「工事担任者の難易度が知りたい!自力で勉強して受かるかな?」
「工事担任者にも種類があるけどどれが一番難しいの?受ける順番は決まっている?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか。
工事担任者には、5つの種類があります。
- 第一級アナログ通信
- 第二級アナログ通信
- 第一級デジタル通信
- 第二級デジタル通信
- 総合通信
難易度で示すと、次のようになります。
5つの種類とも学歴、年齢、経験に関係なく誰でも受験できます。受ける順番にも決まりはありません。
とはいえ、
「自分は何を受験すればいいのか? 」
「アナログとデジタルはどちらを選べばいいのか? 」
「難しいってどれくらい難しいのか?」
などと、判断が難しいですよね。
そこで本記事では、工事担任者試験の難易度を多角的に探っていきます。
- 資格別難易度
- 合格率からみた難易度
- 試験範囲からみた難易度
- 他の資格との比較からみた難易度
また、「第一級」や「総合通信」は簡単にとれる資格ではありませんが、実は工事担任者試験には、難易度を下げる裏技があります。
それは、科目免除制度を利用する方法です。後半では、この科目免除制度、さらには工事担任者試験の勉強方法についても解説します。
この記事を読めば、工事担任者試験の難易度が具体的にイメージでき、どれを取得すべきかの判断ができるようになります。
記事を読めばこんなことがわかります! |
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工事担任者試験を受けるかどうか迷っている人、難易度を知った上で何を受験するか決めたい人は、答えが見つかりますので、ぜひ最後まで目を通してもらえたらと思います。
目次
1.【データで探る】工事担任者の難易度を多角的に解説
工事担任者の資格は、5種類に分かれています。
- 第一級アナログ通信
- 第二級アナログ通信
- 第一級デジタル通信
- 第二級デジタル通信
- 総合通信
これらは扱うことができる回線数によってランク付けされており、それにより難易度も異なります。
1章では、工事担任者の資格の難易度を、資料やデータを元に多角的に解説します。
- 資格別難易度|一番難しいのは「総合通信」
- 合格率からみた難易度|第二級は100%の合格率!
- 試験範囲からみた難易度
- 他の資格との比較からみた難易度
順にみていきましょう。
CHECK!
【工事担任者の資格制度改正】
工事担任者の資格制度は2021年4月1日より改正され、これまであった「AI第二種」と「DD第二種」の資格は廃止されました。
経過措置として2021年4月1日から3年が経過する日までを限度とし、これらの資格試験は実施される予定ですが、この記事では、廃止された2つの資格を除いた、現行の5つの資格について解説します。
1-1.資格別難易度|一番難しいのは「総合通信」
工事担任者の難易度を資格別にみると、「アナログ通信」「デジタル通信」ともに、二級より一級の方が、難易度が高くなります。
そして、5種類の中で一番難しいのが、「総合通信」です。
総合通信は、第一級アナログ通信と第一級デジタル通信の、両方を兼ね備えた資格となります。
総合通信資格は、工事担任者として全ての工事ができるようになる実用性の高い資格で、現場での需要も高いです。
アナログ通信とデジタル通信は扱う工事範囲が違うため、難易度を比較することはできません。
CHECK!
【「アナログ通信」と「デジタル通信」の違い】
「アナログ通信」と「デジタル通信」では、下記のように工事できる範囲が異なります。
アナログ通信
アナログ伝送路設備(アナログ信号を入出力とする電気通信回線設備)や、総合デジタル通信用設備(ISDN)に端末設備等を接続するための工事
デジタル通信
デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力とする電気通信回線設備(光回線など))に端末設備等を接続するための工事
また、アナログ、デジタルの両方を兼ね備えた「総合通信」の工事範囲は以下になります。
総合通信
アナログ伝送路設備又はデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事
1-2.合格率からみた難易度|第二級はほぼ100%の合格率!
次に、合格率から難易度を探っていきましょう。
ここでは、2022年の資格試験の合格率をみていきます。2022年度第1回の結果は次の通りです。
種別 | 合格率(受験者数) |
第一級アナログ通信 | 34.1%(449人) |
第二級アナログ通信 | 100%(21人) |
第一級デジタル通信 | 32.3%(1,419人) |
第二級デジタル通信 | 100%(48人) |
総合通信 | 30.9%(2,856人) |
2022年度第2回の試験結果も、公開されています。
種別 | 合格率(受験者数) |
第一級アナログ通信 | 36.0%(534人) |
第二級アナログ通信 | 100%(23人) |
第一級デジタル通信 | 28.1%(1,669人) |
第二級デジタル通信 | 92.9%(56人) |
総合通信 | 30.3%(3,112人) |
出典:日本データ通信協会 電気通信国家試験センター|電気通信工事担任者試験統計情報
アナログ、デジタルともに、第二級に関しては、ほぼ100%の合格率ですから、易しい試験であると考えて良さそうです。
第一級アナログ通信は34%〜36%、第一級デジタル通信は32%〜28%で、単純に比較すると、デジタルの方がやや難易度が高くなります。
総合通信の合格率は約30%と、合格率だけでみると、他より難易度が高いわけではないといえそうです。
受験者の質にもよるので一概にはいえませんが、一般的に、簡単といわれる試験の合格率は40%〜50%。難しいといわれるのは、15%を下回るラインからではないでしょうか。
約3割の合格率というのは、簡単ではないが、(素養のある人が)勉強して準備すれば受かるラインではないかという印象です。
【合格率からみた難易度】
- アナログ、デジタルともに第二級はほぼ100%の合格率で易しい!
- 第一級、総合通信は約30%で、しっかり準備すれば受かる程度の難易度!
工事担任者の試験科目は、どの資格も同様に次の3科目になっています。
- 電気通信技術の基礎(基礎)
- 端末設備の接続のための技術及び理論(技術)
- 端末設備の接続に関する法規(法規)
ただ、資格によって出題範囲が異なり、上位の資格になるほど試験範囲は広くなります。
たとえば、アナログ通信の「技術」を例にとると、試験範囲の細目は以下のようになっています。
第一級アナログ通信 |
|
第二級アナログ通信 |
|
「PBX」と「電磁妨害/雷サージ対策」が加わっている分、第一級の方が第二級より難易度が高いといえるでしょう。
また、デジタル通信の「技術」の出題範囲の細目は、第一級と第二級で次のような違いがあります。
第一級デジタル通信 |
|
第二級デジタル通信 |
|
第一級では、「IP-PBX」と「電磁妨害/雷サージ対策」が追加されている分、第二級より広い範囲の知識が必要とされます。
さらに、総合通信の試験範囲は、どの科目においても基本的に「第一級アナログ通信」+「第一級デジタル通信」となります。
2つ分の範囲を勉強して身につけなくてはいけないので、やはり、難易度は一番高いといえるでしょう。
【試験範囲からみた難易度】
二級より一級の方が試験範囲が広いので難易度が高い!
「総合通信」は全部の試験範囲を網羅しなくてはいけないので難易度が1番高い!
出題範囲について詳しく知りたい方は、日本データ通信協会 電気通信国家試験センター「電気通信の工事担任者 試験科目と出題範囲」をご覧ください。
1-4.他の資格との比較からみた難易度
次に、他の資格との比較から、工事担任者の難易度を考察します。
下表で、工事担任者取得を検討する人が興味を持ちやすい「電気通信主任技術者」、「第三種電気通信主任技術者(電験3種)」の2つの資格の合格率と、デジタル・アナログの工事担任者第一級、総合通信の合格率を見比べてみましょう。
資格 | 合格率 |
電気通信主任技術者(※1) | 32.4%(2022年度第2回) |
第三種電気通信主任技術者(※2) | 8.3%(2022年度上期) |
工事担任者(第一級アナログ通信) | 36%(2022年度第2回) |
工事担任者(第一級デジタル通信) | 28.1%(2022年度第2回) |
工事担任者(総合通信) | 30.3%(2022年度第2回) |
参考:一般財団法人 電気技術者試験センター|令和 4 年度第三種電気主任技術者上期試験の結果
日本データ通信協会 電気通信国家試験センター|電気通信工事主任技術者試験統計情報
(※1)電気通信主任技術者:電気通信ネットワークの工事、維持及び運用の監督責任者の資格
(※2)第三種電気通信主任技術者:発電所や変電所, 工場やビルなどに設置されている電気設備の保守・監督を行うための国家資格。第一種〜三種があり、三種が一番難易度が高い。
第三種電気通信主任技術者が、飛び抜けて高難度であることがわかります。
他の4つの資格は約28%〜36%と、多少の開きはありますが、基本的には3割ほどの合格率となります。
【他の資格との比較からみた難易度】
- 「第一級」と「総合通信」の難易度は、一般的な資格試験と同等の難易度!
2.工事担任者の資格取得は「第一級デジタル通信」か「総合通信」の二択
冒頭で述べたように、工事担任者のすべての資格に受験資格はありません。
受ける順番の決まりもないため、いきなり「総合通信」から挑戦することもできます。
難易度をみて迷う人もいると思いますが、結論からいうと、工事担任者の資格取得で確実なメリットを得たいなら、選択肢は「第一級デジタル通信」か「総合通信」の二択です。
理由を説明していきましょう。
- 信頼できる技術者の証といえるのは「総合通信」だけ
- 年収アップが期待できるのは第一級以上の資格
- 将来性があるのはアナログよりデジタル
一定の知識や経験のある人なら、まず二級から…と考えなくても、第一級や総合通信が狙えます。
あなたの大切な時間を無駄にしないためにも、よく読んで理解しておいてもらえたらと思います。
2-1.信頼できる技術者の証といえるのは「総合通信」だけ
工事担任者のどの資格でも保有すれば、通信工事や設備管理を行える技術者であることが証明できます。
ただ、信頼できる技術者の証と言い切れるのは「総合通信」の資格だけです。
というのは、通信工事の業界において、一級や二級の資格は「持っていて当たり前」のような資格になるからです。
工事担任者の主な仕事は、電気通信回線や端末設備の接続工事ですが、現場の仕事は資格所有者でなくとも請け負うことができます。
工事の中には有資格者がいないとできない工事もあるため、資格がある方がこうした仕事を任される機会は増えます。しかしその場合、「資格」と見なされるのは基本的に『総合通信』のことです。
合格率からみてもわかるように、受験者がほぼ全員合格する第二級は、持っていることを示しても評価にはつながりません。
第一級では、資格を持たないよりは高いスキルとみなされるかもしれませんが、『工事担任者第一級を持っているから採用したい』と、特段企業に思われるほどの価値はないと思っておいた方がいいでしょう。
「総合通信」であれば、通信工事を幅広く担える技術者として一定の評価が得られます。
2-2.年収アップが期待できるのは第一級以上の資格
工事担任者の資格取得で、年収の増加が期待できるのは第一級以上の資格です。
第二級は受験者ほとんどが合格するため、自負にはなっても、客観的な技術力の証明にはならないからです。
工事担任者に限らず、国家資格を取得すると、会社が次のような提示をすることが想定できます。
- 合格報奨金の支給
- 資格手当の支給(毎月給与に加えて支払われる)
- 月収やボーナスのアップ
ただ、優遇の提示は、高いスキルを保持して会社に貢献する人だからこそされます。第二級の資格では、技術力の証明にならないため難しいでしょう。
2-3.将来性があるのはアナログよりデジタル
工事担任者の資格取得を検討するとき、将来性を気にする人もいると思います。
将来性を考えるなら、アナログよりデジタルの資格の方が需要が高いといえます。
通信系の技術革新は、特にデジタルの分野での発展がめざましいからです。
工事担任者の重要度を疑問視する声もありますが、それは近年、Wi-Fiや携帯電話回線の高速化によって、有線の需要が下がっているとする見方からです。
しかしながら、実際には、安定した高速通信には、光回線に代表される有線の回線が優れていることがわかっています。
また、高画質で動画を閲覧できる環境が普及しつつあり、通信速度のさらなる高速化に伴い、工事担任者の需要も増加する可能性が高まっています。
ただ、こうした傾向は、主にデジタルの分野で進んでいるものです。
今の時点で、アナログかデジタルかで悩んでいる人は、将来性を考えてデジタル通信を選択することをおすすめします。
3.【効率重視】工事担任者資格の取り方2パターン
工事担任者のすべての資格に受験資格はなく、受ける順番の決まりもありません。
ですので、効率的に資格を取得したい人に、ほとんどの人が受かる第二級の受験はおすすめしません。
一から学びたい、自分の力試しをしたい人は別として、仕事においてステータスになるような資格ではないからです。第二級から試験を受けると、お金も時間もかかり、遠回りになってしまいます。
ではどんな順に、どんな取り方をすればいいのか?
効率を重視するあなたにおすすめしたい、資格取得のパターンは2通りです。
- 一番効率的で楽!「総合通信」一発狙い
- 「第一級アナログ通信」「第一級デジタル通信」の次に「総合通信」を狙う
あなたはどちらのパターンを選びますか?順にみていきましょう。
3-1.一番効率的で楽!「総合通信」一発狙い
一番効率的なのが、最初から難易度の高い「総合通信」を取ることです。
最上位なので、あとからデジタルやアナログの資格をとる必要がありません。
1-3.試験範囲から見た難易度で説明したように、総合通信の試験範囲は、第一級デジタル通信と第一級アナログ通信を足したものになります。
ですので、第一級をとってから、総合通信をとるとなると、試験範囲が重複してしまうのです。
最初の準備は大変かもしれませんが、後から追加で勉強することを思えば、一発狙いで最上位を取ってしまうのが、最も効率的で楽な方法だといえるでしょう。
3-2.「第一級アナログ通信」「第一級デジタル通信」の次に「総合通信」を狙う
仕事や勉強が忙しく、最初から「総合通信」を取得するのは厳しいという人は、「第一級アナログ通信」あるいは「第一級デジタル通信」の次に、「総合通信」を狙うというパターンもありでしょう。
試験範囲は重複しますが、最初から広い範囲の知識を求められるより、順番にランクを上げていきたいという人にはこのパターンが向いています。
工事担任者の試験に受かるための勉強方法については、「5.工事担任者試験に受かるための勉強方法」で解説しますので参考にしてください。
仕事によっては、第一級の資格があれば十分というケースがあるかもしれません。 その場合は、「第一級アナログ通信」あるいは「第一級デジタル通信」だけを取得すれば良いです。 アナログ通信資格は、アナログ伝送路設備や、総合デジタル通信用設備(ISDN)に端末設備等を接続するための工事や監督ができる資格で、第一級を持っていれば、アナログ通信技術に関するスキルの証になります。 デジタル通信資格は、デジタル回線の電気通信設備工事で工事や監督ができる資格で、第一級を持っていれば、相応のスキルを持っている信頼性の証になります。 アナログ、デジタルどちらかの上位資格を持っていれば良いという人は、「総合通信」より試験範囲の狭い「第一級アナログ通信」「第一級デジタル通信」を受験しましょう。 |
4.【難易度を下げる裏技】工事担任者試験には科目免除制度がある!
工事担任者の難易度や資格の取り方について、把握できてきたでしょうか。
ここでお伝えしておきたい、嬉しい情報があります。
工事担任者試験には、数多くの科目免除制度が設けられているのです。
科目免除制度とは、何らかの条件に当てはまると、工事担任者試験の下記3つの科目のどれかが免除されるというものです。
- 電気通信技術の基礎(基礎)
- 端末設備の接続のための技術及び理論(技術)
- 端末設備の接続に関する法規(法規)
4章では、難易度を下げる裏技として「工事担任者の科目免除制度」を解説します。
- 科目合格による免除
- 他の資格がある場合の免除
- 実務経歴による免除
- 認定学校修了・修了見込みによる免除
よく読んで、上手に利用していきましょう。
4-1.科目合格による免除
過去に受験して合格した科目は、申請により試験免除を受ける事ができます。
つまり、一部の試験科目に合格していれば、次の試験ではまだ合格していない科目だけ受験すれば良いのでかなり効率的です。
ただし、試験免除の申請には申請期限がありますので、注意してください。
【科目合格による免除|申請期限】
試験の行われた月の翌月の初めから起算して3年
免除となる科目や条件については、細かく規定が定められています。詳しくは、下記をご確認ください。
日本データ通信協会 電気通信国家試験センター|試験免除 : 免除科目一覧表
4-2.他の資格がある場合の免除
次のような資格を持っている場合は、試験科目の「基礎」や「法規」が免除されます。
- 電気通信主任技術者
- 第一級陸上無線技術士
- 第二級陸上無線技術士
- 第一級総合無線通信士
- 第二級総合無線通信士
- 第三級総合無線通信士
- 第一級海上無線通信士
- 第二級海上無線通信士
- 電気通信工事施工管理技術検定合格者
資格ごとに免除される科目をまとめた一覧を、ご覧ください。
資格名 | 免除される科目 | 備考 |
電気通信主任技術者 | 基礎 | |
第一級陸上無線技術士 | 基礎 | |
第二級陸上無線技術士 | 基礎 | |
第一級総合無線通信士 | 基礎 | |
第二級総合無線通信士 | 基礎 | |
第三級総合無線通信士 | 基礎 | 第二級アナログ通信、 |
第一級海上無線通信士 | 基礎 | |
第二級海上無線通信士 | 基礎 | |
電気通信工事施工管理技術検定合格者 | 基礎 | 二級の第一次検定のみの |
参考:日本データ通信協会 電気通信国家試験センター|試験免除 : 免除科目一覧表
※制度改正前の旧資格も免除の対象となります。
電気通信主任技術者の資格保持者だけが、基礎だけでなく、法規も免除可能となっています。
4-3.実務経歴による免除
実務経験がある場合は「経歴証明書」の提出により、指定された科目(基礎・技術)が免除されます。
それぞれの科目について、免除の条件をみていきましょう。
- 「基礎」の免除が受けられる条件
- 「技術」の免除が受けられる条件
4-3-1.「基礎」の免除が受けられる条件
端末設備を接続する工事に下記の期間従事していれば、「経歴証明書」の提出で、試験科目の「基礎」の免除が可能になります。
実務年数 | 資格の種類 |
2年以上 |
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1年以上 |
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また、総合通信、第一級アナログ通信、第一級デジタル通信を受験する場合、以下の資格を取得してから1年間の実務経験がある場合は、免除の対象となります。
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4-3-2.「技術」の免除が受けられる条件
試験科目の「技術」の免除を受けられる実務経験の条件は、下表のように定められています。
資格の種類 | 免除を受けられる条件 |
第一級アナログ通信 | 以下のどちらかの業務に3年以上従事する
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第一級デジタル通信 | デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事に3年以上従事する |
総合通信 | 第一級アナログ通信と第一級デジタル通信の要件を両方満たす |
第二級アナログ通信 | 以下のどちらかの業務に2年以上従事する
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第二級デジタル通信 | デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事に2年以上従事する |
実際に免除を受けるためには、さらに細かい条件が定められています。
詳しくは日本データ通信協会の所定のページをご参照ください。
4-4.認定学校修了・修了見込みによる免除
電気通信のカリキュラムを設ける大学や専門学校、高校を修了した方は、「基礎」の科目免除を受けられる場合があります。
申請時に「修了証明書」か「修了見込証明書」を添付することで、免除を受けられます。
在学した学校や学科が免除に該当するかどうかは、日本データ通信協会 電気通信国家試験センター|試験免除 : 免除科目一覧表にてご確認ください。
5.工事担任者試験に受かるための勉強方法2つ
工事担任者の難易度は一般的な資格取得と同程度と先述しましたが、初めて受験する人は「どれくらい勉強すればいいの?」といった不安をお持ちかもしれません。
また、働きながら資格取得をめざす人は、できるだけ効率的に勉強をして試験に受かりたい、と思っていることでしょう。
そこで最後の章では、自力で工事担任者の試験に合格するための勉強方法を伝授します。
- 「第二級」の勉強方法
- 「第一級」「総合通信」の勉強方法
工事担任者の試験は、すべてCBT方式(コンピュータ上で受ける試験)で、複数の選択肢から正解を選ぶタイプの問題が出題されます。
順に解説しますので、あなたの勉強に取り入れていってくださいね。
5-1.「第二級」の勉強方法はとにかく参考書を繰り返し熟読すること
アナログ、デジタルともに「第二級」の勉強方法は、とにかく参考書を繰り返し熟読することです。
第二級は入門資格なので、基礎力がしっかり身についていれば受かります。
ここまで、第二級は易しい試験だと述べてきましたが、それは素養のある人のことで、電気、電子、通信の分野をほとんど勉強したことのない人にとっては、かならずしもそうではありません。
第二級取得をめざす方は、通信技術の初心者かと思いますので、まずは、「電気、電子、通信、インターネット回線とはどのようなものか」を理解するところからはじめてください。
参考書に関しては、合格者の大部分がリックテレコム社の「標準テキスト」「実践問題」を活用しています。
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アナログに関しては標準テキストしか出版されていません。
実践問題に関しては、5-2.「第一級」「総合通信」の勉強方法でご紹介する「総合通信」の参考書の中のアナログ通信の問題を使って対策を行ってください。
最初は、参考書を読んでも理解できないところがあるかもしれません。
ポイントは、わからないからといって焦らず、とにかく読み進めることです。そこで悩んで立ち止まると、次に進めず挫折してしまいます。
まずは、『読み終わった時点で少しでも知識が身についていればいい』といった意識で始める事です。
わからない所があっても最後まで読むことが重要になります。
最後まで読んだら、演習問題を解いてみます。間違った問題は解説だけでなく、テキストも読み返してその周辺の知識も増やしましょう。
このことを、全ての問題を解答を見ないで正解できるまで繰り返します。
【第二級の勉強方法】
① 参考書を一通り読む→演習問題を解く→不正解をチェックして解説を読む
② 不正解だった箇所やその周辺のテキストを読み返して知識を増やす
③ ①〜②を全ての問題を解答を見ないで正解できるまで繰り返す
このように参考書をフルに利用して、熟読することが第二級試験合格への近道です。
5-2.「第一級」「総合通信」の勉強方法は徹底的に問題を解くこと
「第一級」「総合通信」の勉強方法は、徹底的に問題を解くことです。
第二級に比べ、問題の範囲が広がるため、多くの問題を解いて知識を増やしておくことが必要なのです。
参考書の中の実践問題、過去問題を一通り解いたあと、間違ったところを確認してください。
分からない所は参考書を読み返すのもいいですが、一定の知識がある人なら、解答集を見るだけでも良いかもしれません。
解答集には、なぜその解答になるのかの解説が記載されているので、時間が短縮できるでしょう。
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リックテレコム|定価3,130円(税込)
不正解の箇所が確認できたら、間違わなくなるまで最低でも2〜3回繰り返しましょう。
【「第一級」「総合通信」の勉強方法】
① 過去問題や参考書の演習問題をできるだけ数多く解く
② 不正解だった箇所をチェックし、解答書を読む
③ ①〜②を納得できるまで繰り返し行う
できるだけ広い範囲の問題に対応できるようにしておくことが、「第一級」「総合通信」への備えになります。
過去問題はこちらからも入手できます。
日本データ通信協会 電気通信国家通信センター|令和4年第2回工事担任者試験問題・正答
6.まとめ
工事担任者の難易度をおさらいしておきましょう。
【合格率からみた難易度】
- アナログ、デジタルともに第二級は約100%の合格率で易しい
- 第一級、総合通信は約30%で、しっかり準備すれば受かる程度の難易度
【試験範囲からみた難易度】
- 二級より一級の方が試験範囲が広いので難易度が高い
- 「総合通信」は全部の試験範囲を網羅しなくてはいけないので難易度が1番高い
【他の資格との比較からみた難易度】
- 「第一級」と「総合通信」の難易度は、一般的な資格試験と同等の難易度
効率を重視するあなたにおすすめしたい、工事担任者の資格取得パターンは2通りです。
- 「総合通信」一発狙い
- 「第一級アナログ通信」「第一級デジタル通信」の次に「総合通信」を狙う
この記事を、工事担任者試験に関するあなたのお悩み解消に大いに役立てて頂けたらと思います。
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