10分でわかる建築業界の施工管理|仕事内容・待遇・資格を徹底解説

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10分でわかる建築業界の施工管理|仕事内容・待遇・資格を徹底解説

「建築業界の施工管理ってどのような仕事?」
「施工管理は未経験でもできる?女性でも働ける?」

就職や転職を検討中の人の中には、施工管理が気になるけれど仕事内容がわからないという人もいるでしょう。

施工管理とは、簡単に言うと工事が安全かつスムーズに進むように管理することです。

具体的には、以下のような管理を行います。

【施工管理の仕事】

原価管理

予算を超過しないように人件費や資材費の原価管理を行う

工程管理

予算内で施工するために、工法計画・作業員手配・機材や重機手配などのスケジュールを管理する

品質管理

建築物の品質が基準以上になるように、資材の確認や対象となる項目の試験を実施する

安全管理

事故を未然に防ぐための対策を行う

このように見ると業務の幅が広く、難しそうな仕事に思えます。

しかし、未経験から働くことが可能で、資格を取得すればキャリアアップも目指せる業種です。デスクワークも多く、作業員のように常に身体を動かす職業ではないため、女性にもおすすめです。

施工管理のキャリアアップに欠かせない資格には、多くの種類があります。

そのため、自分が将来的にどのようになりたいかを描けていないと、取得する資格を間違えたり、将来的にやってみたい道に繋がらない企業に就職してしまったりする可能性があります。

そこで、本記事では以下の内容を詳しく解説します。

【本記事のポイント】

  • 施工管理とはどのような仕事かがわかる
  • 施工管理の待遇や仕事環境がわかる
  • 施工管理の資格の種類による違いがわかる
  • 施工管理でキャリアアップするにはどうすべきかがわかる

この記事を読むことで、施工管理の具体的な業務内容やスケジュールがわかり、どのようにキャリアプランを構築すべきかが理解できます

施工管理の仕事が自分に合いそうか判断し、入社後にギャップを感じて後悔しないためにも、施工管理とはどのような仕事なのかについて理解を深めましょう。

 

1.建築業界における施工管理とは現場全体を管理すること

建築業界における施工管理とは現場全体を管理すること

建築業界における施工管理とは、建築現場で施工が適切に行われるように技術者を指揮監督し、工事全体を管理することです。

工事前には、施工図を基に使用機材・作業員数・工期を検討して施工計画を立て、下請けの選定や工事費の調整などを担います。

また、工事開始後は進捗状況を常に追いながら工事の品質を確認し、作業方法の検討や作業員の教育などの安全管理も行います。

工事終了後は所定の手続きを行い、発注者に建築物を引き渡すまでが仕事です。

次章で、より詳しい仕事内容を解説します。

施工管理と現場監督の違い

施工管理の仕事内容を聞いて「ようは、現場監督のことか」と感じた人もいるでしょう。しかし、両者には以下のような違いがあります。

【施工管理と現場監督の違い】

施工管理と現場監督の違い

企業によっては、施工管理を現場監督と呼ぶケースもありますが、正確には上記のような違いがあることを理解しておきましょう。

 

2.建築業界における施工管理の仕事内容は4種類

建築業界における施工管理の仕事内容は4種類

先ほど、大まかに施工管理の仕事について解説しましたが、より施工管理の仕事内容がイメージできるように、より詳しく見ていきましょう。

施工管理の仕事は、以下の4つに分類できます。

【施工管理の仕事】

  • 原価管理
  • 工程管理
  • 品質管理
  • 安全管理

では、それぞれどのような仕事なのかについて、詳しく解説していきます。

2-1.原価管理

工事には必ず予算があります。

その予算内に収めるために、人件費・資材費などの原価を計算するのも施工管理の仕事です。

具体的には、以下のようなことを行います。

  • 予算に合わせて現場でレンタルする備品や機器、事務所用プレハブなどのグレードを調整
  • 工事が進むにつれて作業員も入れ替わるため、各工程の人件費や外注費を計算・調整

工事は、悪天候の影響を受けるなど、必ずスケジュール通りに進むとは限りません。工期が伸びれば人件費などもかさみます。

そのため、何かしらトラブルが起きた際には計画や工程を見直して、予算を超過しないように管理を行います

2-2.工程管理

施工管理は、予算内で安全かつスムーズに施工するために、工法の計画・作業員の手配・機材や重機の手配などの予定を組みます

原価管理で前述したように、工事を予算内に収めるにはスケジュール管理が必須です。

工事を遅らせないためには綿密な確認が必要で、作業員や協力業者など、多くの人とコミュニケーションを取る必要があります。

工事開始後は進捗状況を常に把握し、場合によってはスケジュールや計画の調整を行います。

2-3.品質管理

建物の品質を管理するのも、施工管理の大切な役割です。

建築工事の品質とは、建物の強度や密度のことです。地方自治体ごとに品質基準が決められており、設計図や仕様書通りの品質を達成しなければなりません

施工管理は、資材の寸法や品質が条件を満たしているかの確認や、対象となる項目の試験を実施して、長期的に高い品質を維持できるように管理します。

2-4.安全管理

工事の品質・工期・予算などの管理だけでなく、現場で働く作業員の安全を確保することも施工管理の仕事です。

高所作業や危険な機器を使用する工事現場で働く人は、常に危険と隣り合わせと言えます。作業員の安全を確保し、現場で事故が起こらないようにしなければなりません。

具体的に、以下のようなことを行います。

【安全管理として行う業務】

  • 消火器の設置
  • 使用機材の点検
  • 作業員への安全教育
  • 作業員の健康管理
  • 安全パトロール

施工管理は、さまざまな角度から、事故を未然に防ぐための対策を行います。

 

3.建築業界における施工管理の待遇・仕事環境【1日のスケジュール例付き】

建築業界における施工管理の待遇・仕事環境【1日のスケジュール例付き】

ここまで施工管理の仕事内容について解説してきましたが、待遇や仕事環境が気になるという人は多いでしょう。

そこで、施工管理の仕事について、以下の内容をまとめました。

  • 施工管理の平均年収
  • 施工管理の平均労働時間
  • 施工管理のひと月の休日数
  • 施工管理の1日の主なスケジュール

では、それぞれの情報を詳しく見ていきましょう。

3-1.施工管理の平均年収は約586.2万円

職業情報提供サイト「job tag」によると、建築施工管理技術者の平均年収は約586.2万円です。

4.施工管理は未経験や女性でも働ける?資格の必要性と種類」で詳しく解説しますが、施工管理の資格には建築の他に電気や土木といった種類があり、どの資格を取得してどの施工管理を行うかで平均年収は多少異なります。

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、一般の給与所得者1人あたりの平均給与は443万円です。

建築施工管理技術者の平均給与は高めであると言えるでしょう。

3-2.施工管理のひと月の平均労働時間は約170時間

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、建築施工管理技術者のひと月の平均労働時間は約170時間です。

稼働日数を20日とした場合、1日あたりの稼働時間は8.5時間になります。

ただし、上記はあくまでも決められた労働時間です。残業時間が含まれているかの記載はないため、実際には、さらに拘束時間が長い可能性があります。

工事現場は朝が早く夕方に終わるケースが多く、工事終了後に事務作業を行う必要があるため、労働時間はやや長めです。

また、平均労働時間は都道府県によっても異なります。

【平均労働時間がもっとも多い・少ない県】

県名

月間平均労働時間

もっとも多い

宮崎

191時間

もっとも少ない

青森/福井/高知

163時間

出典:job tag

もっとも多い県と少ない県では、平均労働時間が30時間近くも差があるのです。

3-3.施工管理のひと月の休日数は平均約7日

施工管理の1か月の休日数は、平均7日ほどです。つまり、週に2日休める日と週に1日しか休めない日があるということです。

特に繁忙期は休日が週1日になることも多いようですが、企業によっては週2日の休日を確実に取らせるようにしてくれるところもあります。

では、2023年3月現在の求人情報も見てみましょう。

年間休日

週休

A社

124日

完全週休2日制

B社

105日

土(隔週)・日

C社

120日以上

シフト制(8日/4週)

このように、企業によって休日の取り方は大きく異なります。

確実に週2日休みたい場合は、「週休2日制」ではなく、完全週休2日制のところを選ぶといいでしょう。

3-4.施工管理の1日の主なスケジュール

施工管理は、時期や現場によって1日のスケジュールが異なります。どのような流れで仕事を行うのかを知るために、以下のパターンでスケジュール例を見てみましょう。

・一般的なスケジュール例

  • 繁忙期のスケジュール例
  • 夜間工事のスケジュール例
  • ハウスメーカー施工管理のスケジュール例

では、具体的なスケジュールを紹介していきます。

3-4-1.一般的なスケジュール例

繁忙期ではない時期の一般的なスケジュール例は、以下の通りです。

【一般的なスケジュール例】

7:00

出勤して朝礼の準備

8:00

朝礼

8:30

工事開始・見回り・写真撮影・指示出し・現場の清掃

12:00

昼食

13:00

昼礼・打ち合わせ・見回り・事務作業

17:30

工事終了・事務作業

20:00

退勤

朝出勤をしたら、まず朝礼の準備を行います。朝礼ではその日の工事内容やスケジュールの伝達や危険箇所のチェック、ラジオ体操を行います。

品質や安全管理のために現場の見回りをし、指示出しや書類作成用の写真撮影をおこないます。経験が浅い新人の場合は、現場の清掃を行うこともあります。

3-4-2.繁忙期のスケジュール例

繁忙期は残業が多くなることもあります。主なスケジュールは以下の通りです。

【繁忙期のスケジュール例】

7:00

出勤して朝礼の準備

8:00

朝礼

8:30

工事開始・見回り・写真撮影・指示出し

12:00

昼食

13:00

昼礼・打ち合わせ・見回り・事務作業

17:30

工事終了・事務作業

22:00

退勤

特に、工期の終わりが近づくと、書類の作成などに時間を取られやすくなります。

工事の時間が長引くことはありませんが、その後の事務作業に時間を取られ、残業になるケースもあることを覚えておきましょう。

3-4-3.夜間工事のスケジュール例

商業施設のような、人の出入りが激しい場所や日中の工事が難しい場所は、夜間に工事を行うケースもあります。

一般的に、夜間のみではなく、通常の日勤を行った後に仮眠をし、夜勤に従事するという流れです。

【夜間工事のスケジュール例】

7:00

出勤して朝礼の準備

8:00

朝礼

8:30

工事開始・見回り・写真撮影・指示出し

12:00

昼食

13:00

昼礼・打ち合わせ・見回り・事務作業

17:30

工事終了・事務作業

19:00

一時帰宅・仮眠

23:00

再出勤

23:30

夜間工事開始・見回り・写真撮影・指示出し

5:00

工事終了・事務作業

7:00

退勤

仮眠を取る時間は設けられますが、24時間働くようなスケジュールになります。

夜勤明けは休日になるケースが多く、深夜割増賃金として1.25倍の給料が支給されるため、身体には負担がかかりますがメリットもあります。

3-4-4.ハウスメーカー施工管理のスケジュール例

ハウスメーカーの施工管理として働く場合は、複数の現場を掛け持ちするのが一般的です。そのため、現場の移動があるスケジュールになります。

【ハウスメーカー施工管理のスケジュール例】

7:00

出勤して朝礼の準備

8:00

朝礼

8:30

工事開始・見回り・指示出し

10:00

現場の移動・見回り・指示出し

12:00

昼食

13:00

現場の移動・見回り・指示出し

15:00

現場の移動・見回り・指示出し

17:30

工事終了・事務作業

20:00

退勤

 このように、1日に複数個所の現場を見回り、指示出しを行います。

企業によってどのような建築現場が多いかは異なる

4つのケース別でスケジュール例を紹介しましたが、企業によってどのような現場が多いかは異なります

民間工事の商業施設などの建物だけでなく、公共工事による駅や公共施設など、さまざまな現場があります。

企業によっては公共工事をメインに請け負っていたり、鉄道会社の工事のみを請け負っていたりします。そのような企業の場合、公共工事は年末から年明けに忙しくなる傾向があり、鉄道会社の工事は夜間工事が多くなる可能性が高いでしょう。

働きたい会社を探す際には、どのような工事をメインに受注している企業かを確認しておくことが重要です。

 

4.建築業界の施工管理は未経験や女性でも働ける?資格の必要性と種類

建築業界の施工管理は未経験や女性でも働ける?資格の必要性と種類

施工管理の仕事範囲は非常に幅広く、
「資格なしの未経験では働けない?」
「女性には厳しいのかな?」
と感じた人もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、資格なしの未経験からでも働くことは可能です。

原価管理やスケジュール管理といった細やかな管理が必要であるため、女性にもおすすめの職業です。

とはいえ、施工管理の仕事を継続するのであれば、就職後に資格取得は必須と言えます。

施工管理を目指すときに、なぜ資格の取得をしなければならないか、資格にはどのような種類があるのかについて解説していきますので、理解しておきましょう。

4-1.未経験でも働けるが施工管理の資格はいずれ必要になる

前述した通り、施工管理は未経験でも働くことは可能です。

しかし、どのような現場の管理もできるようになるには、施工管理技士」という国家資格が必要です。施工管理として就職・転職した場合、会社から資格の取得を指示されるケースも多くあります。

建築業界の施工管理技士には、以下の4種類があります。

【施工管理技士の種類】

建築施工管理技士
1級2級

マンション・戸建・ビルなどの
さまざまな建物の建築・改修工事の施工管理を行う資格

建設機械施工管理技士
1級・2級

ブルドーザーなどの
重機を用いる工事の施工管理を行う資格

電気工事施工管理技士
1級2級

電気設備の新設・改修といった
電気工事の施工管理を行う資格

電気通信工事施工管理技士
1級2級

放送機器の設置工事や携帯電話基地局の設備工事といった
電気工事の施工管理を行う資格

このように、資格によって施工管理できる内容が異なるのです。

建物を立てる現場の施工管理がしたいのであれば、「建築施工管理技士」を取得しましょう。例えば、ハウスメーカーに勤務する場合は、戸建などの建物の建築なので、「建築施工管理技士」の資格を取ることになります。

建築機械や電気工事関連の施工管理資格は、就職・転職する企業によっては必要になります。このような資格があるということだけ覚えておきましょう。

建築施工管理技士は、実務経験を積めば2級を取得せずに1級を受験することが可能です。しかし、2級を取得しておくことで1級を取得するために必要な実務経験年数が2年減るため、未経験で入社する人はまず2級を目指しましょう。

4-2.資格を選ぶ際は将来なりたいキャリアプランを描いて選ぼう

建築業界で施工管理の仕事がしたいのであれば、ほぼ間違いなく入社後に建築施工管理技士の資格を取得することになります。

なぜなら、施工管理の現場で責任者の立場になるには施工管理技士の資格が必要だからです。入社後に資格を取得するよう会社から言われるケースも少なくありません。

建築施工管理技士は、以下のように入社後から実務経験を積んで2級を取得し、さらなる実務経験を積んで1級を取得します。

【建築施工管理技士のキャリアプラン】

建築施工管理技士のキャリアプラン

建築施工管理技士の1級と2級では、以下のように業務範囲が異なります。

1級施工管理技士

  • 主任技術者/監理技術者になれる
  • 外注総額4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)の現場に携われる

2級施工管理技士

  • 主任技術者になれる
  • 外注総額4,000万円未満(建築一式工事は6,000万円未満)の現場に携われる

大きな現場の施工管理をする場合、1級が必須になります。また、2級・1級と取得していくことで携われる現場が増えるため、資格手当や昇給も期待できます。

他の施工管理技士の資格も、受験資格として実務経験が必要です。特に1級の場合は、学歴によって年数は異なりますが、実務経験がなければ受験ができないケースがほとんどです。

しかし、2級の場合は実務経験なしでも高卒以上であれば受験できるものもあります。就職に有利になることから、資格を取得しておきたいと考える人もいるでしょう。

就職・転職を希望する企業が扱う工事によって取得すべき資格は異なるため、最終的に目指すものは何かを考え、それを叶えられる企業と資格を選びましょう。

4-3.どの資格でもなるべく1級取得を目指そう

施工管理でキャリアアップを狙うなら、1級の取得は必須と言えます。1級を持っているかどうかで、施工管理ができる現場が異なるからです。

例えば、「建築施工管理技士」の場合は、1級でなければ請負金額4,000万円以上の建築現場を受け持つことができません。反対に、1級を持っていれば、担当できる現場の制限がなくなるということです。

施工管理技士の資格は、学歴がなくても実務経験を積めば受験できます。就職・転職後に働きながら1級の資格取得を目指しましょう。

また、大手企業の場合はキャリア採用を行なっているところもあり、条件として実務経験と施工管理技士1級が求められることがあります。

将来的に大手企業への就職を目指したい場合も、実務経験と資格取得が重要になるでしょう。

 

5.建築業界における施工管理のやりがい3つ

建築業界における施工管理のやりがい3つ

施工管理は責任が大きく、業務範囲も広い仕事です。そのため、大変そうというイメージが先行しがちですが、以下のようなやりがいを得ることができます。

  • 工事に携わった建築物が形に残る
  • 職人たちと信頼関係を築くことができる
  • 着実に経験を積むことで給料アップが見込める

では、これらのやりがいを詳しく解説していきます。

5-1.工事に携わった建築物が形に残る

施工管理に限ったことではありませんが、建築業界は仕事として関わったものが「建物」として形に残ります。

特に施工管理の場合は、現場を指揮しながら全体を管理するため、建物が出来上がった際には達成感もひとしおでしょう。

また、建物として長い年月残るので、近くを通りかかった際には「自分が指揮をして工事した」という誇らしい思い出も蘇ります。

5-2.職人たちと信頼関係を築くことができる

工事現場の作業員、つまり職人から信頼を得られることもやりがいと言えます。

職人には最初からフレンドリーに接してくれる人もいますが、職人かたぎな人も少なくありません。そのような人とも信頼関係を築けるということは、仕事が認められたも同然だからです。

最初はあまりいい関係性を築けていなくても、自分が懸命に施工管理の仕事を行う姿勢を見せることで、職人から認めてもらえることもあります。

建築現場は、職人や関係者がいて、現場を管理する施工管理がいてはじめて成り立つものです。信頼関係を築くことで協力しやすくなり、施工もスムーズに進められるようになるでしょう。

5-3.着実に経験を積むことで給料アップが見込める

施工管理の仕事は、多くの現場を経験しながら経験を積んでいくことで、給料アップが見込めます

さまざまな現場を経験することで、判断力の的確さやトラブルへの対応力が身につき、徐々に大きな現場を任せてもらえるようになります。

さらに、資格を取得することで昇進できたり、資格がなければ担当できない現場を任せてもらえたりするようになるでしょう。

 

6.建築業界における施工管理の仕事が向いているケース3つ

建築業界における施工管理の仕事が向いているケース3つ

施工管理の仕事が向いているのは、以下のような人です。

【施工管理が向いている人】

  • コミュニケーション能力が高い人
  • デスクワークが得意な人
  • スケジュール管理が得意な人

施工管理は、関係業者や作業員など多くの人とのやりとりを行います。いい関係を築くためのコミュニケーション能力は、重要です。

また、現場の指揮監督だけでなくデスクワークも多いため、デスクワークが得意な人にも向いているでしょう。

さらに進捗状況を把握しながら工事を管理しなければならないため、スケジュール管理が得意な人にもおすすめです。

これらのことからわかるように、施工管理は女性でもやりやすい仕事です。実際に、施工管理技士の資格取得者の女性比率は徐々に増えています

【施工管理技士の女性比率】

2021年

6.5%

2022年

8.4%

参考:日建学院|2022年度 1級建築施工管理技士 二次検定 合格発表/1級建築施工管理技士|とらの巻

今後は、女性が現場で活躍することも増えるのではないでしょうか。

 

7.施工管理でキャリアアップするための2STEP

施工管理でキャリアアップするための2STEP

未経験から施工管理でキャリアアップするためには、以下のステップを踏む必要があります。

  • STEP1 主任技術者になる
  • STEP2 監理技術者になる

では、ステップごとに何を目標にすべきかについて解説します。具体的にキャリアプランを立てる際の参考にしてください。

7-1.主任技術者になる

まず、未経験で入社した場合、実務経験を積む必要があります。

いきなり施工管理をすべて任されることはないので、先輩や上司の補助的な業務を行い、現場の経験を積んでいきましょう

施工管理技士2級の資格取得に向けて勉強も並行して行い、受験資格を満たすまで実務経験を得られたら取得しておきます。

数年の経験を積んで2級を取得すれば、主任技術者として現場を任されるようになるはずです。責任者としての経験を積み、業務に慣れてください。

7-2.監理技術者になる

主任技術者として実務経験を積みながら、施工管理技士1級の勉強も行います。

受験資格を満たしたら1級を取得し、より大きな現場で監理技術者になることを目標にしましょう。

学歴にもよりますが、1級の取得は実務経験が10年以上必要な場合もあるので、地道に経験を積んでいくことが大切です。

 

8.まとめ

本記事では、建築業界の施工管理について解説しました。要点を振り返ってみましょう。

▼施工管理の仕事内容

建築現場で施工が適切に行われるように技術者を指揮監督し、工事全体を管理すること

具体的には、以下のような管理を行います。

原価管理

予算を超過しないように人件費や資材費の原価管理を行う

工程管理

予算内施工するために、工法計画・作業員手配・機材や重機手配などのスケジュールを管理する

品質管理

建築物の品質が基準以上になるように、資材の確認や対象となる項目の試験を実施する

安全管理

事故を未然に防ぐための対策を行う

未経験でも働くことが可能で、デスクワークが必要なため女性でも働けます。

資格は以下の種類があり、将来的にどのような建築に関わりたいかで取得すべきものが違います。

▼施工管理の資格

建築施工管理技士
1級2級

マンション・戸建・ビルなどの

さまざまな建物の建築・改修工事の施工管理を行う資格

建設機械施工管理技士
1級・2級

ブルドーザーなどの
重機を用いる工事の施工管理を行う資格

電気工事施工管理技士
1級2級

電気設備の新設・改修といった
電気工事の施工管理を行う資格

電気通信工事施工管理技士
1級2級

放送機器の設置工事や携帯電話基地局の設備工事といった
電気工事の施工管理を行う資格

資格の取得には、実務経験が必要です。

施工管理は以下のようにキャリアアップしていきます。

▼施工管理のキャリアアップ

  • STEP1 主任技術者になる
  • STEP2 監理技術者になる

実務経験を積みながら資格を取得し、大きな現場を担当できるようになりましょう。