派遣の5年ルールとは?無収入を回避する行動4つをニーズ別に解説

FC編集部

『あれ、これ、どうなの?』 疑問やモヤモヤを解消し、 晴れ晴れと日々のお仕事に注力できるよう、 派遣で働く皆様のお役に立てる記事を配信中! ファーストコンテック編集部です。

著者情報
派遣の5年ルールとは?無収入を回避する行動4つをニーズ別に解説

派遣の「5年ルール」とは、一つの派遣会社での就業期間が「通算5年以上」に達し、派遣会社が1回以上「契約更新」すると、「有期雇用派遣(=登録型派遣)」から「無期雇用派遣(=常用型派遣)」に転換できる制度の通称です。

無期雇用派遣になった場合、就業実績の有無にかかわらず、毎月一定の収入が得られるようになる点でメリットがあります。

しかし、多くの派遣会社では「5年ルール」の適用を回避したい意向があり、通算5年の就業期間に達する前に「雇い止め」になるケースが多いです。

あなたも、派遣会社から「派遣の5年ルールによる雇い止め」を宣告されて、この記事にたどり着いたのかもしれませんね。特に懸念点となるのが「無収入に陥る可能性」ではないでしょうか。

本記事は、そのような不安を抱いている方に向けて、派遣会社から5年未満での「契約終了」を通告されたら行う「4つの行動パターン」を解説します。

4つのニーズ別に解説するため、満足度120%の「ベストな行動」がわかります。

【ニーズ別】派遣会社から5年未満での「契約終了」を通告されたら行うべき行動4パターン】

  • 選択肢1
    派遣社員として働き続けたい場合

「別の派遣会社」に登録して「就職活動」を行う
(再び「有期雇用派遣」として働く)
派遣社員として働き続けたい方はこちらをチェック

  • 選択肢2
    安定した収入・安定した雇用を得たい場合

「正社員」を目指して「就職活動」を行う
安定した収入・安定した雇用を得たい方はこちらをチェック

  • 選択肢3
    正社員並みのスキルを身につけたい場合

「契約社員」を目指して「就職活動」を行う
正社員並みのスキルを身につけたい方はこちらをチェック

  • 選択肢4
    派遣よりも自由な働き方で収入を得たくなった場合

「アルバイト(パート)」を目指して「就職活動」を行う
/フリーランスになる
自由な働き方で収入を得たくなった方はこちらをチェック

今の派遣会社との契約が終了する前に、いずれかの行動を取らないと、収入が途絶えてしまう可能性が高いため、注意が必要です。

本記事をチェックして、あなたが理想とする「キャリア設計」を行ってみてください。

「派遣の5年ルールとは何か知りたい」
「5年ルールが適用される際に、自分がとるべき行動を知っておきたい」

という方にとって参考になる記事です。

それでは早速、見ていきましょう。

 

目次

1.派遣の「5年ルール」とは?

派遣の「5年ルール」とは?

まずは「5年ルールとは何か?」について、理解しておきましょう。
冒頭でご説明した通り、派遣の5年ルールの定義は以下の通りです。

【派遣の「5年ルール」とは?】

一つの派遣会社での有期労働期間が「通算5年以上」に達し、なおかつ、派遣会社が1回以上「契約更新」を行うと「有期雇用派遣(=登録型派遣)」から無期雇用派遣(=常用型派遣)に転換できる制度の通称。

やや難しいため、順を追って説明しましょう。

皆さんもご存じの一般的な派遣契約は「有期雇用派遣(=登録型派遣))」と呼ばれるものです。
「有期雇用派遣」は、派遣先企業の要望やプロジェクトにより「1ヵ月~3年未満程度」など、一定期間の就業が原則となります。

しかし、一つの派遣会社のもとで「通算5年以上」就業すると、労働者には、就業期間の定めのない「無期雇用派遣(=常用型派遣)」になる権利が与えられます。

例えば、無期雇用派遣として20万円の月収を得る契約になっている場合。
派遣先企業で働いてる・働いていないにかかわらず、毎月20万円の固定報酬が得られるようになります。

派遣社員の「雇用安定」「安定した収入の確保」を目指した法律にもとづく制度です。
「労働契約法」が2012年に改正され、2013年よりこのルールが始まりました。

5年ルールにおいては、派遣会社に「拒否権」はありません。

労働者からの申し出があった際には「無期雇用派遣」として、労働者を雇うのが義務となっているため、申し出をすれば、必ず「無期雇用派遣」になれます。

ただし、労働者が、申告するか否かは自由なため、そのまま「有期雇用派遣」として働き続けることもできます。

なお、5年ルールは、派遣社員だけでなく、契約社員、パート、アルバイトにも適用されるものです。

「5年ルールの概要を、以下にまとめます。ご覧ください。

【派遣の「5年ルール」の概要】

  • 概要
    一つの派遣会社での有期労働期間が「通算5年以上」に達すると「有期雇用派遣(=登録型派遣)」から「無期雇用派遣(=常用型派遣)」に転換できる制度の通称。
  • 補足事項
    -「無期雇用派遣」になるかは、労働者が自由に決められる(=申請は自由である)
    -労働者からの申請があった場合、派遣会社に「拒否権」はない(=必ず、無期雇用派遣になれる)
    -派遣社員だけでなく、契約社員、パート、アルバイトにも適用される

やや複雑なルールですが、まずは「5年ルール=通算5年以上の就業で無期雇用派遣になれる制度」だと、ご認識いただければと思います。

参考記事:

 

2.「無期雇用派遣(常用型派遣)」とは?

「無期雇用派遣(常用型派遣)」とは?

前項でお伝えした通り、就業期間の定めのない派遣形態のことを「無期雇用派遣(=常用型派遣)」と呼びます。

概要だけ理解すると「正社員のような雇用形態なのだろうか?」と思われるかもしれませんね。
しかし、実際には少し異なります。

そのため、ここでは「無期雇用派遣とは何か?」について深掘りして解説します。

【「無期雇用派遣(常用型派遣)」とは?】

  • 「無期雇用派遣」の定義
  • 「無期雇用派遣」になるメリット1つ
  • 「無期雇用派遣」になる際の注意点2つ
  • 「無期雇用派遣」になるメリット・注意点「比較一覧表」
  • 「無期雇用派遣」とほかの雇用形態の違い「比較一覧表」
  • 「無期雇用派遣」になれない条件3つ

一つずつ、見ていきましょう。

2-1.「無期雇用派遣」の定義

「無期雇用派遣」とは、就業期間の定めのない雇用形態のことです。

この雇用形態になった場合、派遣社員は、毎月決まった収入を安定して得られるようになります。

先述の通り、無期雇用派遣として20万円の月収を得ることになっている場合、派遣先企業で働いてる・働いていないにかかわらず、報酬が得られるようになります。

派遣先企業が定まっていない場合、派遣会社内での事務作業などを行うことが多いです。

2-2.「無期雇用派遣」になるメリット1つ

先述の通り、無期雇用派遣になるメリットは「毎月、決まった収入が得られる」に尽きます。

一般的な、有期雇用派遣の場合、派遣先企業との契約が終了すれば、新たな派遣先企業での就業が決まるまで「無収入」となります。

一方、無期雇用派遣になれば、派遣先企業での就業実績の有無にかかわらず、派遣会社から毎月、報酬が支払われるため「収入が途絶えるかもしれない」といった不安に陥ることがありません。

「正社員のように、安定した収入が確保できるようにしたい」といった方にとって、大きなメリットがある制度といえるでしょう。

2-3.「無期雇用派遣」になる際の注意点2つ

無期雇用派遣には、注意点もあります。

それは、以下の2点です。

  • 「報酬アップ」や「ボーナス」が得られない可能性が高い
  • 「有期雇用派遣」よりも「責任が重くなる」「残業を余儀なくされる」などのリスクがある場合がある

(1)「報酬アップ」や「ボーナス」が得られない可能性が高い

無期雇用派遣は、報酬アップはなかなか見込めません。
特別な事情がない限り、ボーナスも見込めません。

例えば、20万円の月収ならば、5年後も10年後も「20万円の報酬のまま、ボーナスなし」の可能性があります(派遣先企業によって異なります)。

この点は、正社員との大きな違いといえます。
無期雇用派遣は、正社員と似ていますが、厳密には異なる雇用形態なのです。

「継続的な報酬アップが見込めない雇用形態は避けたい」という方には、無期雇用派遣は向かないと考えられます。

(2)「有期雇用派遣」よりも「責任が重くなる」「残業を余儀なくされる」などのリスクがある場合がある

毎月、決まった収入が得られるという点で、「有期雇用派遣」よりも「無期雇用派遣」の方が待遇がよいとみなされやすいです。

そのため、派遣会社によっては、以下のような対応を行う場合があります。

  • それなりの収入なのに、重い責任の仕事を任せる
  • 残業を余儀なくする

正社員よりも、ワークライフバランスが確保しやすいことから派遣社員を選んだ人は「話しが違う」と思う可能性があります。

「責任の重い仕事はしたくない」「ワークライフバランスを重視したい」といった思いが強い方は、注意しましょう。

以上の2点が、無期雇用派遣として働く際の注意点です。

2-4.「無期雇用派遣」になるメリット・注意点「比較一覧表」

ここで、メリットと注意点をまとめます。
それぞれを比較のうえ「無期雇用派遣として働きたいか否か」を検討してみましょう。

【「無期雇用派遣」になるメリット・注意点「比較一覧表」】

メリット

毎月、決まった収入が得られる

注意点

「報酬アップ」や「ボーナス」が得られない可能性が高い

「有期雇用派遣」よりも「責任が重くなる」「残業を余儀なくされる」などのリスクがある場合がある

「無期雇用派遣」が
おすすめな人

  • 正社員のように、安定した収入が確保できるようにしたい人

「無期雇用派遣」を
おすすめしない人

  • 継続的な報酬アップが見込めない雇用形態は避けたい人
  • 責任の重い仕事を避けたい人
  • ワークライフバランスを重視したい人

2-5.「無期雇用派遣」とほかの雇用形態の違い「比較一覧表」

また、これまでの話しを通して「正社員や有期雇用派遣との違いを整理し、違いを把握しておきたい」という方のために「比較一覧表」を簡単にまとめました。以下をご覧ください。

【「無期雇用派遣」とほかの雇用形態の違い「比較一覧表」】

「正社員」
との違い

類似している点:
毎月、決まった収入が得られる

異なる点:
-(派遣会社との契約により)「報酬アップ」や「ボーナス」が見込みづらい場合がある
-退職金はもらえない場合が多い

「有期雇用派遣」
との違い

類似している点:
(派遣会社との契約により)仕事とプライベートのバランスが取りやすい場合がある

異なる点:
-期間の定めのない収入が確約されている
-希望の曜日・日数・時間で働ける
-「責任が重くなる」「残業を余儀なくされる」などのリスクがある場合がある
-転勤や異動がない場合が多い

上記の通り、まとめましたが、あくまでも参考程度としてください。

派遣会社や派遣先企業との契約によって異なることが多いからです。

「自分には、どの就業形態が合っているのか?」の目星をつける際の参考材料にしてみてください。

2-6.「無期雇用派遣」になれない条件3つ

本記事では、一つの派遣会社での有期労働期間が「通算5年以上」に達し、なおかつ、派遣会社が1回以上「契約更新」を行った場合に「無期雇用派遣」申し出ができるとお伝えしました。

上記は基本原則ですが、3つの例外があります。
以下の例外に該当する場合には、上記の条件を満たしていても「無期雇用派遣」になる権利が発生しません。

念のため、押さえておきましょう。

【基本ルール通りに「無期雇用派遣」になれないケース3つ】

大学・研究開発法人などの
研究者・技術者・教員

無期転換ルールの適用年数は5年ではなく「10年」である

高度な専門的技術をもっており、
高収入でなんらかの
プロジェクトに従事する人

プロジェクトが完了するまで、無期転換を申し込む権利が発生しない
例:10年のプロジェクトならば、10年間は無期転換できない

60歳以上で定年後、同一事業主や
高年齢者雇用安定法上の特殊関係事業主に
継続的に雇用されている人

同一事業主や、高年齢者雇用安定法上の特殊関係事業主に継続的に雇用されている期間は、通算契約期間として加算できないている

参考記事:

 

3.「無期雇用派遣」になれる可能性は低い

「無期雇用派遣」になれる可能性は低い

ここまでの記事を通じて「無期雇用派遣になりたい!」と思った方もいると思います。
派遣先企業がみつからなくても、固定報酬が得られる点で、収入が安定するからです。

しかし、現状はどうかといえば、無期雇用派遣になれる可能性は高くないです。
通常、派遣会社での就業が「通算5年」に達する前に「雇い止め」となるケースがほとんどだからです。

なぜならば、無期雇用派遣は、派遣先企業での就業の有無にかかわらず、派遣会社は派遣社員に対して給料を支払い続けなければならず、多少なりとも金銭的なリスクがあるからです。

もちろん、「優秀な派遣を囲い込める」というメリットはあるため、派遣会社側がメリットを感じられる場合には、無期雇用派遣が行われることもありますが、ごく一部の例です(無期雇用派遣を行っているか否かは、派遣会社に確認しましょう)。

あなたは「5年未満での契約終了」を宣告されて、本記事にたどり着いたのかもしれませんね。
とりわけ、収入が途絶えてしまうのは、大きな不安ですよね。

そのため、次章では「5年未満での契約終了を通告された際に行うべき行動」をニーズ別に4つご紹介したいと思います。

ぜひ、チェックしてみてください。

 

4.【ニーズ別】派遣会社から5年未満での「契約終了」を通告されたら行うべき行動4パターン

【ニーズ別】派遣会社から5年未満での「契約終了」を通告されたら行うべき行動4パターン

本章では、「5年未満での契約終了を通告された際にとるべき行動」をニーズ別に4つご紹介します。
あなたが希望するキャリアに合わせて、取るべき行動を選べば、収入ゼロを回避できる可能性が高まります。

【ニーズ別 派遣会社から5年未満での「契約終了」を通告されたら行うべき行動4パターン】

  • 選択肢1
    派遣社員として働き続けたい場合

「別の派遣会社」に登録して「就職活動」を行う
(再び「有期雇用派遣」として働く)

派遣社員として働き続けたい方はこちらをチェック

  • 選択肢2
    安定した収入・安定した雇用を得たい場合

「正社員」を目指して「就職活動」を行う

安定した収入・安定した雇用を得たい方はこちらをチェック

  • 選択肢3
    正社員並みのスキルを身につけたい場合

「契約社員」を目指して「就職活動」を行う

正社員並みのスキルを身につけたい方はこちらをチェック

  • 選択肢4
    派遣よりも自由な働き方で収入を得たくなった場合

「アルバイト(パート)」を目指して「就職活動」を行う
/フリーランスになる

自由な働き方で収入を得たくなった方はこちらをチェック

一つずつ、見ていきましょう。

4-1.選択肢1【派遣社員として働き続けたい場合】別の「派遣会社」に登録して、就職活動を行う(再び「有期雇用派遣」として働く)

おすすめな人

  • 「派遣社員」という働き方が好きな人
  • これまでと同じく、派遣社員として働き続けたい人

おすすめしない人

  • 安定した収入・安定した雇用が得たい気持ちが強い人

「派遣社員」という働き方が好きな方や、これまでと同じく、派遣社員として働き続けたい方は、別の「派遣会社」に登録して、就職活動を行いましょう。

なぜならば、5年ルールの適用上、継続的な就業が難しい可能性が高いからです。

「無期雇用派遣」を行っている派遣会社はそう多くありません。
そのため、この選択肢が、かなり現実的だと考えられます。

派遣という働き方が好きな方は、再び、派遣でのお仕事にまい進しましょう。

4-2.選択肢2【安定した収入・安定した雇用が得たい場合】正社員を目指して「就職活動」を行う

おすすめな人

  • 安定した収入・安定した雇用が得たい人

おすすめしない人

  • 責任の重たい仕事をしたくない人
  • 残業などのリスクがない仕事をしたい人

安定した収入・安定した雇用が得たい場合、正社員を目指して「就職活動」を行うのがおすすめです。

正社員ならば、企業によっては「報酬アップ」や「ボーナスアップ」などが期待できるほか、簡単には「雇い止め」とはならず、比較的安定的に、就業し続けられるからです。

加えて「長期雇用に前向きな派遣会社」に登録するのも手です。

当社、建設業界に特化した派遣会社「ファーストコンテック」もその一社です。
「正社員派遣」という考えを取り入れており、

  • 正社員と同等レベルの安定した収入
  • 充実した福利厚生

などをご提供しております。そのため、多くの派遣社員様から高評価を得ております。

気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

→ファーストコンテックの「正社員(常用型)派遣」とは?

4-3.選択肢3【正社員並みのスキルを身につけたい場合】契約社員を目指して「就職活動」を行う

おすすめな人

  • 正社員を目指しているが、スキルやコミュニケーション面で自信がない人
  • 正社員並みのスキルを身につけて、正社員での採用に向けて準備をしておきたい人

おすすめしない人

  • 正社員並みに責任の重い仕事を請け負いたくない人
  • 残業などのリスクが少ない仕事をしたい人

「正社員を目指しているが、スキルやコミュニケーション面で、まだ自信がない」
「正社員並みのスキルを身につけて、正社員での採用に向けて準備をしておきたい」

といった場合には、契約社員を目指して「就職活動」を行うのが手です。

なぜならば、契約社員は、正社員と同等レベルの業務に携われることが多く、即戦力となるスキルを身につけるのに絶好の雇用形態だからです。

頑張りやスキル、人柄、コミュニケーション能力などが評価されれば、正社員になれる場合も少なくありません。

中長期的には正社員を目指したいが、今は自信がないという方は、契約社員を目指して転職活動を行ってみてはいかがでしょうか。

4-4.選択肢4【派遣よりも自由な働き方で収入を得たくなった場合】アルバイト(パート)を目指して「就職活動」を行う/フリーランスになる

おすすめな人

  • 派遣よりも自由な働き方で収入を得たくなった人
  • 仕事に追われない生活を送りたい人
  • 自分の夢を実現するために、まとまった時間を確保しておきたい人

おすすめしない人

  • 安定した収入を確保したい人
  • 昇給、ボーナス、充実した福利厚生などを受けたい人

派遣よりも自由な働き方で収入を得たくなった場合には、アルバイト(パート)での就業を目指して「就職活動」を行いましょう。

もしくは、フリーランスになるという選択肢も考えられます。

なぜならば、アルバイト(パート)もフリーランスも、自分自身の働きやすさを優先して、労働時間をフレキシブルに決められるからです。

「仕事に追われない生活を送りたい」といった場合や「自分の夢を実現するために、まとまった時間を確保しておきたい」といった場合には、この選択肢がピッタリだと考えられます。

以上の通り、5年ルールの適用前に行う行動パターンを4つ紹介しました。
いずれか、ご自身のニーズに合った行動を選んで、理想のキャリアプランを練ってみてください。

 

5.よく耳にする派遣の「3年ルール」とは?

よく耳にする派遣の「3年ルール」とは?

ここまでの記事を通じて、派遣契約における「5年ルール」については、理解が深まったのではないでしょうか。

しかしなかには、

「よく耳にする3年ルールについて知りたい」
「3年ルールとの違いについても把握しておきたい」

という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのため、本章では「3年ルールとは何か」「3年ルールが適用された場合にとるべき行動」について解説します。

【よく耳にする「3年ルール」とは?】

  • 3年ルールとは?
  • 「3年ルール」と「5年ルール」の違い「比較一覧表」
  • 【ニーズ別】「3年ルール」を踏まえて行うべき行動7パターン

一つずつ、みていきましょう。

5-1.派遣の3年ルールの定義

2015年の派遣法改正より、このルールが誕生しました。
定義は以下の通りです。

【「3年ルール」の定義】

有期雇用派遣(=登録型派遣)として、同一の職場・部署で働ける期間を「3年未満」とすること。

例えば、ある派遣社員Aさんが、編集・ライティングの仕事にて「B社」で就業する場合、3年以上継続して、B社で働き続けられないということです。

このケースの場合、Aさんは、B社での就業が通算3年が経過する前に、以下のような対処を行うことになります。

  • 派遣先企業への「直接雇用(=正社員、契約社員、アルバイトなど)」を打診する
  • 派遣会社に「新たな派遣先企業」「別の部署での仕事」等を紹介してもらう
  • 派遣会社に「無期雇用派遣」への切り替えを相談する

詳しくは「【ニーズ別】「3年ルール」を踏まえて行うべき行動7パターン」で解説しますので、そちらをご覧ください。

3年ルールは、5年ルールと同様「雇用の安定化措置」の一環として行われるものです。

「3年近くも同じ職場で働いている以上、その職場への適性・スキルが認められるだろう。企業との直接雇用や、無期雇用への切り替えを行うなどして、安定した就労環境を整えてあげるべきだ」という厚生労働省としての考えが読み取れます。

3年ルールの適用は、派遣会社に義務付けられています。
そのため、必ず、いずれかの処遇を受けることになると、理解しておきましょう。

そうしたなかで、注意すべきなのが「雇い止め」になるリスクです。
派遣社員や派遣会社に「継続」の意志がない場合、収入が途絶えてしまうからです。

5-3.【ニーズ別】「3年ルール」を踏まえて行う行動7パターン」で、収入が途絶えてしまうリスクを軽減するための行動を詳述しています。あわせて、ご覧ください。

また、3年ルールは「5年ルール」と異なり、派遣社員だけに適用される制度です。
契約社員やパート、アルバイトには適用されないルールだということも知っておきましょう。

3年ルールの概要を、以下にまとめます。ご覧ください。

【派遣の「3年ルール」とは?】

  • 概要
    有期雇用派遣(=登録型派遣)として、同一の職場・部署で働ける期間を「3年未満」とすること。
  • 補足事項
    -派遣社員や派遣会社に「継続」の意志がない場合、収入が途絶えてしまうリスクがある
    -派遣社員だけに適用される(契約社員、パート、アルバイトには適用されない)

やや複雑に感じられるかもしれませんが、ひとまず「3年ルール=派遣社員が同一の職場や部署で働けるのは3年未満」だと、ご理解いただければと思います。

5-2.派遣の「3年ルール」と「5年ルール」の違い「比較一覧表」

「3年ルール」と「5年ルール」の違いを、今一度、確認しておきましょう。
以下の一覧表にまとめましたので、ご確認ください。

【「3年ルール」と「5年ルール」の違い「比較一覧表」】

5年ルール

3年ルール

  • 概要
    一つの派遣会社での有期労働期間が「通算5年以上」に達し、なおかつ、派遣会社が1回以上「契約更新」を行うと「有期雇用派遣(=登録型派遣)」から「無期雇用派遣(=常用型派遣)」に転換できること
  • 概要
    有期雇用派遣(=登録型派遣)として、同一の職場・部署で働ける期間は「3年未満」であること
  • 目的
    雇用の安定化措置
    (=労働者の収入を安定させるため)
  • 目的
    雇用の安定化措置
    (=派遣社員の収入を安定させるため)
  • 適用される対象者
    派遣社員、契約社員、アルバイト、パート
  • 適用される対象者
    派遣社員のみ

いずれも、派遣社員として働く以上、かかわる可能性の高いルールです。
ぜひ、頭に入れておきましょうね。

5-3.【ニーズ別】「3年ルール」を踏まえて行う行動7パターン

「3年ルール」の制度上、派遣会社から「3年ルールの適用」に関する話しが出た場合、なるべく早いタイミングで「今後の就業に関する意志」を伝えることが大切です。

そうすれば、あなたの意向に沿った就業形態で働き続けられるからです。
収入が途絶えるリスクも減らすことができます。

あなたがとるべき行動パターンとしては、以下の7つあります。
ご自身の意向を踏まえつつ、派遣会社と相談して、とる行動を決めるとスムーズでしょう。

【ニーズ別 「3年ルール」を踏まえて行う行動7パターン】

派遣社員の「ニーズ・願望」

「ニーズ・願望」に応じた行動パターン

  • 選択肢1
    派遣先企業の「社風」を気に入っている場合

派遣会社に「別の部署」の求人を紹介してもらう(=別の部署ならば、3年ルールに抵触しないため)

  • 選択肢2
    派遣として働き続けたい場合

派遣会社に「別の派遣先の会社」を紹介してもらう

  • 選択肢3
    同じ職場・部署で働き続けたい場合

派遣先企業に「直接雇用」を依頼する(正社員、契約社員、パート、アルバイトなどさまざまな雇用契約がありうる)

  • 選択肢4
    毎月、安定した「固定収入」を得たい場合①

派遣会社に「無期雇用派遣」になりたい旨を相談する

  • 選択肢5
    毎月、安定した「固定収入」を得たい場合②

正社員を目指して「就職活動」を行う

  • 選択肢6
    正社員並みのスキルを身につけて将来的に活躍したい場合

契約社員を目指して「就職活動」を行う

  • 選択肢7
    派遣よりも自由な働き方で収入を得たくなった場合

アルバイト(パート)を目指して「就職活動」を行う
/フリーランスを目指す

 

6.まとめ

いかがでしたか。
派遣における「5年ルール」について、理解が深まりましたでしょうか。

ここで、本記事の内容を整理します。

  • 派遣の「5年ルール」の定義は以下の通りです。
    一つの派遣会社での有期労働期間が「通算5年以上」に達し、なおかつ、派遣会社が1回以上「契約更新」を行うと「有期雇用派遣(=登録型派遣)」から「無期雇用派遣(=常用型派遣)」に転換できる制度の通称。

  • 「無期雇用派遣(常用型派遣)」の定義は以下の通りです。
    就業期間の定めのない雇用形態のこと

  • 「無期雇用派遣」になれる可能性は低いです。その理由は以下の通りです。
    なぜならば、無期雇用派遣は、派遣先企業での就業の有無にかかわらず、派遣会社は派遣会社に対して給料を支払い続けなければならず、多少なりとも金銭的なリスクがあるから

  • 【ニーズ別】派遣会社から5年未満での「契約終了」を通告されたら行うべき行動は以下の通りです。

【ニーズ別派遣会社から5年未満での「契約終了」を通告されたら行うべき行動4パターン】

  • 選択肢1
    派遣社員として働き続けたい場合

「別の派遣会社」に登録して「就職活動」を行う
(再び「有期雇用派遣」として働く)

  • 選択肢2
    安定した収入・安定した雇用を得たい場合

「正社員」を目指して「就職活動」を行う

  • 選択肢3
    正社員並みのスキルを身につけたい場合

「契約社員」を目指して「就職活動」を行う

  • 選択肢4
    派遣よりも自由な働き方で収入を得たくなった場合

「アルバイト(パート)」を目指して「就職活動」を行う
/フリーランスになる

  • よく耳にする「3年ルール」の定義は以下の通りです。
    有期雇用派遣(=登録型派遣)として、同一の職場・部署で働ける期間を「3年未満」とすること
  • 3年ルールを踏まえて、取るべき行動は以下の7パターンです。

【ニーズ別「3年ルール」を踏まえて行う行動7パターン】

派遣社員の「ニーズ・願望」

「ニーズ・願望」に応じた行動パターン

  • 選択肢1
    派遣先企業の「社風」を気に入っている場合

派遣会社に「別の部署」の求人を紹介してもらう(=別の部署ならば、3年ルールに抵触しないため)

  • 選択肢2
    派遣として働き続けたい場合

派遣会社に「別の派遣先の会社」を紹介してもらう

  • 選択肢3
    同じ職場・部署で働き続けたい場合

派遣先企業に「直接雇用」を依頼する(正社員、契約社員、パート、アルバイトなどさまざまな雇用契約がありうる)

  • 選択肢4
    毎月、安定した「固定収入」を得たい場合(1)

派遣会社に「無期雇用派遣」になりたい旨を相談する

  • 選択肢5
    毎月、安定した「固定収入」を得たい場合(2)

正社員を目指して「就職活動」を行う

  • 選択肢6
    正社員並みのスキルを身につけて将来的に活躍したい場合

契約社員を目指して「就職活動」を行う

  • 選択肢7
    派遣よりも自由な働き方で収入を得たくなった場合

アルバイト(パート)を目指して「就職活動」を行う
/フリーランスを目指す

派遣会社では「5年ルール」の適用により、5年未満での「雇い止め」となるケースが少なくありません
本記事を参考にして、収入の維持・確保に努めてみてください。

派遣の「5年ルール」について知りたい方のお力になれましたら幸いです。