴を説明する
顔合わせ時は、その場にいる全員に派遣社員の職歴やスキルが記載された「スキルシート」が配布されます。自己紹介の際は、スキルシートをそのまま読んで職歴を説明するのではなく、担当していた業務の補足情報を入れながら説明しましょう。そうすることで派遣先企業に正しく自身のスキルを伝えられます。
△良くない例:〜〜〜で営業事務をしていました。
◎良い例:〜〜〜の営業事務として◯年間勤務し、Wordでの営業資料の作成、Excelを使った納品物のスケジュール管理などを行っていました。
(3)派遣先企業の業務に関係する職歴を中心に話す
職歴が多かったり、さまざまな職種を経験している場合は、派遣先の業務に関係する職歴やスキルを中心に話すことをおすすめします。派遣先企業は、自社の業務と関係のない職歴に興味はなく「自社でどんな業務を任せられるのか」を気にしています。たとえば、事務職を募集しているのに、接客業の経験やスキルについて詳しく説明されても、派遣先は評価しにくいでしょう。
この場合、接客業の職歴は簡潔に話し、派遣先業務と関係のある一般事務について担当業務まで詳しく伝えると良いでしょう。
●例文
高校卒業後、〜〜〜の接客業を2年間、〜〜のフロアスタッフを2年間行っていました。その後、△△に一般事務として◯年間勤務し、主にWordでの営業資料の作成、Excelを使った納品物のスケジュール管理などを行っていました。
3-4.先方からの質問に対する回答を用意しておく
4つめは「先方からの質問に対する回答を用意しておく」です。
顔合わせでは、聞かれる質問がある程度決まっています。
そのため事前に回答を準備しておくと、当日になって焦らず、スムーズに回答できて安心です。
顔合わせの際に良く聞かれる質問と回答のポイントを以下にお伝えします。
ポイントを押さえながら、自身はどう答えるのかを考えてみましょう。
▼よく聞かれる質問と回答のポイント
◆前職の退職理由
派遣先企業は、できるだけ契約期間満了まで安定して働いて欲しいと考えています。そのため、採用後にすぐ離職しないか、どんなことを理由に退職するのかを確認したい、という意図でこの質問をします。
ネガティブな退職理由であっても、できるだけポジティブな印象を与えるような回答をすることで、長く働いてもらえる人だという印象を与えられます。
◆就業可能時期
派遣先企業は、派遣社員採用後、業務を行ってもらうための準備が必要なため、あらかじめ就業可能時期を確認しておきたいという意図があります。
特に問題がない場合は「即日から就業できます」と伝えることで、早めに働き始められる可能性が高まります。また前職の退職の都合で就業開始が送れる場合は、開始可能時期とその理由をセットで回答すると良いでしょう。
◆スキルレベル
就業後のミスマッチを防ぐため、派遣社員の保有するスキルについて質問されます。たとえば事務職ではWordやExcel、PowerPointといったOfficeソフトについて、使えるソフトの種類や、具体的なスキルレベルを尋ねられます。(Excelでマクロを組めるかどうか、など)
何を使って、どんなことができるのかを、派遣先企業の業務と絡めながら回答すると良いでしょう。
◆仕事をするうえで心がけていたこと
仕事に対する姿勢を質問し、派遣社員の特性を知って、派遣先の業務とマッチするかどうか判断するために質問されます。回答としては、たとえば一般事務の場合「ミスをしないように、わからないことはどれだけ小さいことでも確認することにしていた」と伝えると「信頼して一般事務を頼める人だ、当社の〇〇業務をこなせそう」と派遣先に感じてもらえます。
コツは具体的な事例を出しながら回答をすること。より仕事に対する姿勢が伝わりやすくなります。
4.派遣の顔合わせで確認しておくこと
事前に顔合わせで派遣先企業に確認したいことをまとめておきましょう。
なぜなら今後この派遣先企業で働くかどうか、あらゆる確度から判断するための情報を得て、ミスマッチを防ぐためです。
就業後、「思っていた業務と違った」「会社の雰囲気や考え方と合わなかった」とならないためにも、派遣先企業について知りたいことは、こちらから質問するようにしましょう。
とはいえ、どんなことを派遣社員から確認すればミスマッチを減らせるのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
以下の「ミスマッチを減らすための顔合わせでの確認事項」を参考にして、考えてみましょう。
▼ミスマッチを減らすための顔合わせでの確認事項
◆実際の出勤時間
求人内容に記載された「始業時間」と「実際の出勤時間」に差がないか確認するための質問です。
「始業時間の10分前までに出勤」という決まりがある会社が多い傾向にあります。しかし、会社によっては始業前に清掃の時間を確保するため、始業時間の30分前〜1時間前を出勤時間として設定していることもあるのです。
事前に「実際の出勤時間」を確認しておくことで、出勤時間が早い環境が合わないという人はミスマッチを防ぐことができます。
◆最初に任される業務内容
ミスマッチが起きる理由として「求人内容に記載されていた業務と最初に任される業務が異なっている」というものがあるため、確認することをおすすめします。
というのも、研修として派遣社員に簡易的な業務を行ってもらい、業務に慣れたら本格的な仕事を任せるという派遣先企業もあるからです。求人票には「研修としての簡易的な業務」については記載しておらず、派遣社員が勤務開始後「求人票と違う仕事を任されている、思っていた業務と違う」と感じてしまうケースがあるのです。こうした事態を避けるため、最初に任される業務は事前に確認しておきましょう。
◆急な休みを取得できるかどうか
育児や介護をしている方は、思わぬタイミングで急な休みを取得しなければならないケースが多くあります。そうした場合に派遣先企業が「急な休みは困る」というスタンスでは、働きづらさを感じ、ミスマッチが発生してしまいます。
そのため、急な休みを取らなければならない場面が予想される場合は、事前に聞いておくと良いでしょう。
◆残業の有無や平均残業時間
派遣社員として働く理由は人それぞれですが、「プライベートの時間をしっかり確保したい」「本業は個人事業主で、不安定な収入を補うために副業で派遣社員として本業を圧迫しない程度に働きたい」など、残業をするのは避けたい人は事前に残業の有無や平均残業時間を聞いておくと安心です。
就業後に「思っていたよりも残業が多い」という状況になりミスマッチが発生するのを回避できます。
5.派遣の顔合わせ時に好印象を与える4つのコツ
顔合わせは面接ではなく、「派遣社員が派遣先の仕事内容や雰囲気を把握し、就業するかどうか決めるためのもの」であるとお伝えしました。しかし、顔合わせは派遣先企業とコミュニケーションを取る機会であり、顔合わせ時の印象が勤務後にも響いてきます。
たとえば、顔合わせ時に暗い印象を持たれてしまうと、「この人に仕事を任せて、しっかりやりきってくれるのかな?」とマイナスの印象から勤務スタートとなり、働きづらくなってしまいます。その一方で、顔合わせ時に好印象を与えられれば、プラスの印象から勤務のスタートを切れるので、その後も働きやすくなるでしょう。
そのため、顔合わせ時には好印象を与えることが非常に重要なのです。
そこで5章では、顔合わせ時に好印象を与えるための4つのコツを解説していきます。
5-1.派遣の顔合わせ時に好印象を与えるコツ1 落ち着いた振る舞いを心がける
1つめは「落ち着いた振る舞いを心がける」です。
貧乏ゆすりをしたり、手をこねこね動かしたりするといった行動はしないようにしましょう。
余計な動作が多いと、派遣先企業から「落ち着きのない人だ」「この人に仕事を任せるとミスを連発して周りに迷惑をかけてしまうのでは?」といったマイナスの印象を持たれてしまいます。
そのため、落ち着いた振る舞いを心がけることが重要です。
以下のポイントを押さえることで落ち着いた印象を与え、プラスのイメージを与えられます。顔合わせ前に練習してみましょう。
- 話すトーンを一定に保つ
- ゆっくりと話す
- 体の軸を定め、背筋を伸ばして座る
5-2.派遣の顔合わせ時に好印象を与えるコツ2 笑顔で明るく話す
2つめは「笑顔で明るく話す」です。
派遣先企業にとって、これまでの職歴や保有スキルがどれだけ魅力的であっても、無表情であったり、暗いトーンで話すと印象はよくありません。「業務は任せられても、まわりとのコミュニケーションが円滑にできないのでは?」「お客さんとのやりとりに支障が出ないか?」と懸念を持たれてしまいます。
たとえ勤務をすることになったとしてもマイナスイメージでスタートすることになってしまうのです。
そのため、まずは顔合わせにおいて笑顔を心がけ、明るい発声で話すことをおすすめします。
いきなり顔合わせの場で、笑顔で明るく話すのは簡単ではないため、事前に過髪で自分の表情を見ながら話したり、自分が話す姿をカメラで録画して見返したりして、練習しましょう。
家で練習する場合は、以下の手順で練習することをおすすめします。
- 体や顔の力を抜いて、鏡の前に姿勢良く立つ
- 「い〜」と発生しながら、口角(口の両端)を真横に引く
- その状態のまま、口角を上げ、「え〜」と言いながら逆三角形の口をつくる
- できるだけ逆三角形の口を維持しつつ、口角をあげたまま、「おはようございます」「よろしくおねがいします」と言ってみる
5-3.派遣の顔合わせ時に好印象を与えるコツ3 適度に相槌をうつ
3つめは「適度に相槌をうつ」です。
自分が話しているときに、人は相手から反応がないと不安に感じてしまいます。
顔合わせの時も、派遣先企業の人が話をしている際に派遣社員から全く反応がないと不安に感じますし、「しっかり聞いてくれているのわからない…」「やる気を感じられない…」とマイナスの印象を与えてしまいます。
そのため、適度に相槌を打つようにしましょう。
「ええ」や「はい」といった相槌がビジネスの場では適切です。
5-4.派遣の顔合わせ時に好印象を与えるコツ4 相手の目を見て話す
4つめは「相手の目を見て話す」です。
目を見て話すことによって「相手と対話しようとする積極性」「意志」「自信」が相手に伝わり、良い印象を持ってもらえます。
相手の目を見て話をするのが苦手だという人は、眉間のあたりに視線を向けるだけでも、相手の目を見ているように見せられます。実践してみましょう。
6.まとめ
本記事では派遣の顔合わせとはどういうものなのかについてや、その流れ、事前準備や派遣先企業へ確認するべきことなどを解説しました。
ここで改めて本記事の内容をおさらいしましょう。
◆派遣の顔合わせとは
派遣就業前に派遣先企業と行う面談のこと
◆派遣の顔合わせの目的
派遣社員が派遣先企業の仕事内容や雰囲気を把握し、就業するかどうか決めること
◆派遣の顔合わせの流れ6ステップ
【ステップ1】派遣会社の営業担当者と打ち合わせを行う
【ステップ2】派遣先企業の担当者との対面
【ステップ3】スキルシートをもとに自己紹介をする
【ステップ4】派遣先企業の担当者から仕事内容の説明を受ける
【ステップ5】質疑応答
【ステップ6】営業担当者へ派遣先企業に対する意向を伝える
◆派遣の顔合わせ前にやっておくべき4つの準備
- 服装はスーツもしくはオフィスカジュアルを準備しておく
- 身だしなみを整える
- 自己紹介の内容を事前に考えておく
- 先方からの質問に対する回答を用意しておく
◆派遣の顔合わせで確認しておくこと
- 実際の出勤時間
- 最初に任される業務内容
- 急な休みを取得できるかどうか
- 残業の有無や平均残業時間
◆顔合わせ時に好印象を与える4つのコツ
- 落ち着いた振る舞いを心がける
- 笑顔で明るく話す
- 適度に相槌をうつ
- 相手の目を見て話す
本記事が参考になれば幸いです。
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