コンクリート技士とは、コンクリートの製造や施工、配合などコンクリートに関する知識があることを証明する資格です。主に生コンクリートの製造や品質の管理、建設・土木現場でのコンクリートの施工や品質管理などで役に立ちます。
コンクリート技士は専門性が高い資格なので、誰でも取得できるものではありません。どのような資格なのか理解したうえで、受験要件に該当しているのか、どのような試験内容なのか確認し受験するべきか判断することが大切です。
そこでこの記事では、コンクリート技士の仕事内容やコンクリート技士を取得するメリットなどコンクリート技士に関する基礎知識をまとめて解説していきます。コンクリート技士の受験要件やコンクリート技士の取得が向いている人などにも触れているので要チェックです。
この記事を読むとわかること
〇コンクリート技士の仕事内容や資格が活かせる業種
〇コンクリート技士の受験要件
〇コンクリート技士を取得するメリット
〇コンクリート技士の取得が向いている人
〇コンクリート診断士との違い
〇コンクリート技士の受験日と申請方法
〇コンクリート技士の試験内容
〇コンクリート技士の試験勉強をするときのポイント
この記事を最後まで読めばコンクリート技士を取得するべきか判断でき、具体的な試験勉強法まで理解できるはずです。建設・土木業に携わっている人はもちろんのこと転職を検討している人やコンクリートを扱う業種に興味がある人も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.コンクリート技士とは
冒頭でも触れたように、コンクリート技士は日常の業務でコンクリートの製造や施工、配合ができる知識があることを証明できる資格です。公益社団法人日本コンクリート工学会が認定する民間資格として、1970年に創設しました。
「コンクリート技士」は、コンクリートの製造、施工、配(調)合設計、試験、検査、管理および設計など、 日常の技術的業務を実施する能力のある技術者とします。
出典:公益社団法人日本コンクリート工学会「2022年度コンクリート技士試験コンクリート主任技士試験 受験のご案内」
具体的には
- 必要な材料を調合して基準を満たす生コンクリートを製造する
- 生コンクリートの試験をする(生コンクリートの硬さ・空気量・強度などを調べる)
- コンクリート施工時の品質の確認をする
など、コンクリートの製造や施工、品質管理に関わる業務で活躍できます。
「3.コンクリート技士を取得する3つのメリット」で詳しく解説していますが、コンクリート技士は幅広い知識と技術者を持ち合わせているため年収アップや転職などに役立ちます。
1-1.コンクリート技士の仕事内容
コンクリート技士を取得すると、主に下記の2つの場面で活躍できます。
具体的にどのような仕事を行うのか詳しく見てみましょう。
1-1-1.生コンクリートの製造や品質管理
コンクリート技士は、生コンクリートの製造や品質管理に役立ちます。生コンクリートに必要な強度は、使用する材料や施工する季節などによって異なります。コンクリート技士としての技術や知識を生かして、施工内容やオーダーに応じた生コンクリートを製造します。
また、建設現場に運送する前の生コンクリートの試験を担うこともあります。生コンクリート工場で製造された生コンクリートが一定の強度や空気量、温度になっているか品質の管理、確認を行い、安心して建設現場で使用できるようにサポートします。
1-1-2.建設・土木現場での施工や品質管理
コンクリートを使用する建設現場や土木現場では、品質の確認や施工などコンクリートに関連する業務を担当します。
- 建設・土木現場でのコンクリートの打設(生コンクリートを枠の中に流し建物の基礎を作る作業)
- 建設・土木現場でのコンクリートの管理
- コンクリート施工後の確認
など、コンクリートに関する業務全般を行います。現場によっては施工面積が広い場合や短時間での作業が求められる場合も少なくありません。コンクリート技士はコンクリートの品質を落とすことなく施行ができるように、アドバイスを行うこともあります。
1-2.コンクリート技士の資格を活かせる職業
コンクリート技士の資格は、コンクリートの製造や施工、管理に携わる業界で活かせます。主に下記のような職業では、コンクリート技士が活躍しています。
業種 | コンクリート技士が携わる業務の一例 |
建設業 | 建設現場でのコンクリート施工や品質管理を行う |
土木業 | 道路工事や道路舗装などに使用するコンクリート施工や品質管理を行う |
生コンクリート製造業 | 生コンクリートを製造するための材料配合や工程の検査、品質管理を行う |
コンクリート試験員 | コンクリートの強度や品質の確認などを行う |
コンクリート製品の製造業 | パイルやポールなどのコンクリート製品の製造や品質管理を行う |
コンクリートはビルやマンションなどの建造物や道路、橋など幅広く使用されている材料です。そのため、建築業界や土木業界への就職、転職に活用できます。
また、コンクリート自体の製造を行うコンクリート製造業やコンクリートの品質を管理するコンクリート試験員も、コンクリート技士が活用できる業種です。
2.コンクリート技士の受験要件
コンクリート技士は専門性が高く、誰でも受験できる資格ではありません。下記の①~③のいずれかに該当していることが受験の要件です。
コンクリート技士を受験する資格があるのか確認するためにも、各要件の内容を確認してみてください。
2-1.該当する資格を取得している
コンクリート技士は、以下のいずれかの資格があると受験できます。
- コンクリート診断士
- 1級建築士
- 技術士(建設部門)
- 技術士(農業部門の中の農業土木または農業農村工学)
- 土木技術者(特別上級・上級・1 級)
- RCCM(シビルコンサルティングマネージャ・鋼構造及びコンクリート)
- コンクリート構造診断士
- 1級土木施工管理技士(監理技術者資格者証を保有していること)
- 1級建築施工管理技士(監理技術者資格者証を保有していること)
参考:公益社団法人日本コンクリート工学会「2022年度コンクリート技士試験コンクリート主任技士試験 受験のご案内」
どの資格もコンクリートを扱うため、コンクリート技士との関連性が高いところが特徴です。1級土木施工管理技士と1級建築施工管理技士のみ監理技術者講習を修了し、監理技術者資格者証を保有していることが条件となっています。
2-2.一定の学歴+実務経験がある
大学や専門学校、高校でコンクリート技術に関する学科を履修し卒業している場合は、2年以上の実務経験があればコンクリート技士を受験できます。大学院を卒業しており大学院でコンクリートに関する研究を行っていた場合は、大学院の期間を実務経験期間とみなすことが可能です。
コンクリート技術に関する主な学科は、下記のとおりです。
【コンクリート技術に関する主な学科】
- コンクリート工学
- 土木構造学
- 建築構造学
- 土木材料学
- 建築材料学
- セメント化学
- 無機材料工学
例えば、大学のコンクリート工学科を卒業しその後コンクリート製造業に3年間従事している場合は、受験要件を満たしていると言えます。
2-3.コンクリート技術関連の実務経験がある
資格の保有や高校、大学でのコンクリートに関する履修がなくても、コンクリート技術関連業務に3年以上携わっていればコンクリート技士の受験要件を満たせます。
コンクリート技士の受験に必要なコンクリートの技術関係業務は、下記のとおりです。
- レディーミクストコンクリートやコンクリート製品の製造
- コンクリートの品質管理や施工管理
- コンクリートの設計
- コンクリートの試験や研究等に関する業務
技術関係業務にはコンクリートの品質管理や製造、試験などが含まれます。一方で、生コンクリート工場の設備保守やオペレーター、生コンクリート運送の運転手などは技術関連業務には含まれないため注意が必要です。
また、この受験要件では、年齢や学歴を問いません。例えば、高校を卒業後にコンクリート製造業に従事した場合は、3年以上の要件を満たす21歳のときにコンクリート技士の試験にチャレンジできるようになります。
3.コンクリート技士を取得する3つのメリット
コンクリート技士を取得するメリットには、次の3つがあります。
コンクリート技士は将来性があり、会社によっては年収アップにつながる資格です。自分に合う資格なのか判断するためにも、どのようなメリットがあるのか把握しておきましょう。
3-1.安定した需要がある
1つ目は、コンクリート技士には安定した需要があるところです。コンクリートはマンションや道路、下水道施設などさまざまな用途に使用されており、建造物からインフラの整備まで欠かすことのできない材料です。
今後も都市開発や防災対策などでインフラの整備や建造物の建設は続いていくと考えられているため、コンクリートの需要が大きく落ち込むことはないと言われています。将来を見越してもコンクリート技士が活躍できる場は数多くあり、長く活躍できる資格だと捉えられるでしょう。
- 現状だけでなく長く使える資格を取得したい
- 将来的に活躍できる場が減らない資格を取得したい
という場合には、コンクリート技士を取得するメリットがあります。
3-2.資格手当や年収アップにつながる
2つ目は、年収アップにつながるところです。会社の規模や資格の活用できる機会にもよりますが、1~10万円ほどの給与アップが見込めるでしょう。
例えば、コンクリートの使用頻度が高い建設工事を請け負う会社の場合は、コンクリート技士が活躍できる業務自体が多いです。同じく、コンクリート試験員やコンクリート製造に携わっている場合も、コンクリート技士の知識や技術を活用できる機会が多々あります。
このような場合はコンクリート技士のスキルが重宝されるため、給与アップや資格手当につながりすいです。
- 現在コンクリートを扱う業種に従事しており給与アップを目指している
- スキルを活かして給与アップにつながる転職がしたい
というケースにも、コンクリート技士を取得する価値はあるでしょう。
3-3.ワンランク上のスキルを目指せる
3つ目は、ワンランク上のスキルを目指せるところです。コンクリート技士を取得すると、コンクリート主任技士やコンクリート診断士が目指しやすくなります。コンクリート主任技士はコンクリート技士の知識に加え、応用的な知識を有していることを証明する資格です。コンクリート技士よりも1つ上の資格として位置付けられています。
コンクリート主任技士はコンクリート技士を取得していると2年以上の実務経験があれば受験要件を満たせるため、受験がしやすくなります。「5.コンクリート診断士との違い」で詳しく解説するコンクリート診断士も、コンクリート技士を取得していれば受験要件が満たせます。
コンクリート技士を取得しているときの受験要件 | |
コンクリート主任技士 | コンクリート技士の取得+実務経験2年以上 |
コンクリート診断士 | コンクリート技士の取得で要件を満たせる |
参考:公益社団法人日本コンクリート工学会「2023 年度コンクリート診断士試験のご案内」
公益社団法人日本コンクリート工学会「コンクリート技士・主任技士受験資格と提出書類の早見表」
※それぞれコンクリート技士の取得以外にも選択できる受験要件はあります。
引用:twitter
このように、コンクリート技士を取得すると、次のスキルを目指しやすくなります。
4.コンクリート技士の取得が向いている人
コンクリート技士が向いている人としては、次の3パターンが考えられます。
コンクリート技士の資格を最大限活用するために、あらかじめ確認しておきましょう。
4-1.現在の仕事でスキルアップを目指したい人
現在コンクリートに関連する業務に携わっており、スキルアップを目指したい人はコンクリート技士の取得が向いています。コンクリート技士を取得するとコンクリートに関する基礎的なスキルがある技術者だと認められます。
- 任せてもらえる仕事の幅が広がる
- 責任のあるポジションを任せる
など、携わる仕事の幅や責任が変化する可能性があります。業務内容が変わることで「3-2.資格手当や年収アップにつながる」で触れたように、給与アップにもつながるでしょう。
- 今の会社でワンランク上のスキルを目指したい
- 今の会社でできる業務を増やしたい
という場合は、コンクリート技士を検討してみてください。
4-2.コンクリート製造や試験員として活躍したい人
コンクリートに直接的に関わるコンクリートの製造やコンクリート試験員として活躍したい人には、コンクリート技士の取得が向いています。
コンクリートの製造や品質管理には、コンクリートに関する知識が必要不可欠です。コンクリート技士を取得していれば一定の知識があるとみなされるため、安心して仕事を任せてもらえます。
コンクリートの製造やコンクリート試験員はコンクリート技士を取得しなければならない義務はありませんが、コンクリート技士を保有している人材を探している求人が目立つのも事実です。
- コンクリートの製造や品質管理に携わる仕事がしたい
- コンクリート試験員として活躍したい
という場合にも、コンクリート技士は価値のある資格だと言えるでしょう。
4-3.コンクリートを扱う業種に転職したい人
今後コンクリートを扱う業種への転職を考えている場合は、コンクリート技士の取得が転職時に有利に働く可能性があります。主な理由としては、下記の2つが考えられます。
|
1つ目は、コンクリート技士取得者を探している求人が目立つところです。コンクリート技士を取得していることで、選択できる求人の幅が広がり納得できる転職活動へとつながります。
2つ目は、コンクリート技士を保有していることがアピールポイントとなり、転職時の交渉がしやすいところです。とくにコンクリート技士を取得している人材を求めている会社であれば、給与や手当ての交渉ができる可能性があります。
「2.コンクリート技士の受験要件」をクリアしたうえで転職先として
- レディーミクストコンクリートやコンクリート製品の製造
- コンクリートの品質管理や施工管理
- コンクリートの設計
- コンクリートの試験や研究等に関する業務
を視野に入れている場合は、コンクリート技士の取得を検討する価値はあるでしょう。
5.コンクリート診断士との違い
コンクリート技士を検討するときに、コンクリート診断士の資格も気になる方がいるかと思います。コンクリート技士とコンクリート診断士の大きな違いは業務内容です。
資格名 | 主な業務内容 |
コンクリート技士 | 生コンクリートの製造や品質管理、コンクリートの施工管理 |
コンクリート診断士 | 生コンクリートやコンクリートの品質、施工管理だけでなく構造物の診断や維持管理を含む |
コンクリート技士は、コンクリートの製造や施工管理が業務の対象です。コンクリート診断士は既に建設されている建造物も業務の対象となり、建造物の点検や維持管理を行います。
- コンクリートを使用した建造物の定期点検を行う
- コンクリートを使用した建造物の点検結果をもとに補修計画を設計する
- コンクリートを使用した建造物の維持管理計画を立てる
などがコンクリート診断士の業務です。コンクリート技士よりも対象物が増えるため、より専門的な知識が求められます。また、コンクリート診断士の受験要件はコンクリート技士よりもハードルが高く設定されています。
コンクリート診断士の受験要件 | 概要 |
該当する資格を取得している |
|
一定の学歴+実務経験がある |
|
コンクリート技術関連の実務経験がある | 実務経験のみでは受験できない |
コンクリート診断士は、実務経験のみでは受験ができません。該当資格の取得や一定の学歴と実務経験が必要です。とくに必要な実務経験に差があり、学歴+実務経験でコンクリート診断士を目指すには最低でも4年以上の実務経験を積まなければなりません。
このように、コンクリート技士とコンクリート診断士では
- コンクリート業務の範囲が違う
- コンクリート診断士のほうが受験要件が厳しい
という違いがあります。建造物の診断や保守点検などコンクリート診断士が必要な業務を目指したい場合は、コンクリート診断士を目指すことが適しているでしょう。
6.コンクリート技士の受験日と申請方法
2023年のコンクリート技士の受験日は、2023年3月時点では公表されていません。「公益社団法人日本コンクリート工学会」の公式サイト内に掲載されるため、随時確認をしてください。
ここでは、コンクリート診断士を受験する前に知っておきたい開催場所や受験願書の提出方法、合否の確認方法などをまとめてご紹介します。この部分を把握しておけば受験願書の受付を開始したときにすぐに対応できるため、参考にしてみてください。
6-1.受験は1年に1回主要都市で開催
コンクリート技士の試験は、1年に1回主要都市で開催されています。
【2022年度のコンクリート技士の開催地】 札幌 |
各開催地の試験会場は試験参加者のみに郵送で通知されるので、指定の会場に足を運び受験をします。
6-2.受験には受験願書の提出が必要
コンクリート技士の受験には、受験願書の事前提出が必要です。「公益社団法人日本コンクリート工学会」の公式サイトを確認して、願書受付期間内に受験願書と付随する書類、受験料を提出してください。
コンクリート技士の受験に必要な料金・書類 | |
受験願書代 | 1,000円(税込・送料込) |
受験料(口座振込) | 8,800円(税込) |
受験願書送付時の提出書類 | 受験願書
|
とくに「2.コンクリート技士の受験要件」で解説した受験要件に関する書類の準備は忘れがちです。例えば、学歴+職務経験を受験要件としている場合は、学校の卒業証明書と履修証明書、実務経験証明書が必要なので、あらかじめ用意しておきましょう。
6-3.合格確認は公式サイトからできる
コンクリート技士を受験した後の合否は、「公益社団法人日本コンクリート工学会」の公式サイトから確認できます。試験終了の約2ヶ月後に、合格者の受験番号が公開されます。公式サイトを見て、自分の受験番号があるか確認をしてください。
なお、受験番号の公開期間は約1ヶ月です。見逃してしまうと自分が合格したのか分からなくなってしまうので、公開がされたら早めに確認するようにしましょう。
6-4.合格後には登録申し込みが必要
コンクリート技士は受験に合格したら終わりではなく、コンクリート技士の登録を行う必要があります。合格後に指定された期間内に登録申請をすると、登録証が届きコンクリート技士として活躍できるようになります。
注意したいのは、コンクリート技士は1度登録をすれば永久的に保有できる資格ではないところです。4年に1度の更新手続きが必要で、更新を繰り返すことでコンクリート技士の資格を維持できます。
更新を怠るとコンクリート技士の登録が失効する(再登録制度は用意されています)ため、更新時期が来たら忘れずに更新手続きを行うようにしてください。
7.コンクリート技士の合格率は30%前後!比較的難易度が高い
コンクリート技士は、毎年8,000名~9,000名程度が受験しています。合格率は30%前後で、比較的難易度が高いと言えます。2022年度は8,672名が受験しており、合格率は31.9%です。
受験年度 | 受験者数 | 合格率 |
2022年度 | 8,672名 | 31.9% |
2021年度 | 9,037名 | 30.6% |
2020年度 | 8,149名 | 30.7% |
2019年度 | 8,758名 | 29.5% |
2018年度 | 8,946名 | 29.6% |
コンクリートに関する幅広い知識が求められ専門性が高い試験内容となっていることが、難易度が高くなる理由だと考えられます。では、コンクリート技士の試験はどのような視点で合否の判断をしているのか、次の章で詳しく解説しています。
8.コンクリート技士の試験内容
コンクリート技士の試験は、四肢択一式の筆記試験(4つの選択肢から正解を選ぶ)となっています。実技試験や面談はありません。試験内容や合否基準は明かされていませんが、選考の基準としては下記のポイントが挙げられています。
選考の項目 | 選考のチェックポイント |
土木学会コンクリート標準示方書 | 内容を理解している |
コンクリート用材料の品質・試験および管理 |
|
コンクリートの配合設計 |
|
コンクリートの試験 |
|
プラントの計画管理 |
|
コンクリートの製造および品質管理 |
|
コンクリートの施工 |
施工方法とコンクリートの性質との関連性がわかる知識 |
コンクリートに関わる環境問題 | コンクリートやコンクリート構造物に関わる環境問題についての基礎的な知識と理解力 |
関係法令 | 基礎的な理解ができている |
参考:公益社団法人日本コンクリート工学会「2022年度コンクリート技士試験コンクリート主任技士試験 受験のご案内」
コンクリートに関する基礎的な知識だけでなく、施工方法や配合方法、試験方法など実務で活動する専門性の高い項目が並びます。選考のチェックポイントとしては知識の習得や理解度を重視しているため、難なく回答できるように理解を深めておくことが大切です。
9.コンクリート技士の試験勉強をするときのポイント
最後に、コンクリート技士の試験勉強をするときのポイントをご紹介します。
どのような方法で勉強を進めていくのか迷う場合は、ぜひ参考にしてみてください。
9-1.短時間で効率よく学ぶなら研修会に参加する
コンクリート技士は、仕事と並行して資格取得を目指すケースが多いです。短期間で効率よく知識を習得できる研修会は、優先して検討したい方法です。
引用:Twitter
研修会の内容や日時設定にもよりますが、コンクリート技士の試験に出題される範囲を数日で網羅的に学習できます。中には実務を行い実際に作業しながら、試験対策ができる講習会もあり覚えやすいところが特徴です。不明な点や不安な点はその場で質問ができるため、課題を解決しやすいところも魅力の1つです。
研修会はコンクリート技士の試験が近くなると全国各地で開催されるため、参加できそうなものを見つけて検討してみてください。
9-2.テキストや過去問題を解く
コンクリート技士の資格勉強をするときには、テキスト読んだり過去問題を解いたりするのも一つの方法です。実際にコンクリート技士を受験している人の中には、テキストや過去問題を活用している人が目立ちます。
引用:Twitter
引用:Twitter
テキストや過去問題を活用するときには、下記のポイントを押さえるといいでしょう。
勉強方法 | 具体的な内容 |
テキスト | 基礎的な知識を身につけるために使用する |
過去問題 | 何度も解いてミスなく正解できるようにする |
テキストは、基礎的な知識を身につけるために利用します。分からない部分は繰り返し読み、理解できるようにしておくことが大切です。過去問題は繰り返し解くことで、理解を深められます。間違えたところはそのままにせず、テキストなどを利用して難なく解けるようにしておきましょう。
ここで注意したいのは、1冊のテキストや過去問題だけでは知識が偏ってしまう可能性があることです。例えば、同じ過去問題だけを解いていても、過去問題から外れた内容に対応できないケースがあります。できる限り複数のテキストや過去問題に目を通して、幅広い知識を身につけるようにしてみてください。
9-3.通信講座を受講する
コンクリート技士に関する知識が浅く時間をかけて勉強したい場合は、通信講座を検討できます。コンクリート技士の試験に必要な知識を網羅的にじっくりと学べます。
例えば、「日本建設情報センター」が提供している「映像通信講座」はテキストやDVDがセットになっており、基礎知識から試験対策、過去問題までをまとめて学習できます。DVDは繰り返し見ることができるため、何度も見て覚えることが可能です。
ただし、通信講座やeラーニングは他の方法よりもコストがかかるため、事前に費用を確認して検討するようにしましょう。
10.まとめ
いかがでしたか?コンクリート技士とはどのような資格なのか理解でき、取得を目指せるようになったかと思います。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
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〇コンクリート技士を受験するには次のいずれかの条件に該当している必要がある
①1級建築士や技術士などの該当資格を取得している
②一定の学歴と学歴に応じた実務経験がある
③コンクリート技術関連の実務経験が3年以上ある
〇コンクリート技士の取得は下記のケースに向いている
①現在携わっている仕事でのスキルアップを目指したい人
②コンクリート製造業や試験員として活躍したい人
③コンクリートを扱う業種に転職したい人
コンクリート技士は安定した需要があり、建設業界や土木業界で働くなら取得しておくと役立つ資格です。受験要件に該当する場合は、この記事を参考にコンクリート技士の取得を目指せることを願っています。
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